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プロットを作ろうとすると、途中で全部だめに見えてくる。どこを直せばいいのかもわからないんだ。
アキト
今ある原稿から、次の何を選べないか一つ見つけよう。人物の行動を進めたいなら、五つの質問を使える。
ミラ
AIに相談するなら、止まっている本文も渡しましょう。次に確かめられる質問を一つ返してもらいます。
Structure
プロットが作れないときは、止まる範囲と迷っていることを選ぶ
プロットが作れないときは、どこまで決まっていて、次の何を選べないのかを書き出します。「中盤が全部だめ」より、「叔母に断られた後の台詞を決められない」と絞ると、試す本文の範囲を選べます。ここで作る「詰まり診断」は、原因の確定ではなく、次の作業を選ぶためのメモです。
人物の行動を進めたい場面なら、次の章の五つの質問を使えます。一方、出来事の順番に迷うなら因果の点検、静かな描写なら見せるものの順、資料が足りないなら調査へ進んで構いません。望みや障害を足してからでないと書けない、という手順ではありません。
作例:手紙を渡せないと言われた後で、止まっている
練習用に、次の構想を置きます。23歳の航は、父が叔母に預けた自分あての封書を読みに来ています。まだ内容は知りません。叔母が渡せない理由は、作者も決めていない状態です。
本文v1は、ここまで書けています。
叔母は「航へ」と書かれた封筒を引き出しから出した。
「父さんの手紙なら、読ませて」航が手を伸ばすと、叔母は封筒を胸元に引いた。
「今は渡せない」叔母はそれだけ言った。
作者が迷っているのは、この後、航に何を言わせるかです。航が怒っている、質問できない性格だ、とまでは書かれていません。書き手が続きを選べないことと、人物がためらっていることは分けて考えます。
Causality
プロットの詰まりを考える5つの質問|根拠を見て短く試す
人物の行動を進めたい場面では、四つの基本質問と一つの比較質問を使います。答えは原稿や構想メモに戻って確かめ、分からないことは「未定」として残してください。
| 質問 | 作例での答え | 根拠と未定の点 |
|---|---|---|
| 1. 今、この場面で何を望む? | 航は父の手紙を読みたい。 | 本文v1の「読ませて」という台詞。 |
| 2. 何が、その望みを妨げる? | 叔母が手紙を渡さない。 | 封筒を胸元に引く動作と「今は渡せない」。 |
| 3. ためらいや習慣は関係する? | 今の本文では未定。 | 航は手を伸ばしている。その後の心理や反応はまだ書いていない。 |
| 4. どんな行動を試せる? | いつ読めるか聞く/父に直接確かめる/今日は引き下がる。 | 三つとも次の候補。父と連絡できるかは設定未定。 |
| 5. 今回、何を比べたい? | 航が叔母の「今は」を聞き返す応答を試す。 | 作者の今回の狙い。叔母の返答まで決める必要はない。 |
三つの行動案は比較の例です。一案しか浮かばなければ、その一案を短く書いて確かめても構いません。ためらいがない場面なら、三問目を無理に埋める必要もありません。
選ばない案は、別の可能性として残す
今回は「叔母の台詞を受けて、航が一度聞き返すところを見たい」と、試作の目的を置きます。その目的で三案を比べます。
| 候補 | 書けそうなこと | 今回の判断 |
|---|---|---|
| いつ読めるか聞く | 叔母の「今は」に応答できる。 | 今回試す。返答は未定のまま、質問まで書く。 |
| 父に直接確かめる | 父との接点へ場面を移せる。 | 連絡手段が未定なので、今日は保留する。 |
| 今日は引き下がる | 話を切り上げる動きが書ける。 | 今は対話を一往復試したいので採らず、別案として残す。 |
確認質問を一つにして、二文だけ試す
今回の確認質問は、**「叔母の『今は』を受けて、航は何を尋ねるか」**です。本文v1の後へ、次の二文を試作v2として足します。
航は伸ばした手を下ろした。「今は、って。いつなら読める?」
これで、航が手を下ろして問い返すところまで書けました。叔母の返答、渡せない理由、手紙の内容はまだ決まっていません。元の三段落と続けて読み、いま見たかった応答になっているかを比べます。合わなければ、この二文を採らず別案へ戻れます。
広い不安を、本文で確かめる問いにする
- **「中盤が弱い」**なら、どの場面を読み返したときに、何が分からなくなったかを一つ挙げる。
- **「敵が強すぎる」**なら、どの行動を試せずにいるのか、今の設定で他の手段はあるかを確かめる。内面の弱さが原因とは決めない。
- **「次の事件が必要かも」**なら、今ある出来事への応答をまだ書いていないのか、新しい出来事を入れたいのかを分ける。
ソウマ
航に欠点を足す前に、叔母の言葉へどう返すかを試せたよ。まずこの二文を、前の三段落につないで読むんだな。
アキト
そうだ。合わなければ別案を残せばいい。返答まで全部決める必要はない。
AI Partner
AIには、止まっているプロットと本文から確認質問を一つ返してもらう
AIや仲間に相談するときは、答えを並べるだけでなく、止まっている本文も渡します。「原因は何ですか」より、「この材料から、次に何を確かめられますか」と尋ねると、原稿へ戻って考える問いを受け取れます。
もったいない相談例
望み・障害・選択を補い、詰まりの原因を決めて、このプロットを完成させてください。
よい相談例
原稿の版・止まっている箇所・確認する本文:_____
主人公の望み(なければ、残したい感覚や情報):_____
望みを妨げること(なければ、その旨):_____
ためらいや習慣について、本文にあること・未定のこと:_____
試せそうな行動や書き方(一〜三案):_____
今は選ばない案と、その理由:_____
作者として、いま判断できないこと:_____
上の本文とメモから、次に確かめられる質問を一つだけ返してください。
質問の根拠になる文やメモの位置も短く示してください。
作者の迷いを人物の欠点と決めつけず、本文にない心理や出来事を追加しないでください。
材料が足りなければ、その情報を尋ねてください。原因の断定や完成プロットは不要です。作例で「航は叔母が怖いから質問できないのでは」と返ってきても、それは本文で確かめた原因ではありません。航はすでに「読ませて」と言い、手も伸ばしています。「今は」という言葉をどう受けるか、など、書かれている台詞から答えられる問いへ戻します。
確認質問が合わなければ、使わずに自分で問い直せます。AIへの相談を挟まず、短い本文を試す進め方でも構いません。
Practice
プロットの詰まり診断に、確認質問と次に試す範囲を残す
詰まり診断には、原稿の版と止まっている箇所、いま分かっていること、確認質問、次に試す範囲を残します。欄を全部埋めることより、もう一度原稿を開いたときに、続きを試せることを目指します。
手紙の作例なら、こう残す
- 範囲: 手紙の本文v1、三段落目の後。航の次の台詞を選べない。
- 望み・妨げ: 父の手紙を読みたいが、叔母が渡さない。「読ませて」と封筒を引く動作が根拠。
- ためらい: 関係するかは未定。書き手の迷いを航の心理と同じにしない。
- 比較: いつ読めるか聞く案を試す。父に確かめる案は連絡手段が未定なので保留。引き下がる案も残す。
- 仮説と質問: 今は返答の一往復を試せていない。「今は」という言葉を受けて、航は何を尋ねるか。
- 今日の範囲: 手を下ろして問い返す二文を三段落へつなぎ、採るか比べる。叔母の返答と手紙の内容は未定。
- 進まない場合: 会話の書き方を確かめるか、今日は試作を保存して閉じる。
実践ワーク
詰まっている一か所と、確認質問を残す
原稿の版と止まる箇所、本文にある答え、未定の点、比較した案、次に試す短い範囲をまとめます。ためらいや選択が関係しない場合は、空欄のままでも保存できます。
五つの質問が合わなければ、作業を選び直す
- 出来事や材料が浮かばない:物語のアイデア発想法で、気になる素材を拾う
- 出来事はあるが、つながりに納得できない:因果関係の点検で、隣り合う一組と本文の根拠を見る
- プロットはあるが本文にできない:シーンの作り方で、一場面の役割と最初に書く範囲を選ぶ
- 作品全体を長く止めている:書きかけの物語を再開する方法で、原稿を開き直す最小単位を選ぶ
- 調査が必要、規模が大きい、今日は判断しにくい:資料を確かめる項目や、次に開く場所だけ残して保留する
静かな場面なら、事件を足さず、見せるものや感覚の順番を短く比べられます。今日の結果が「次は資料を読む」「今の案を残す」でも、再開の手がかりとして保存してください。
今日できたもの
- この記事で作るもの
- 止まっている範囲と、本文の根拠・確認質問を残した詰まり診断
- 次に見る場所
- 短く試した本文、またはまだ確かめていない資料や工程
- 次の行動
- 試作を元の本文と比べる。進まなければ作業を選び直す
ソウマ
今は、航が問い返す二文を試せたところ。叔母の返答は決まってない、と残しておくよ。
アキト
そこまで分かれば再開できる。合わない案も、選ばなかった理由と一緒に置いておこう。
コトハ
三段落の原稿と二文の試作を分けておけば、読み比べるところから始められますね。
おつかれさまでした
止まっている一か所と、次の作業を残す準備ができた
今ある本文と、次に判断したいことを分けて残しましょう。短い試作を比べても進まなければ、因果・場面化・調査・保留から次の作業を選び直せます。
チェックすると、マイノートに読んだ記録が残ります。
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