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最後の場面まで書いたのに、まだ完成って言っていい気がしない。冒頭も会話も直したいし……。
コトハ
今回は、一稿を推敲へ渡せるかを考えましょう。どこまで書けているか、本文と基準を比べてみませんか。
アキト
必要な場面がまだないのか、今ある表現を磨きたいのか。そこを分けると、次の作業を決められる。
Finishing
物語を完成させるには、今回の一稿の基準を決める
物語を完成させたいときは、「この状態になったら、いったん書き終えたことにする」という基準を決め、今の本文と比べます。 まだない大事な場面は書き、あとで直せる言い回しはメモに残します。
書いた文章を読み直して整えることを「推敲」と呼びます。このページでは、その作業へ進むための一稿を目指します。公開できるか、応募先の条件に合うかは、その後に別の確認が必要です。完成の基準を決める方法も、書けない理由のすべてを解決するものではありません。
一稿の基準は、その作品に合わせて決める
たとえば、借りた本を濡らした人物が、友人に打ち明ける短い話なら、次の基準を置けます。
- 本を濡らした経緯が本文にある。
- 友人へどう伝えるかを選び、実際に伝えるところが書かれている。
- 打ち明けた後の友人の返事と、それを受けた主人公の行動まで本文がつながっている。
これは、この作例のための基準です。すべての作品に謝罪や関係の変化を入れる決まりではありません。結末をはっきり決めず、読者の想像に任せる話でも、どの場面まで書いて終えるかは作者が考えられます。
「最後の場面を書く」というメモだけなら、場面の本文を書く作業が残っています。たとえや言い回しをあとで直したい場合とは、分けて考えます。文章に直したいところがあっても、出来事が最初から最後までつながっているかは読んで確かめられます。
Draft
完成させる4手順と、足りない場面を補う作例
次の4手順で、残りの作業を整理します。最後から書く方法が合わなければ、現在止まっている場面から進めても構いません。
- 今回の一稿の範囲を決める:短編全体なのか、一話分なのか。作例では、濡れた本を友人へ見せた後までを書きます。
- 基準と、今ある本文を比べる:箇条書きの予定だけの場所、出来事のつながりが追えない場所を見つけます。
- 次に書く箇所と、後で直す箇所を分ける:必要な本文を先に置き、言い回しや追加設定はメモへ渡せます。
- 読み直し、今の状態を記録する:基準を満たしたか、まだ一場面が残るかを記録します。作業時間や次に開く日は、必要なら決めます。
作例:最後の反応がまだない状態から、一段落を足す
以下は記事用の架空の作例です。最初の二段落まで書き、友人の返事が決まらず止まっているとします。
雨宿りの軒先でかばんを開くと、友人から借りた本の端が濡れていた。ここまで走ったとき、かばんの口を閉め忘れたのだ。明日返す約束なのに、どう言えばいいのか分からなかった。
翌日、本を見せると、友人は黙って表紙に触れた。『買い直すから』と言いかけたが、同じ版を探しても見つからなかったことを思い出した。私は息を吸い、『濡らしてしまった。ごめん。どうしたらいいか、一緒に考えてほしい』と言った。
ここで、先ほどの基準の三つ目にある「打ち明けた後の友人の返事と、それを受けた行動」がまだありません。冒頭の雨の比喩を磨く前に、次の一段落を試せます。
友人は少し考えてから、『まず、どこまで濡れたか見よう』と言った。私は本を二人の間に置いた。きれいに戻るかは分からない。それでも、濡れたことを言い出せずにいた昨日とは違った。
| この一稿の基準 | 二段落までの状態 | 三段落目を足した後 |
|---|---|---|
| 本を濡らした経緯がある | かばんの口を閉め忘れた経緯がある | 変更せず残す |
| 友人に打ち明ける行動がある | 謝罪し、一緒に考えてほしいと伝えている | 変更せず残す |
| 打ち明けた後の友人の返事と、次の行動がある | 返事を待つところで止まっている | 友人の返事を受け、本を二人の間に置く |
三段落目を足すと、友人の返事と、それを受けた主人公の行動まで読めます。本が元通りになるところまでは、今回は書く範囲に含めていません。「友人の返事が急に見えないか」「最後の説明を残すか」は、あとで読み直すためのメモにできます。
ソウマ
返事の場面がまだない、と分かれば、次に書くところを決められる。冒頭を直すかどうかとは別なんだな。
アキト
そうだ。この一段落で決着にするかも作者が選べる。基準と比べて、今ある本文を見よう。
Check
今回書くところと、推敲へ回す修正を分ける
気になる点を、「最後まで書くために今必要か」「あとで文章を整えるときに考えられるか」で分けます。次に何をするかが見えるよう、三つに整理します。
- 今回書く・直す:決めた範囲に必要な本文がない、出来事のつながりを読めない。作例なら、友人の返事が未執筆だった部分です。
- 推敲に残す:本文はあるが、言い回しや見せ方を比べたい。作例なら、最後の説明を短くする案です。
- 今回は加えない:今の話には使わない追加案。たとえば、二人が初めて出会った日の回想です。案のメモまで削除する必要はありません。
途中に「ここで仲直りする」とだけ書いてあるなら、読める本文を作る作業が残っています。「この形容詞は仮」といったメモと同じ扱いにはしません。基準に届いていないなら、未完成のまま次の作業を残して構いません。
AIや仲間には、基準と提示した範囲を渡す
もったいない相談例
この物語をもっと面白くして、完成作にしてください。よい相談例
今回の一稿の範囲と完成基準:__________
現在の本文、または今回見せる範囲:__________
まだ書いていない部分・自分で気になる点:__________
今は変えないと決めていること:__________
示した本文と基準を比べ、作者が確認するとよい点を質問で返してください。
提示されていない部分は未確認とし、書かれていないと断定しないでください。
質問が必要ない点も示し、数をそろえるために問題を増やさないでください。
本文の補完・書き換えや、作品全体の完成判定はしないでください。
今回直すか、推敲へ回すか、加えないかは作者が決めます。返ってきた質問は、実際の本文と比べて、今考える必要があるかを選びます。一部しか見せていない場合は、作品全体が基準を満たすかは確認できません。質問を使わず、自分で見つけた残りの作業から進めることもできます。
Practice
完成基準チェックに、今の状態と次の作業を残す
完成基準チェックには、今の本文の状態と、次の作業を残します。決めた範囲まで書けたら推敲へ、足りない場面があれば続きへ戻るためのメモです。
作例の二段落まで書いた時点なら、「今回の一稿の基準・今の状態」に「友人の返事がまだない」と書けます。「次に書く・先に確かめること」には「返事と、本を二人の間に置く一段落を試す」と残せます。あとで考えたい言い回しは「推敲に渡すメモ」へ分けます。
実践ワーク
完成基準チェックを1枚にまとめる
今回はどこまで書くかを決め、今の本文と比べます。次に書く箇所と、あとで文章を整えるときに直す箇所を分けて記録できます。まだ書いていないことや、決めていないことも残せます。
基準を置いた後も、止まっているとき
完成基準は、作業の区切りを考える一つの方法です。書けない理由を、原稿だけで決めつける必要はありません。
- どの場面へ進めるか決まらない:プロットが作れないときの対処法で、構成のどこを考えたいか探す
- 久しぶりで、どこから再開するか迷う:小説が書けなくなったときの再開方法で、読み返す範囲や次の作業を考える
- 一稿の後、公開するかを迷っている:小説を公開するのが怖いときの対処法で、公開・延期・非公開も含めて考える
- 投稿することを決めた:投稿サイトに出す前に確認することで、投稿先の規約や公開画面を確認する。一稿の基準とは別の確認です
読み直すまで時間を置く方法もありますが、日数を固定する必要はありません。今の生活や作業に合わせて、推敲する日や再開する場所を決められます。
今日できたもの
- この記事で作ったもの
- 一稿の基準と、本文に残っている作業を分けた完成基準チェック
- 次に育てる場所
- まだ書いていない場面、または一稿から渡した推敲メモ
- 次の行動
- 必要な本文を足すか、基準を満たした一稿を読み直す
ソウマ
今日は友人の返事を書く。最後の説明を短くするかは、そのあと読み比べればいいんだな。
ミラ
はい。メモに移した案は消えていません。推敲するときに、使うかどうかを考えられます。
コトハ
一稿ができたかは、足した本文と基準を比べて確認しましょう。まだ必要な場面があれば、その場所を残せます。
おつかれさまでした
完成基準チェックを残せた!
一稿の基準と現在の本文を比べ、次に書く箇所と推敲へ渡す修正を分けました。再開する場所に迷う場合は、次の記事も使えます。
チェックすると、マイノートに読んだ記録が残ります。
小さな物語
この記事とつながる小さな物語
物語の種を捨てずに残すことを、コトハたちの短い場面として読めます。 記事の理解に必須ではありません。少し余韻を見たいときだけ開いてください。

完成を、完璧になることではなく提出する行動として描いています。
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