ホーム › この記事の担当範囲: 一つのルールの適用条件を整理し、本文でどんな役割を持つかを比べます。雨に濡れた文字の自作例を使い、案Aと案Bで同じ部分・違う部分を確かめます。
コトハ
雨で光る文字を考えました。印刷の文字も光るかどうかで迷っています。
アキト
同じ場面を二案で書いてみろ。人物の動作だけでなく、見える情報も比べられる。
ソウマ
手書きだけ光る案と、二枚とも光る案を並べてみよう。
Worldbuilding
物語のルール設定は、次の場面で使う条件から作る
物語のルール設定は、次の場面で何が起きるかを支える条件から考えます。魔法で可能なこと、道具を使える範囲、店の手順、人同士の約束などが対象です。選択を難しくするほか、協力を可能にしたり、日常の見え方を伝えたりする役割もあります。
「雨に濡れた手書き文字が淡く光る」という架空の性質を、一場面で見せるとします。まず必要なのは、何が濡れ、どう見え、人物が何をするかです。使うたびに何かを失う代償や、特別な人物だけの例外は、今回の場面では設けません。
どの条件を比べるか、先に決める
この記事では、自作例『雨の文字・ルール比較v1』を使います。「もしも」から考える記事の三段落を案Aとして残し、印刷文字も光る案Bと比べます。ほかの物語や現実の現象の説明ではありません。
案Aでは「印刷文字は光らない」と補足しています。この制限だけを外したら、同じ動作の場面がどう変わるか。人物の行動だけでなく、読者が目にする情報も見ます。
舞台をどこから考えるか迷う場合は、世界観の作り方で、人物が最初に立つ場所から整理できます。
Rules of Place
ルールの制約・禁止・例外を分け、必要な条件を選ぶ
できること・制約や代償・禁止・例外は、同じ意味ではありません。必要な観点だけ選び、今回は設けない項目も残すと、使う条件が見えます。
| 観点 | 今回の例 | 区別すること |
|---|---|---|
| できること | 雨に濡れた手書き文字が光る | この場面の架空の性質 |
| 制約・代償 | 案Aでは印刷文字は光らない | 光る対象の制限。使うたび失うものは設けていない |
| 禁止 | 今回は設けない | できる行為を、制度や約束で禁じることとは区別 |
| 例外・抜け道 | 今回は設けない | 一般条件に当てはまらない扱いを加えるなら、適用範囲を別記 |
できないことと、禁じられることを分ける
案Aの印刷文字は、雨に濡れても光りません。これは架空の現象の性質です。「光らせることは可能だが、店の決まりでしてはいけない」という禁止とは違います。禁止を設けるなら、誰の決まりか、誰が知り、どう扱われるかを必要な範囲で決めます。
同意のない利用を禁じる規則に対し、同意を得た利用を認めても、必ずしも例外にはなりません。もとの禁止がどこまでを対象にしているかを見て、通常の許可条件なのか、一般条件から外れる扱いなのかを分けましょう。
作者が知る条件と、本文で伝えたことは別
設定表に書いた条件を、人物や読者がすでに知っているとは限りません。今回の案Aなら、次のように分けられます。
| 立場 | 確認できること | まだ言い切れないこと |
|---|---|---|
| 作者の設定 | 雨に濡れた手書き文字は光り、印刷は光らない | 今回採る案Aの条件 |
| 本文を読む人 | 札は光り、濡れたポスターは黒いと読める | 三段落で見せた範囲。全種類の文字を試したわけではない |
| 凪 | 二枚を並べ、札の裏を見ている | 光の原因や一般的な規則を理解したとは書いていない |
例外を後から追加するときも、以前の場面に同じ条件を当てて確かめます。人物に知らせる時期をずらすことと、作者の設定が途中で変わることを混同しないためです。記述同士の食い違いは、世界観の矛盾チェックで整理できます。
Story Test
ルールを変えた二案で、行動と見える情報を比べる
凪は24歳の、架空の店で掲示を片付ける人物です。年齢は作者の補足設定で、次の本文には書いていません。雨に濡れた紙を扱う夕方の場面として、二案を読みます。
案A:手書きは光り、印刷は光らない
店先の片付けをしていた凪は、雨に濡れた手書きの札を持ち上げた。「本日終了」の文字が、淡く光っていた。
隣の印刷したポスターにも雨粒がついていたが、文字は黒いままだった。凪は二枚を並べ、札の裏へ手を回した。
裏面には何も書いていなかった。凪は札を軒下の机に置き、光る文字をもう一度見た。
案B:印刷も光る条件へ変える
店先の片付けをしていた凪は、雨に濡れた手書きの札を持ち上げた。「本日終了」の文字が、淡く光っていた。
隣の印刷したポスターにも雨粒がつき、文字が淡く光っていた。凪は二枚を並べ、札の裏へ手を回した。
裏面には何も書いていなかった。凪は札を軒下の机に置き、光る文字をもう一度見た。
変えたのは第二段落のポスターの光り方だけです。第一・第三段落と凪の動作は同じです。案Bは比較用の別案で、元記事の確定設定を書き換えたものではありません。
| 比較する点 | 案A | 案B |
|---|---|---|
| 変えた条件 | 印刷文字は光らない | 印刷文字も光る |
| 凪の動作 | 並べる、裏を見る、机に置く | 案Aと同じ |
| 読める情報 | 手書きと印刷の見た目が異なる | 両方の文字が光る。原因は分からない |
同じ行動でも、渡す情報は変わる
今回は、手書きと印刷の違いを凪が観察する場面にしたいので、案Aを残します。案Bにも、濡れた二枚がともに光る様子を見せる使い道があります。行動が変わらないから無意味、案Aが常に優れている、とは言えません。
両案とも、光の原因、持続時間、乾いた後の変化、遠くから見える距離は決めていません。札を置いた後の結果や、凪が規則を理解したという説明も足していません。
AIには、条件表と両方の本文を渡す
もったいない相談例
ルールに代償と抜け道を追加して、劇的なほうを正解にしてください。
よい相談例
物語のルールと、短い場面の比較を相談します。
材料名・版・今回見る範囲:_____
作者が決めた条件と未定:_____
案Aの本文:_____
案Bの本文:_____
変えた条件と、変えない部分:_____
この場面で見せたいこと:_____
今回確かめたいこと:_____
本文にある行動と、読者に見える情報を分けて比較してください。
人物が知っていることは、本文の根拠とともに示してください。
物理的・魔法的にできないことと、社会の禁止を混同しないでください。
代償、例外、葛藤を自動で追加しないでください。
行動が同じでも情報が違う場合は、その差を示してください。
不足する条件は未定のまま質問にし、採用判断は作者に返してください。Practice
ルール設計シートに、条件・本文・採用理由を残す
ルール設計シートには、材料の版、今回比較する条件、両方の本文を残します。同じ動作でも、見える情報にどんな差があるかを書ければ比較できます。代償・禁止・例外は、今回使う分だけで構いません。
実践ワーク
ルール設計シートを1枚にまとめる
条件と適用範囲、案A・案Bの本文、見える情報の差、採用理由を残します。使わない観点や未執筆も保存できます。
今回残す判断と、保留する条件
例では、手書きと印刷を見比べる案Aを採用し、案Bは比較案として保存します。禁止と例外は設けず、持続時間や乾燥後は未定のままです。次の場面で乾いた札を扱うなら、そのときに条件を決め、先の本文にも合うか確かめます。
二案がまだ書けていなければ「未執筆」と残せます。最初の一文だけ、あるいは条件表だけでも保存できます。欄の数を満たすことを終了条件にしないでください。
設定が増えたら、設定倒れを防ぐ方法で今回使うものを選べます。人物との結びつきを考える場合は、舞台とキャラクターをつなぐ方法へ進めます。
今日できたもの
- この記事で作ったもの
- 条件と二案の本文、採用理由を分けたルール設計シート
- 次に育てる場所
- 今回の条件を使う、次の一場面
- 次の行動
- 必要になった条件だけ決め、先の本文と照合する
ソウマ
動作は同じでも、二枚とも光ると、見える違いが変わるんだな。
コトハ
今回は手書きと印刷を比べる案を残します。乾いた後は、まだ決めなくて大丈夫ですね。
アキト
必要な条件と、その場面で見せる範囲を残せ。例外を作るなら、適用範囲も一緒に決める。
おつかれさまでした
ルール設計シートを残せた!
必要な条件と、本文で見せた範囲を分けました。同じ動作でも情報が違う二案を比較し、採用理由や未定を保存できます。
チェックすると、マイノートに読んだ記録が残ります。
小さな物語
この記事とつながる小さな物語
物語の種を捨てずに残すことを、コトハたちの短い場面として読めます。 記事の理解に必須ではありません。少し余韻を見たいときだけ開いてください。

世界のルールを飾りではなく、人物へ選択を迫る仕組みにします。
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