ホーム › この記事の担当範囲: 世界観の入口として、一つの場所・物・条件から短い場面を作ります。自作の三段落を読み、本文に出た設定と、次に広げる候補を分けます。
ソウマ
雨で文字が光る世界を考えたんだけど、街全体を決める前に場面を書いてもいい?
コトハ
店先で紙の掲示を片付ける場面なら、場所と二枚の紙から始められそうです。
アキト
そこで誰が何に触れるかを見ろ。必要な条件を決めて、短く書いてみる。
Worldbuilding
世界観の作り方は、一つの場所から始められる
世界観の作り方に迷ったら、人物が立つ一つの場所と、そこで触れるものから始められます。国全体の地図や長い歴史を決める前でも、物語の最初の場面を試せます。
この記事の「主人公の半径3メートル」は、身近な範囲に目を向ける比喩です。正確に距離を測る決まりではありません。窓から遠い山を眺めるなら、その山も今回見せたい世界の一部になります。
世界の広さより、今の場面で何を見せるか
地理や歴史から発想する方法もあります。背景を考える時間が楽しいなら、その順で構いません。ここでは、設定は増えたのに本文が始まらないときに使える入口を紹介します。
日常の道具、建物の手触り、できることの違いは、世界観を伝える材料です。すべてを主人公の困難や代償に結びつける必要はありません。観察や会話、助け合いを支える舞台も作れます。
人物や時期など、どの設定を先に決めるかを広く整理したい場合は、物語の設定の作り方を使えます。
Rules of Place
舞台の場所・物・ルールを、場面に必要な分だけ選ぶ
まず、人物・場所・物・条件を一組にします。感覚描写を各三個ずつ、道具ごとに一つずつ代償、と数をそろえる必要はありません。場面で使う分だけ選びます。
自作例『雨の文字・もしも案v1』を、世界観の入口として読みます。架空の現象を扱う練習例で、「もしも」から発想する記事と同じ条件・本文です。
| 決めること | 今回の設定 | 場面での役割 |
|---|---|---|
| 場所・時間 | 雨のある夕方の店先。軒下に机がある | 二枚を持ち上げ、置いて見る場所 |
| 人物 | 掲示を片付けている凪。作者設定では24歳 | 変わった様子に触れる人 |
| 物 | 手書き札と印刷ポスター | 光り方を見比べる材料 |
| 条件 | 雨に濡れた手書き文字は光り、印刷は光らない | 二枚の見た目に違いを作る |
代償や禁止を、必要な場合に選ぶ
今回の条件は「雨に濡れた手書き文字が光る」「印刷文字は光らない」です。光らせるたび何かを失う代償や、利用を禁じる制度は設けていません。二枚の違いを観察する場面には、今の条件で進めます。
一つのルールを深めるときは、物語のルール設定で、制約と禁止、例外の適用範囲を区別できます。道具や仕組みを増やすときも、以前の本文と合うかを確かめましょう。
感覚は、人物が触れる場面に合わせる
雨の音、紙の湿り、机の手触りを足す案も考えられます。ただし、設定案に書いたことがそのまま本文に描かれたことにはなりません。次の例では、光と紙の様子、凪の動作に絞っています。
Mini Example
雨の店先の三段落で、世界観の見せ方を確かめる
凪が二枚の紙を見比べる、自作の三段落です。凪が24歳であることは作者の設定として別に置いています。本文では、片付けと観察の動作から人物を見せます。
店先の片付けをしていた凪は、雨に濡れた手書きの札を持ち上げた。「本日終了」の文字が、淡く光っていた。
隣の印刷したポスターにも雨粒がついていたが、文字は黒いままだった。凪は二枚を並べ、札の裏へ手を回した。
裏面には何も書いていなかった。凪は札を軒下の机に置き、光る文字をもう一度見た。
場所と道具は、本文でどう使われたか
| 材料 | 本文で確認できること | 使い方 |
|---|---|---|
| 手書きの札と、印刷ポスター | 札は淡く光り、ポスターは黒い | 二枚を並べて違いを見る |
| 店先と軒下の机 | 札を持ち上げ、机へ置く | 物と場所を、人物の動作で使う |
| 光の仕組み | 原因や持続時間は本文にない | 設定表に書いていないことも未定のまま残す |
手書き札だけが光る様子を、濡れたポスターと並べて見せました。凪は札の裏を見て、軒下の机に置きます。光の原因を解明した、使い方を決めた、という展開はまだありません。観察するだけの場面も、世界の入口になります。
次の場面で必要になった範囲を広げる
今決めていない設定は、次に何を書くかで必要性が変わります。たとえば、次のように考えられます。
| 次に書く場面の案 | 必要になりそうな条件 | 今の扱い |
|---|---|---|
| 乾いた札を次に見る | 乾くと光がどうなるか | 今回の三段落ではまだ決めない |
| 遠くから店を探す | 光が見える距離や明るさ | 遠くまで見えると今の設定だけで断定しない |
| 光る掲示を売る話に進む | 使う人、作り方、取引の条件 | 商売や制度の追加設定として別に考える |
この表は続きの候補で、実際に書いた本文ではありません。乾燥後の変化や商売が、今の条件から自動的に決まるわけではないことも区別しておきます。
AI Partner
AIには、世界観の条件と追加案を分けてもらう
AIへ相談するときは、今ある場所・道具・条件と、見せたい場面を渡します。世界全体の設定を増やす前に、提案のどれを今回使うかを作者が選びます。
もったいない相談例
すべての道具に代償を付け、国の歴史も完成させてください。
よい相談例
世界観の入口となる一場面を相談します。
材料名・版と今回の範囲:_____
人物と、今いる場所・時間:_____
そこにある物・音など:_____
作者が決めた条件:_____
まだ決めていないこと:_____
今ある本文(未執筆でも可):_____
この場面で見せたいこと:_____
今回の本文に使う設定と、今は広げない設定を分けてください。
追加の提案には、作者がまだ採用していない案と明記してください。
見える・聞こえる・触れる物を同じ数ずつそろえないでください。
すべての物に代償・葛藤・例外を足さないでください。
人物の動作で示せていることと、設定表にしかないことを分けてください。
原因や結果が本文にない場合は未記述とし、採用は作者に返してください。提案を採るなら、追加条件として記録する
「遠くから光る店を見つけられる」という案が出た場合、光が見える距離や明るさが必要です。「雨で光る」だけでは、その案が成立するか判断できません。採るなら、新しく決めた条件として残します。
今回の三段落に、遠くから店を見る場面はありません。提案、採用した設定、実際に書いた本文をそれぞれ分けましょう。
舞台を人物の過去や望みと結びつけたい場合は、舞台とキャラクターをつなぐ方法へ進めます。
Practice
世界観基本表に、場所・本文・未定を残す
世界観基本表には、材料の版、人物がいる場所、そこで使う物と条件、短い本文を残します。既存の「困る人」「代償」「選択」に当たる欄も、困難や損失がない場面として保存できます。
実践ワーク
世界観基本表を1枚にまとめる
一場面の場所・人物・物・条件をまとめ、本文で見せたことと未定を分けます。代償や大きな選択を設けない場合も残せます。
書いた場面と、まだ広げない世界を分ける
例では、店先の観察の三段落を残し、光の持続時間、乾燥後、町の制度、店の商売は未定とします。次に乾いた札を使うなら、その条件を決めるところから再開できます。
まだ本文がなければ「未執筆」と記録して、場所と物だけ保存しても構いません。世界の全項目が埋まったことを、書き始める条件にしなくて大丈夫です。
設定が増えて選べない場合は設定倒れを防ぐ方法へ、別の場面と食い違ってきた場合は世界観の矛盾チェックへ進めます。
今日できたもの
- この記事で作ったもの
- 一場面の場所・物・条件と本文をまとめた世界観基本表
- 次に育てる場所
- 次の場面で必要になる条件
- 次の行動
- 未定の中から必要なものを選び、本文と照合する
ソウマ
世界の歴史を全部決めなくても、凪が札を持ち上げるところから書けた。
コトハ
手書きと印刷の違いを、二枚を並べる動作で見せられましたね。
アキト
次に必要な条件が出たら決めればいい。今見せたことと、まだ決めていないことを残せ。
おつかれさまでした
世界観基本表を残せた!
一場面の場所・物・条件と本文を分けました。今見せたことと未定を残し、次の場面で必要になる設定から広げられます。
チェックすると、マイノートに読んだ記録が残ります。
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