世界観・設定を作る

作り込んだ世界観を本文で使う整理術

設定倒れとは?防ぐ方法

この記事の結論

設定倒れとは、世界観を作り込みすぎて本文が動かなくなる状態のこと。原因は設定の作りすぎではなく、本文で使う順番が決まっていないことです。だから防ぐ方法も、捨てるのではなく、設定を「本文に出す・資料に残す・後で使う」へ仕分けることになります。

難易度
初心者
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最終更新日

この記事でわかること

  • 設定倒れが起きる原因がわかる
  • 作り込みすぎた世界観を本文用に仕分けできる
  • 設定仕分けシートとして、自分の作品に持ち帰れる
#設定倒れ#整理#世界観
設定倒れとは?防ぐ方法の内容をイメージした創作アトリエの挿絵
アキト ソウマ ミラ コトハ

設定を増やす記事ではありません: 作り込んだ項目を「本文に出す・資料に残す・後で使う」へ仕分け、原稿へ戻るためのページです。まだ土台がない場合は世界観の作り方、残す設定同士の矛盾を直す場合は世界観の矛盾チェックを使います。

コトハ

記憶を売る店の、創業年と瓶の等級と税制と店主組合の規約まで決めました。

ソウマ

すごい。でも、主人公が店に入る場面は?

コトハ

……まだ一行目です。

アキト

設定は悪くない。本文に出す順番を決めていないだけだ。

01

Worldbuilding

設定倒れは、作り込みすぎより「最初に全部出そうとすること」で起きる

設定の小物が透明な漏斗の入口で詰まり、本文に出す情報を絞る必要を示す挿絵

設定倒れとは、世界観やキャラクター設定が増えすぎて、物語本文が動かなくなる状態です。けれど原因は「設定を作ったこと」そのものではありません。多くの場合、作った設定を最初から全部説明しようとして、場面が止まってしまうことが原因です。

たとえば「記憶を売る店」の物語で、店の歴史、瓶の規格、記憶税、裏市場、店主の資格制度まで冒頭で説明すると、読者は主人公より先に資料を読まされることになります。最初に必要なのは「主人公が何を売りに来たのか」「売ると何を失うのか」です。

世界観の土台そのものがまだ曖昧なら、先に 世界観の作り方 で必要な範囲を絞りましょう。ルールを作りすぎている場合は、物語のルール設定の作り方 に戻って「できること・代償・禁止・抜け道」に整理すると扱いやすくなります。

02

Rules of Place

設定は「本文に出す・資料に残す・後で使う」の3つに仕分ける

舞台用の区画、資料用の区画、後で使う引き出しに設定を分ける仕分けトレイの挿絵

設定ノートが膨らんだら、まず全部を消そうとしないでください。次の3つに分けるだけで、本文はかなり進みやすくなります。

  1. 本文に出す設定:今の場面で、主人公の行動や選択を変えるもの。
  2. 資料に残す設定:作者が知っていると世界の手触りが安定するが、本文で説明しなくてよいもの。
  3. 後で使う設定:終盤、続編、別キャラクターの話などで使う可能性があるもの。

判断に迷ったら、「この設定がないと、次の一場面は成立しないか?」と聞きます。成立するなら、今は資料で十分です。

「記憶を売る店」なら、本文に出すのは「売った記憶の相手の顔を思い出せなくなる」という代償です。資料に残すのは「瓶の等級」や「店主組合の規約」。後で使うのは「裏市場」かもしれません。どれも魅力的ですが、主人公が最初に迷う場面には全部いりません。

コトハ

削ると思うと悲しいですが、資料に残すなら少し楽です。

ミラ

本文に出さない設定も、作者の中では世界を支えています。

ソウマ

読者に全部見せなくても、書き手が持っていればいいんだな。

03

Scene Filter

設定を残すか迷ったら、主人公の次の行動に関係するかで決める

設定を本文に出す基準は、「主人公の次の行動に関係するか」です。関係するなら出す。関係しないなら、今は資料に残します。

たとえば主人公が「母との記憶を売るかどうか」で迷う場面なら、必要なのは代償、値段、店主の確認、売る直前の迷いです。記憶税の歴史や瓶の流通制度は、今は不要です。逆に、店主が「共有された記憶は相手の同意が必要です」と言うなら、そのルールは場面を進めるので本文に出す価値があります。

AIを使う場合は、設定を増やす相談ではなく、仕分けの相談にします。

もったいない相談例

この世界観に設定をもっと足してください。

よい相談例

私の設定リスト:




次に書く場面:主人公が__________する場面 この中から、次の一場面に必要な設定を「本文に出す」「資料に残す」「後で使う」に分類してください。 ※新しい設定は追加しないでください。理由は一言ずつでお願いします。

04

Practice

今日の設定仕分けシートで、迷う場所を一つ決める

いま書きたい場面に必要かどうかで、設定を「本文に出す・資料に残す・後で使う」へ移します。本文に残す一つには使う場面を、保留する一つには戻る条件を書き、原稿へ戻りましょう。

実践ワーク

設定仕分けシートを1枚にまとめる

作り込んだ設定を本文で使うものと保留に分け、残す設定が主人公の選択へどう効くかを書きます。

ルール

設定は増やすだけでなく、主人公を困らせる形にする。

代償

破ったときに何が失われるかを決める。

場面

説明ではなく、ルールが効いている場面へ落とす。

生成される実践メモ

入力すると、この記事のワーク結果がノートに貼れる形でここにまとまります。
世界のルール: ____ そのルールで困る人: ____ 破ったときの代償: ____ 主人公の選択: ____ 物語で使う場面: ____

全部埋めなくて大丈夫。1行だけでも保存できます。

マイノートで見る

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チェックリスト

  • 次に書く一場面を決めた
  • 本文に出す設定を選んだ
  • 資料に残す設定を分けた
  • 後で使う設定を分けた
  • 本文に戻って書く一文を決めた

今日できたもの

この記事で作ったもの
設定仕分けシート
次に育てる場所
作り込みすぎた設定を、本文で使うものと保留に分ける欄
次の行動
設定を1つ削るか保留し、残す設定の使いどころを書く

ソウマ

瓶の等級表は保留箱へ入れて、最初の場面には値札と代償だけ。捨てないなら、コトハも戻れそうだな。

コトハ

はい。好きで作った設定を消さなくても、出す順番は選べます。まず主人公を店へ入れます。

アキト

資料を守るために本文を止めるな。今日使う一つを残して、書け。

おつかれさまでした

設定仕分けシートを残せた!

設定仕分けシートで、「設定倒れをほどく」ための場所を見える形にしました。次は、設定を1つ削るか保留し、残す設定の使いどころを書くところから始めると、今日のメモが次の作業につながります。

チェックすると、マイノートに読んだ記録が残ります。

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  • 場面設定類語辞典アンジェラ・アッカーマン / ベッカ・パグリッシ

    場所ごとに見えるもの・聞こえるもの・起こりうる事件を引ける辞典。世界観を「設定表」から「場面」へ降ろすときに使えます。

  • 工学的ストーリー創作入門ラリー・ブルックス

    構成・人物・テーマなど6つの核で物語を設計する方法論。感覚で書いて中盤で迷子になる人の点検リストになります。

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