ホーム › この記事の担当範囲: 原稿と設定表の整合性を照合し、修正の基準と範囲を決めます。一つの設定と三段落の点検例から、直した本文と未確認の場所を分けます。
ミラ
この設定では、印刷された文字は光らないんですよね。
コトハ
はい。点検用の原稿では、ポスターも光ると書いています。
ソウマ
別案として残したのか、同じ版に混ざったのかで違うんだな。
アキト
先に版と条件をそろえろ。どちらを基準にするかは、場面の役割から決める。
Worldbuilding
世界観の矛盾チェックは、同じ版と条件の照合から
世界観の矛盾チェックは、同じ版・対象・時点の記述を並べることから始めます。内容が違っていても、未採用の別案や、時期による変化、人物の誤解として書いたものなら、すぐに修正対象とは決まりません。
どの原稿と設定表を照合するか、その名前や版、位置を残します。意図した違いであっても、読者がそれを区別できる記述があるかは、別に確認できます。
点検用コピーで、一つの食い違いを見る
ここでは自作の『雨の文字・整合性点検用v1』を使います。設定は「雨に濡れた手書き文字は淡く光る。印刷文字は光らない」。そこへ、印刷も光る本文を同じ版として混ぜた、点検の練習例です。
ルール設定の記事では、光り方の異なる二案を比較用に分けてあります。別案として並べてあること自体は矛盾ではありません。 この記事の点検用コピーで、同じ採用版として混ぜた場合だけを扱います。元の記事を書き換える例ではありません。
| 先に確かめること | 今回の例 | 判断の境界 |
|---|---|---|
| 同じ版・条件か | 印刷は光らない設定と、印刷も光る三段落を同じ点検用コピーに置いた | 未採用の別案として分けてあるなら矛盾と数えない |
| 意図した差か | 今回は同じ場面・時点で、地域差や人物の誤解としては書いていない | 作者の意図だけでなく、読める根拠の有無も見る |
| どこが食い違うか | 印刷文字は光らない/印刷ポスターの文字が光っていた | 対象が同じ印刷文字なので、今回の条件では両立しない |
Rules of Place
ルール・代償・時系列・知識の四観点で整合性を見る
分類は、見る場所を探すための補助です。四つが互いに完全に分かれるわけではなく、複数に関係する食い違いもあります。名前を一つに決めるより、どの条件が一致していないかを残します。
| 観点 | 確認すること | 混同しないこと |
|---|---|---|
| ルール | できる範囲や適用対象が同じか | 今回の手書きと印刷の光り方 |
| 代償・制約 | 使う条件や結果が一致するか | 記憶の欠落と、目で見えないことは別の条件 |
| 時系列 | 出来事の順や、その時点の条件が合うか | 本文で説明を出す順と、出来事が起きる順を分ける |
| 知識・情報 | 誰が、いつ、何を知ったか | 人物が知る根拠と、読者に伝えた記述を分ける |
説明の順番と、出来事の順番を分ける
読者へ条件を伝えるのが遅く、場面の意味が分かりにくい場合には、説明の位置を変える案があります。一方、同じ時点で「印刷は光らない」と「印刷も光る」が並ぶ食い違いは、説明を先に置くだけでは直りません。適用条件か本文の内容を決める必要があります。
出来事の順を変える修正は、その前後の行動や知識にも影響します。単に段落を移動すれば済むとは限りません。
別の感覚へ置き換えるときも、条件を確認する
「顔を思い出せない」を「写真の顔が見えない」へ変えると、記憶から知覚へ条件が変わります。声や手触りを残す案も、それらが失われない設定かを確かめてから採ります。似た情緒を狙えても、同じ感情が必ず読者へ伝わるとは言い切れません。
項目が増えて照合範囲を選べないときは、設定倒れを防ぐ方法で、今の章に使う条件を先に絞れます。
Repair
基準にする版を決め、矛盾の修正前後を比べる
点検対象は、夕方の店先で凪が紙を扱う三段落と、一つの設定です。雨に濡れた手書き文字は光り、印刷は光らない条件を基準候補にします。
修正前:印刷ポスターも光っている
店先の片付けをしていた凪は、雨に濡れた手書きの札を持ち上げた。「本日終了」の文字が、淡く光っていた。
隣の印刷したポスターにも雨粒がつき、文字が淡く光っていた。凪は二枚を並べ、札の裏へ手を回した。
裏面には何も書いていなかった。凪は札を軒下の机に置き、光る文字をもう一度見た。
第二段落の「文字が淡く光っていた」は、同じ点検用コピーの「印刷文字は光らない」と一致しません。今回は、地域や時期による違い、凪の誤解としては設定していません。
基準を選び、修正の影響を比べる
| 修正の方向 | 変えること | 場面への影響 |
|---|---|---|
| 本文を直す | ポスターは黒いまま、と第二段落を直す | 設定を守り、二枚の違いを見せる。今回はこちらを採る |
| 設定を直す | 印刷も光る条件へ変える | 二枚が同じように光る場面になる。関連する場面の照合が必要 |
| 提示順だけを変える | 設定の説明を前後へ動かす | 同じ条件で光る/光らないという食い違いは、それだけでは解消しない |
今回は、手書きと印刷の違いを凪が見比べる場面を残したいので、設定を基準に本文を直します。「正本」はこの点検で基準として採る版のことです。どんな作品でも設定表を優先する、という意味ではありません。
修正後:ポスターは黒いままにする
店先の片付けをしていた凪は、雨に濡れた手書きの札を持ち上げた。「本日終了」の文字が、淡く光っていた。
隣の印刷したポスターにも雨粒がついていたが、文字は黒いままだった。凪は二枚を並べ、札の裏へ手を回した。
裏面には何も書いていなかった。凪は札を軒下の机に置き、光る文字をもう一度見た。
変更したのは第二段落の、ポスターの文字がどう見えるかを述べる部分です。第一・第三段落と、二枚を並べて札の裏を見る凪の動作は同じです。この三段落では、手書き札が光り、印刷ポスターは黒いまま、という条件に合いました。
確認したのは一つの条件と、この三段落だけです。 作品全体の整合性や、読者に与える印象を検査したわけではありません。持続時間や乾いた後の変化も未定のままです。
AIへは、照合する版と記述を渡す
もったいない相談例
世界観の矛盾を全部直し、足りない例外を補ってください。
よい相談例
世界観の設定と本文の照合を相談します。
材料名・版・点検する範囲:_____
記述Aと位置(基準にしたい設定など):_____
記述Bと位置(照合する本文など):_____
同じ対象・時点・条件か:_____
作者が意図した差と、その根拠:_____
今回守りたい場面の役割:_____
修正案と、確認できていない範囲:_____
食い違う語句を入力から示し、同じ条件で両立するかを説明してください。
未採用の別案や、本文に根拠のある人物の誤解を自動で矛盾にしないでください。
提示する順番と、出来事が起きる順番を分けてください。
本文にない知識・例外・感情は追加せず、不足する条件を質問にしてください。
修正した場合に再確認する箇所の候補を挙げ、今回の抜粋以外は未確認としてください。
採用する基準と修正は、作者が決めます。Practice
整合性チェック表に、修正文と確認範囲を残す
整合性チェック表には、材料の版、食い違う記述、同じ条件かの判断、基準にした版、修正文を残します。修正前後と、確認できた範囲までそろえると、次に再開する場所が分かります。
実践ワーク
整合性チェック表を1枚にまとめる
版と位置、二つの記述、意図した差かの判断、採る基準、修正前後と確認範囲を残します。未修正・保留でも保存できます。
検索した範囲と、未確認を残す
今回は、点検用コピーの「手書き」「印刷」「光」を確認しました。長い作品で同じ語を探すときは、言い換えや省略でも同じ条件を使っていないか読み返します。検索で見つからなかったことだけでは、影響する箇所がないとは言えません。
基準が決められないときは、二つの記述と迷う理由を保留として残せます。直していない本文を、修正済みとして記録しないようにしましょう。未完の原稿なら、最後まで書き上げる方法で、いったん一稿を通してから戻る進め方も選べます。
今日できたもの
- この記事で作ったもの
- 二つの記述と修正前後、確認範囲を残した整合性チェック表
- 次に育てる場所
- 同じ条件が関わる、まだ見ていない場面
- 次の行動
- 影響する記述を読み、修正の必要があるか確かめる
ソウマ
ポスターの光り方だけ直した。凪の動作と、ほかの二段落はそのままなんだな。
コトハ
手書きと印刷を見比べる場面を残したかったので、今回は設定を基準にしました。
アキト
直した範囲を記録しろ。別の章は、同じ条件を使っているかまだ確認が必要だ。
舞台が人物にどんな役割を持つか迷う場合は、舞台とキャラクターをつなぐ方法を使えます。
おつかれさまでした
整合性チェック表を残せた!
同じ版と条件の記述を照合し、修正前後と確認した範囲を残しました。まだ見ていない場面は、次に同じ条件を使っているか確かめられます。
チェックすると、マイノートに読んだ記録が残ります。
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