キャラクターを作る

「欲望」と「欠落」から行動を決める

主人公の作り方

主人公の作り方を、望むもの・避ける問い・ぶつかる場面・最後の選択の4項目で考える図。

この記事の結論

主人公の作り方に迷ったら、まず『何を望むか』『何を避けるか』『最後にどう行動するか』を書いてみます。この記事では、一人の主人公が選び直す物語を例に、設定を一場面で試す方法を紹介します。欠落が思いつかないときは、次の場面で望むことだけから始めて構いません。

アキト ソウマ ミラ コトハ
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この記事でわかること

  • 主人公の欲望・欠落・衝突・変化を仮説として整理できる
  • プロフィールを増やす前に、主人公が選択に迷う場面を考えられる
  • 最後の行動から逆算して、必要な場面を見つけられる
#主人公#キャラクター 作り方#欠落

AI記事との使い分け: ここではAIを前提にせず、主人公の欲望・欠落・衝突・最後の行動を決めます。その核を保ったまま質問で内面を掘りたいときは、AIで主人公を深掘りする方法を使えます。

ソウマ

主人公を作ろうとすると、強さ、過去、口癖、見た目……決めることが多すぎて止まるんだよな。

コトハ

今日は項目を増やす前に、主人公が欲しがるものと、避けているかもしれない問いを分けてみます。

アキト

全部はいらない。まずは欲望と欠落を分けろ。欲しいものと、向き合うべきものは別だ。

01

Character Core

主人公の欲望と欠落は、何が違う?

欲望は本人が望むこと、欠落は避けている問いの仮説。一人で卒業式を迎えたい望みと、助けを求めると価値が下がるという思い込みを分ける。

主人公の作り方を調べると、年齢、身長、口癖、家族構成、好きな食べ物など、細かい設定項目がたくさん並んでいます。どれもキャラクターの資料になりますが、最初から埋める必要はありません。まずは、主人公が次の場面で何を選ぶかを考える材料を用意します。

ここでは、一人の主人公を追う物語で使いやすい 欲望 と 欠落 を仮置きします。欲望は、本人が表向きに求めるもの。この記事では、本人が避けている問いや選択を「欠落」と呼びます。

この二つを分けると、目的を追う場面と、その途中で避けてきたことを試される場面を考えやすくなります。次の問いを、自分の主人公に当てはめてみてください。

この主人公は何を欲しがり、その途中でどんな問いを避けているか?

すぐ答えられない場合は、欠落を無理に作らず、主人公が次の場面で欲しいものだけから始めても構いません。

この記事では、「欲望を追う途中で避けていた問いに触れ、最後に行動を選ぶ」という一つの設計を試します。

欲望と欠落は、同じものではない

  • 欲望:一人で卒業式を迎えたい
  • 欠落:助けを求めると価値が下がると思っている

この例では「卒業式を一人で迎える」が目標で、「誰かに頼っても自分の価値は変わらないのでは?」が避けている問いです。一人で帰れなくなる場面を置くと、目標を守りたい気持ちと、助けを求める必要がぶつかります。

別の例なら、欲望は「記憶を売って楽になりたい」、欠落は「苦しい記憶を誰にも話せない」です。欲望と欠落が同じ言葉になっているときは、「その欲望を追うほど、何に向き合うことになるか?」と聞き直します。

まだ主人公の現在地も決まっていない場合は、先に 物語作りは何から始める? で主人公・困りごと・変化の3項目を置くと進めやすくなります。

プロフィールを増やしても主人公が動かない理由

プロフィールだけでは、次の場面で何を選ぶかまでは決まりません。名前、年齢、髪型、好きな食べ物とは別に、その場面で望むことと避けることを置くと、行動を考える材料になります。

実例として「誰にも頼りたくない高校生」を主人公にするなら、欲望は「一人で平気だと思われたい」、欠落は「助けを求めると負けだと思っている」です。そこに雨の日の帰り道や、未提出の原稿のような状況を置くと、助けを断るか頼るかという行動候補が生まれます。

「雨の日の郵便屋」のソウマなら、欲望は「書いた一文を誰にも見せずに取り戻したい」、欠落は「見られる前に捨てれば傷つかないと思っている」ことです。

作った主人公を物語の構造で試すなら、物語の基本構造とは? が次の足場になります。

02

Inner Drive

欲望・欠落・衝突・最後の行動を、4つの問いで考える

欲望は何がほしいか、欠落は何を避けるか、衝突は両立できない場面、最後の行動はどう選び直すか。一人の選択の変化を考える4つの問い。

この記事では、一人の主人公が終盤で選び直す物語を作る場合に、次の4つを試します。

  1. 欲望:本人が手に入れたいもの、守りたいもの、達成したいこと。
  2. 欠落:本人が避けているかもしれない問い、思い込み、言えない本音。決め付けず、仮説として置く。
  3. 衝突:望みをかなえようとすると、避けてきた問いに向き合うことになる場面。
  4. 最後の行動:終盤で、序盤とは別の選択を試す小さな行動。

この設計を使うなら、プロフィールは4つの仮説を置いたあと、次の場面に必要な分だけ足します。内面が変わらない物語や群像劇には別の組み立て方があるため、空欄を無理に埋める必要はありません。

ソウマ

最後の行動まで決めると、その前に試す場面も見えてくるな。

アキト

そうだ。終盤の行動候補から戻れば、次の場面に要る設定を選びやすい。

03

Mini Example

主人公の作り方の例:助けを断る高校生が頼むまで

作例の高校生が、序盤では助けを断り、結末では迎えに来てと自分から頼む。行動の違いで主人公の選択の変化を示す。

例として、「誰にも頼りたくない高校生」を主人公にします。細かなプロフィールは後にして、先に望みと、それを試す場面を置きます。

  • 欲望:誰にも頼らずに卒業式を迎えたい
  • 欠落:助けを求めると、自分の価値が下がると思っている
  • 衝突:卒業式の前夜、親友に頼らないと帰れない状況になる
  • 最後の行動:短いメッセージで「迎えに来てほしい」と頼む

「クールな高校生」という印象だけだった人物に、助けを断る理由が生まれました。その理由を持つ主人公が、最後には自分から頼む。二つの行動の違いで、選び方が変わったことを表せます。

この4つが決まると、必要な場面も見えてきます。

  • 序盤:誰かの助けを断る場面
  • 中盤:一人で何とかしようとして失敗する場面
  • 終盤:一人で帰るのが難しくなり、親友に助けを求めるか迷う場面
  • 結末:頼ったあとも、自分の価値は下がらなかったと知る場面

この例で注目するのは、主人公の強さではなく、守ろうとするものと最後の選択の差です。

完璧さより、守るものと選択の差を置く

動きが見えにくい例:何でもできて、いつも正しく、最後まで迷わない主人公。

選び方の変化を描くなら:一人で平気なふりをしているが、本当は誰かに頼りたい。頼れば価値が下がると思っているため、助けを断り続ける。最後に一度だけ「迎えに来て」と言う。

完璧さを減らす必要はありません。守ろうとするものが、選択にどう影響するかを見える形にします。

この主人公設計を確かめる観点

  • 表向きの欲望が一つに絞れている
  • 欠落が「ダメなところ」ではなく、本文で試せる仮説になっている
  • 欲望を追う場面で、避けている問いが見える
  • 終盤の行動が、序盤の行動との違いを持つ

この四つがつながれば、プロフィールを増やす前に、次に試す場面を一つ選べます。つながらない欄は、本文を書いた後で直す仮説として残します。

04

AI Partner

AIには、主人公が選択に迷う場面の候補を相談する

自分で欲望と避けている問いを書き、AIから最大3つの場面候補を受け取り、作者が次に書く場面を1つ選ぶ。入力にない過去や人物は追加しない。

場面が思いつかないときは、自分で書いた「欲望」と「避けている問い」を二行にまとめて、AIに渡します。たとえば、一人で卒業式を迎えたい主人公なら、一人で何とかしたい気持ちと、助けが必要な状況がぶつかる場面を相談できます。

AIに「キャラクターを作って」と頼むと、作者が決めた核と追加候補の境界が見えにくくなります。代わりに、自分が書いた欲望と欠落を渡し、「この二つが衝突する場面候補」を求めます。返答は主人公の設定ではなく、作者が採用・修正・見送りを決める状況案として扱います。

もったいない相談例

魅力的な主人公を作ってください。

よい相談例

主人公の欲望:誰にも頼らずに卒業式を迎えたい 主人公の欠落:助けを求めると自分の価値が下がると思っている

この欲望と欠落が衝突しそうな場面を最大3つ提案してください。 それぞれに、主人公が取り得る異なる行動を2つずつ添えてください。 入力にない過去・人物・事件は追加せず、材料が足りない場合は質問を返してください。 候補に順位は付けないでください。

主人公の弱さをさらに掘りたい場合は キャラクターの弱点の作り方、目的の整理には キャラクターの目的の作り方 を、この記事の続きとして使えます。

05

Practice

主人公設計表を作り、一場面を書いて確かめる

主人公設計表に仮説を書き、一場面を書いたあと、実際の行動に合わせて表を直す。決まらない欄は未定のままでよい。

主人公設計表には、欲望・避けている問い・衝突・最後の行動を一組にします。最初から確定設定にせず、次の一場面を書いた後で、行動と合わない欄を直せる仮説として残してください。

実践ワーク

主人公設計表を1枚にまとめる

基準にする原稿、欲望、避けている問い、序盤と終盤の行動、本文の根拠、次に書く一場面をまとめます。空欄は仮説のままで構いません。

判断

四項目を使う作品か、別の変化軸かを先に決める。

根拠

欲望と避けている問いを本文の行動で確かめる。

一場面

序盤と終盤の差を、次に書く場面で試す。

生成される実践メモ

入力すると、この記事のワーク結果がノートに貼れる形でここにまとまります。
基準にする原稿・章・版: ____ 主人公の一言: ____ 表向きの欲望: ____ 避けている問い・欠落の仮説: ____ 欲望と欠落がぶつかる場面: ____ 終盤で試す小さな行動: ____ 次の一場面に必要な設定: ____ この四項目を使う理由・使わない判断: ____ 序盤で実際に選ぶ行動: ____ 欲望・欠落を支える本文の根拠: ____ 変えないもの・別の変化軸: ____ 次に書く一場面: ____ 今日の終了条件: ____

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四項目は、すべての主人公に必要な条件ではない

欲望・欠落・衝突・最後の行動は、一人の主人公の選択変化を組み立てるための設計枠です。内面が大きく変わらない主人公、複数人物を追う群像劇、出来事や謎の解決が中心の物語に、そのまま強制するものではありません。欠落を病気、障害、文化的背景、つらい経験だけで説明する必要もありません。

  • 欠落が思いつかない:短期の目的と、それを妨げる外側の壁だけで一場面を書く。内面の課題は本文を見てから決める
  • 最後まで信念を変えない主人公を書きたい:キャラクターアークの作り方で、変わるものを人物ではなく関係・状況・周囲の理解に置けるか検討する
  • 主人公が複数いて四項目が混ざる:脇役の役割の作り方も使い、人物ごとに目的を一つずつ分ける
  • 行動は決まったが出来事がつながらない:物語の因果関係の作り方で、「なぜ次が起きるか」を場面間に足す
  • 現実の人をモデルにしている:人物を一つの欠落で説明せず、個人が分かる私的情報を外し、複数の選択肢を持つ架空の人物に組み直す

今日できたもの

この記事で作ったもの
主人公設計表
次に育てる場所
欲望と避けている問いを、次の場面で試す仮説として置く欄
次の行動
衝突する場面を一つ書き、主人公が実際に選んだ行動で表を直す

ソウマ

欠落を立派に決めるより、着信を切るか出るかを書いたほうが、今の主人公は見えるな。

コトハ

表は人物を決め付けるためではありません。場面を書いて違ったら、欠落の欄を直して大丈夫です。

アキト

仮説は置いた。次は卒業式前夜の一場面で試せ。

おつかれさまでした

主人公を場面で試す仮説を残せた!

欲望・避けている問い・衝突・最後の行動を、人物の診断ではなく仮説として並べました。次は衝突する一場面を書き、実際の行動と合わない欄を直してください。

チェックすると、マイノートに読んだ記録が残ります。

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