ホーム › AI記事との使い分け: ここではAIを前提にせず、主人公の欲望・欠落・衝突・最後の行動を決めます。その核を保ったまま質問で内面を掘りたいときは、AIで主人公を深掘りする方法を使えます。
ソウマ
主人公を作ろうとすると、強さ、過去、口癖、見た目……決めることが多すぎて止まるんだよな。
コトハ
今日は項目を増やす前に、主人公が欲しがるものと、避けているかもしれない問いを分けてみます。
アキト
全部はいらない。まずは欲望と欠落を分けろ。欲しいものと、向き合うべきものは別だ。
Character Core
主人公の欲望と欠落は、何が違う?
主人公の作り方を調べると、年齢、身長、口癖、家族構成、好きな食べ物など、細かい設定項目がたくさん並んでいます。どれもキャラクターの資料になりますが、最初から埋める必要はありません。まずは、主人公が次の場面で何を選ぶかを考える材料を用意します。
ここでは、一人の主人公を追う物語で使いやすい 欲望 と 欠落 を仮置きします。欲望は、本人が表向きに求めるもの。この記事では、本人が避けている問いや選択を「欠落」と呼びます。
この二つを分けると、目的を追う場面と、その途中で避けてきたことを試される場面を考えやすくなります。次の問いを、自分の主人公に当てはめてみてください。
この主人公は何を欲しがり、その途中でどんな問いを避けているか?
すぐ答えられない場合は、欠落を無理に作らず、主人公が次の場面で欲しいものだけから始めても構いません。
この記事では、「欲望を追う途中で避けていた問いに触れ、最後に行動を選ぶ」という一つの設計を試します。
欲望と欠落は、同じものではない
- 欲望:一人で卒業式を迎えたい
- 欠落:助けを求めると価値が下がると思っている
この例では「卒業式を一人で迎える」が目標で、「誰かに頼っても自分の価値は変わらないのでは?」が避けている問いです。一人で帰れなくなる場面を置くと、目標を守りたい気持ちと、助けを求める必要がぶつかります。
別の例なら、欲望は「記憶を売って楽になりたい」、欠落は「苦しい記憶を誰にも話せない」です。欲望と欠落が同じ言葉になっているときは、「その欲望を追うほど、何に向き合うことになるか?」と聞き直します。
まだ主人公の現在地も決まっていない場合は、先に 物語作りは何から始める? で主人公・困りごと・変化の3項目を置くと進めやすくなります。
プロフィールを増やしても主人公が動かない理由
プロフィールだけでは、次の場面で何を選ぶかまでは決まりません。名前、年齢、髪型、好きな食べ物とは別に、その場面で望むことと避けることを置くと、行動を考える材料になります。
実例として「誰にも頼りたくない高校生」を主人公にするなら、欲望は「一人で平気だと思われたい」、欠落は「助けを求めると負けだと思っている」です。そこに雨の日の帰り道や、未提出の原稿のような状況を置くと、助けを断るか頼るかという行動候補が生まれます。
「雨の日の郵便屋」のソウマなら、欲望は「書いた一文を誰にも見せずに取り戻したい」、欠落は「見られる前に捨てれば傷つかないと思っている」ことです。
作った主人公を物語の構造で試すなら、物語の基本構造とは? が次の足場になります。
Inner Drive
欲望・欠落・衝突・最後の行動を、4つの問いで考える
この記事では、一人の主人公が終盤で選び直す物語を作る場合に、次の4つを試します。
- 欲望:本人が手に入れたいもの、守りたいもの、達成したいこと。
- 欠落:本人が避けているかもしれない問い、思い込み、言えない本音。決め付けず、仮説として置く。
- 衝突:望みをかなえようとすると、避けてきた問いに向き合うことになる場面。
- 最後の行動:終盤で、序盤とは別の選択を試す小さな行動。
この設計を使うなら、プロフィールは4つの仮説を置いたあと、次の場面に必要な分だけ足します。内面が変わらない物語や群像劇には別の組み立て方があるため、空欄を無理に埋める必要はありません。
ソウマ
最後の行動まで決めると、その前に試す場面も見えてくるな。
アキト
そうだ。終盤の行動候補から戻れば、次の場面に要る設定を選びやすい。
Mini Example
主人公の作り方の例:助けを断る高校生が頼むまで
例として、「誰にも頼りたくない高校生」を主人公にします。細かなプロフィールは後にして、先に望みと、それを試す場面を置きます。
- 欲望:誰にも頼らずに卒業式を迎えたい
- 欠落:助けを求めると、自分の価値が下がると思っている
- 衝突:卒業式の前夜、親友に頼らないと帰れない状況になる
- 最後の行動:短いメッセージで「迎えに来てほしい」と頼む
「クールな高校生」という印象だけだった人物に、助けを断る理由が生まれました。その理由を持つ主人公が、最後には自分から頼む。二つの行動の違いで、選び方が変わったことを表せます。
この4つが決まると、必要な場面も見えてきます。
- 序盤:誰かの助けを断る場面
- 中盤:一人で何とかしようとして失敗する場面
- 終盤:一人で帰るのが難しくなり、親友に助けを求めるか迷う場面
- 結末:頼ったあとも、自分の価値は下がらなかったと知る場面
この例で注目するのは、主人公の強さではなく、守ろうとするものと最後の選択の差です。
完璧さより、守るものと選択の差を置く
動きが見えにくい例:何でもできて、いつも正しく、最後まで迷わない主人公。
選び方の変化を描くなら:一人で平気なふりをしているが、本当は誰かに頼りたい。頼れば価値が下がると思っているため、助けを断り続ける。最後に一度だけ「迎えに来て」と言う。
完璧さを減らす必要はありません。守ろうとするものが、選択にどう影響するかを見える形にします。
この主人公設計を確かめる観点
- 表向きの欲望が一つに絞れている
- 欠落が「ダメなところ」ではなく、本文で試せる仮説になっている
- 欲望を追う場面で、避けている問いが見える
- 終盤の行動が、序盤の行動との違いを持つ
この四つがつながれば、プロフィールを増やす前に、次に試す場面を一つ選べます。つながらない欄は、本文を書いた後で直す仮説として残します。
AI Partner
AIには、主人公が選択に迷う場面の候補を相談する
場面が思いつかないときは、自分で書いた「欲望」と「避けている問い」を二行にまとめて、AIに渡します。たとえば、一人で卒業式を迎えたい主人公なら、一人で何とかしたい気持ちと、助けが必要な状況がぶつかる場面を相談できます。
AIに「キャラクターを作って」と頼むと、作者が決めた核と追加候補の境界が見えにくくなります。代わりに、自分が書いた欲望と欠落を渡し、「この二つが衝突する場面候補」を求めます。返答は主人公の設定ではなく、作者が採用・修正・見送りを決める状況案として扱います。
もったいない相談例
魅力的な主人公を作ってください。
よい相談例
主人公の欲望:誰にも頼らずに卒業式を迎えたい
主人公の欠落:助けを求めると自分の価値が下がると思っている
この欲望と欠落が衝突しそうな場面を最大3つ提案してください。
それぞれに、主人公が取り得る異なる行動を2つずつ添えてください。
入力にない過去・人物・事件は追加せず、材料が足りない場合は質問を返してください。
候補に順位は付けないでください。
主人公の弱さをさらに掘りたい場合は キャラクターの弱点の作り方、目的の整理には キャラクターの目的の作り方 を、この記事の続きとして使えます。
Practice
主人公設計表を作り、一場面を書いて確かめる
主人公設計表には、欲望・避けている問い・衝突・最後の行動を一組にします。最初から確定設定にせず、次の一場面を書いた後で、行動と合わない欄を直せる仮説として残してください。
実践ワーク
主人公設計表を1枚にまとめる
基準にする原稿、欲望、避けている問い、序盤と終盤の行動、本文の根拠、次に書く一場面をまとめます。空欄は仮説のままで構いません。
四項目は、すべての主人公に必要な条件ではない
欲望・欠落・衝突・最後の行動は、一人の主人公の選択変化を組み立てるための設計枠です。内面が大きく変わらない主人公、複数人物を追う群像劇、出来事や謎の解決が中心の物語に、そのまま強制するものではありません。欠落を病気、障害、文化的背景、つらい経験だけで説明する必要もありません。
- 欠落が思いつかない:短期の目的と、それを妨げる外側の壁だけで一場面を書く。内面の課題は本文を見てから決める
- 最後まで信念を変えない主人公を書きたい:キャラクターアークの作り方で、変わるものを人物ではなく関係・状況・周囲の理解に置けるか検討する
- 主人公が複数いて四項目が混ざる:脇役の役割の作り方も使い、人物ごとに目的を一つずつ分ける
- 行動は決まったが出来事がつながらない:物語の因果関係の作り方で、「なぜ次が起きるか」を場面間に足す
- 現実の人をモデルにしている:人物を一つの欠落で説明せず、個人が分かる私的情報を外し、複数の選択肢を持つ架空の人物に組み直す
今日できたもの
- この記事で作ったもの
- 主人公設計表
- 次に育てる場所
- 欲望と避けている問いを、次の場面で試す仮説として置く欄
- 次の行動
- 衝突する場面を一つ書き、主人公が実際に選んだ行動で表を直す
ソウマ
欠落を立派に決めるより、着信を切るか出るかを書いたほうが、今の主人公は見えるな。
コトハ
表は人物を決め付けるためではありません。場面を書いて違ったら、欠落の欄を直して大丈夫です。
アキト
仮説は置いた。次は卒業式前夜の一場面で試せ。
おつかれさまでした
主人公を場面で試す仮説を残せた!
欲望・避けている問い・衝突・最後の行動を、人物の診断ではなく仮説として並べました。次は衝突する一場面を書き、実際の行動と合わない欄を直してください。
チェックすると、マイノートに読んだ記録が残ります。
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