はじめてのストーリー作り

始まり・出来事・選択・結果をつなぐ考え方

物語の基本構造とは

物語の基本構造を、始まりから最後までの順番と関係として見る。本文の出来事・行動・結果を対応させ、欠落や成長、場面数を必須にしない。

この記事の結論

物語の基本構造は、始まりから最後まで、何をどんな順番と関係で見せるかを整理するものです。展示場所を移す短い本文を使い、出来事・人物の行動・結果を分けてつないでみましょう。

アキト ソウマ ミラ コトハ
難易度
初心者
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13分
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最終更新日

この記事でわかること

  • 始まり・出来事・行動・結果を、本文の語句と対応させられる
  • 欠落や成長を必須にせず、今回の話に合う観点を選べる
  • 保持・試す・保留と、未定の終わりをメモへ残せる
#構造#ストーリー基礎#物語 作り方

ソウマ

出来事は思いつくんだけど、読んだあとに何が残る話なのか、自分でもわからなくなる。

コトハ

始まりと最後を並べて、途中に何が書いてあるか見てみましょう。

アキト

起きたこと、人物がしたこと、結果を分けて拾おう。大きな成長がなくても整理できる。

はじめて物語を作る場合は、先に ストーリーの作り方(4つの質問) を読むと、この記事の「構造」がすっと入ります。全体の手順は 小説の書き方 初心者完全ガイド にまとまっています。

01

Story Basics

物語の基本構造とは、始まりから最後までの順番と関係

始まり、出来事、選択や行動、結果や終わりを整理する。大きな変化がない場面では、観察や情報を見せる順番を確かめる。

物語の基本構造を考えるときは、何を、どんな順番と関係で見せるかを整理します。「出来事がいくつあるか」だけでなく、始まりから最後までに、人物が何をし、何が分かり、どんな像が残るかを見ます。

このページでは、始まり・出来事・選択や行動・結果や終わりの四つを使います。これは短い本文を見直すための一つの方法です。すべての作品に同じ型や、大きな成長を求めるものではありません。

四つの観点は、四場面や四章ではない

一つの場面に、始まりの状況も、出来事も、人物の行動も置けます。反対に、出来事が起きたあと、複数の場面を経て結果へ進むこともあります。観点の数から、章や段落の数を決める必要はありません。

観点見ること決めつけないこと
始まり誰が、どこで、何をしているか。主人公の欠点を作る欄ではない。
出来事そのあと、何が起き、何が分かるか。大きな事件や対立がなくてもよい。
選択・行動人物が何を選び、実際に何をするか。重大な決断がない場面では、動作や観察を拾う。
結果・終わりどんな状態や像で、今回の範囲を閉じるか。成功・成長・解決を、未記述のまま補わない。

たとえば、絵を庭から廊下へ移した話なら、展示場所が変わったことを追えます。そこで人物の性格まで変わった、と説明する必要はありません。風景や会話を味わう場面では、何を順に見せ、どこで閉じるかを見るだけでも構いません。

ほかの構成記事と使い分ける

主人公と目的を短いメモにする段階は主人公・目的・変化の基本ワーク、出来事同士の理由を点検する段階はプロットの因果関係で扱います。このページでは、本文全体の入口と途中、終点を一度見渡します。

起承転結や三幕構成は、別の整理の観点として選べます。今回の四つを、それらの別名や、必ず先に終える課題としては扱いません。

02

How to Start

物語の基本構造を整理する4手順|欠落や成長を必須にしない

読む範囲を決め、始まりと終わり、途中の出来事と行動を拾い、つながりを確認して保持・試す・保留を選ぶ。

四つの観点を使うときは、書いた本文と、これから書きたい設計案を分けます。本文があるなら、各欄へ短い語句を戻せるかを確かめます。設計中なら、「こう書く予定」と残します。

基本構造を整理する4手順

  1. 今回の範囲を決める。 一場面、一章、短編全体など、どこからどこまでを見るかを置きます。
  2. 始まりと終わりを拾う。 人物、場所、物の状態、見ているものを並べます。終わりが未定でも構いません。
  3. 途中の出来事と行動を置く。 何がきっかけで、誰が何をしたかを本文の語句へ対応させます。
  4. つながりを読む。 情報が足りない箇所だけを確認し、今のまま残す・試す・保留するを選びます。

四つを埋めただけでは、前後の理由まで確定しません。「雨が降った。そのあと絵を運んだ」なら、濡れたことや使える移動先など、判断を読む手掛かりが本文にあるかを見ます。すべてを「だから」でつなぐ必要はなく、時間の経過や並行する出来事として置く部分もあります。

「欠落→試練→選択→変化」を使う場合

人物が不足や迷いに向き合う話では、この四語でも整理できます。ただし、どの作品にも心理的な欠落を作り、克服させる規則にはしません。

呼び名今回見る候補使うときの範囲
欠落最初の不足や、向き合えていないこと。そうした不足を扱う作品で使う。欠落がないなら、最初の状況を置く。
試練人物の方針が試される出来事。今回の出来事として見ることもできる。全場面に難題を追加しない。
選択人物が選んで、行動すること。昔なら選ばなかったことに限定しない。同じ方針を保つ行動もある。
変化前後の状態や、明らかになったことの差。人格の成長だけでなく、場所・物の状態も見られる。大きな差がなくても記録できる。

ソウマ

『欠落がないと始められない』と思っていたけど、まず今の状況を書いてもいいんだ。

アキト

その本文で扱うことから選ぼう。型を埋めるためだけに、弱点や対立を足す必要はない。

03

Mini Structure

物語の基本構造の例|五段落の本文と、出来事・行動・結果

雨の展示台では、雨と棚の案内のあと灯が三枚の絵を廊下へ移す。展示場所は変わるが、来場者の評価や人格成長はまだ書かない。静かな観察の別例も比較する。

独立した教材「雨の展示台・構造例v1」を使います。灯は25歳で、自分の絵を小さな展示会へ出します。今回読むのは、開場前の準備から、展示場所を移して立つまでです。

雨の展示台:五段落の本文

展示会の開場まで、あと十分だった。灯は、庭に置いた台へ、自分の絵を三枚並べた。

一滴の水が、一枚の角を濡らした。灯が顔を上げると、屋根のない庭へ雨が落ち始めていた。

主催者が戸口から「廊下の棚は空いているよ」と声をかけた。灯は絵を抱え、廊下へ運んだ。

灯は三枚を棚に立て、濡れた角をハンカチでそっと押さえた。

開場のベルが鳴った。灯はハンカチを畳み、棚の横に立った。

本文の語句を、四つの観点へ戻す

観点本文にあること分かる範囲
始まり開場十分前、灯が庭の台へ絵三枚を並べる。展示場所は屋根のない庭。性格の欠落は書いていない。
出来事雨が落ち、一枚の角が濡れる。主催者が廊下の棚を案内する。移すきっかけと、使える移動先の情報。
選択・行動灯が絵を抱えて廊下へ運び、棚に立てる。本文にある行動。『他の方法は一切なかった』とは書かない。
結果・終わり三枚を棚へ置き、開場のベルのあと灯が横に立つ。展示場所が庭から廊下へ移る。絵の完全な乾燥や来場者の評価は未記述。

雨で角が濡れたあと、主催者が廊下の棚を案内し、灯がそこへ運びます。雨が移動のきっかけになり、案内が移動先の手掛かりになります。ただし、灯がほかの案をすべて検討した過程までは書いていません。

最後に書いたのは、三枚を棚へ立て、開場時にその横へ立つことです。来場者が絵を褒めた、灯が自信を得た、濡れた部分が元どおりになった、といった続きはまだありません。した行動と、まだ書いていない成功を分けます。

大きな決断がない、静かな別の例

次は独立した「午後の展示室・別例v1」です。前の話の続きではありません。

午後の展示室で、灯は窓際の椅子に座っていた。向かいの棚には、朝から同じ三枚の絵が並んでいる。

雲が動くと、額の影が少し薄くなった。灯は膝の上で両手を重ね、その影を眺めていた。

この二段落では、灯は座ったまま影を見ています。大きな対立や決断を追加せず、「椅子から棚を見る→光が変わる→影を眺める」という見せる順番を確認できます。作品全体で何を担う場面かは、前後の本文があるときに判断します。

物語を一本書く練習へ進む場合は短い物語の作り方が使えます。今回の四つは、文字数や場面数を決める目標ではありません。

04

AI Partner

AIには基本構造のメモと原文を渡し、つながりを照合する

AIは原文と構造メモを照合し、理由・前後の順序・解釈・未記述を分ける。削る案の情報差を比べ、役割と採否は作者が判断する。

AIには、今回の範囲と原文を渡し、構造メモの各欄がどの語句に対応するかを整理してもらいます。設計案しかない場合は、その段階も伝えます。

もったいない相談例

主人公の欠落と成長を必ず加えて、正しい物語構造へ直してください。

よい相談例

作品名・版・今回読む範囲:_____ 今回の本文(未執筆なら設計案と明記):_____ 始まりの状況:_____ 途中の出来事と、人物の行動:_____ 最後に書いた状態・像(未定可):_____ つながりを確かめたい箇所:_____ 残したい語句・まだ決めていないこと:_____ 始まり、出来事、選択・行動、結果・終わりを、本文の短い語句へ対応させてください。 四つの観点を、四段落・四場面・四章が必要という条件にしないでください。 理由として書かれたこと、前後の順序、読み取る候補、未記述のことを分けてください。 欠落や成長、大きな対立がない場合は無理に追加せず、観察や情報、雰囲気を残す役割も確かめてください。 ある出来事を外す案を比較する場合は、消える情報と残る情報を分け、採用を決定しないでください。 本文が足りず分からない点は、そのまま分からないと記してください。実際の読者の反応を確認したことにはしないでください。 最後の採用・保持・保留は作者が選びます。新しい本文は作らないでください。

「廊下へ移したので展示は大成功した」と返ってきたら、開場のベルのところへ戻ります。本文で確認できるのは展示場所を移したことまでで、来場者の反応はありません。

また、「棚の案内を外す」案なら、使える移動先をどこで知るかという情報が減ります。それだけで削除不可と決めず、残す、別の文へまとめる、設計を変えるという候補を作者が比べます。雰囲気や時間経過を担う文を、決断に関係しないという理由だけで消す必要もありません。

05

Practice

基本構造メモのワーク|本文の根拠と、保持・保留を残す

基本構造メモへ基準の本文と四つの観点、根拠と未定の点、保持・試す・保留の理由を残し、次に読む範囲へ戻る。

出来事の因果メモには、基準の本文、始まり、出来事、人物の行動、結果を保存します。本文で確認できることと、これから書く候補を分けると、次に見る範囲も残せます。

実践ワーク

基本構造メモに、本文の根拠と次の判断を残す

始まり・出来事・選択や行動・結果や終わりを、同じ本文へ対応させます。欠落や大きな成長を必須にせず、保持・保留や未定の終わりも保存できます。

範囲

基準の本文と、今見る始まり・終わりを置く。

対応

出来事・行動・結果を本文の語句へ戻す。

判断

欠落や成長を必須にせず、保持・試す・保留を残す。

生成される実践メモ

入力すると、この記事のワーク結果がノートに貼れる形でここにまとまります。
基準の作品・版・今回の範囲: ____ 始まりの状況(欠落を扱うなら、その内容): ____ 途中の出来事と、渡される情報: ____ 人物が選ぶこと・実際の行動: ____ 最後の状態・像(未定や大きな変化なしも可): ____ 今回残す・確認する箇所(複数・未定可): ____ 基準にする本文・設計案: ____ つながりの根拠と、まだ分からないこと: ____ 保持・試す・保留と理由: ____ 次に読む・書く範囲: ____

全部埋めなくて大丈夫。1行だけでも保存できます。

マイノートで見る

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一か所を選んで、前後の本文を読む

今回なら「雨が落ちたあと、なぜ廊下へ移せたか」を確認できます。棚の案内が本文にあるので、現稿を保持する判断もできます。案内を短くしたいなら、別の版を作ってから情報の差を読みます。

静かな例なら、決断欄を埋めるための事件を足す代わりに、目線と光の変化をそのまま残せます。終わりがまだなければ、書いた範囲と未定の箇所だけ保存しても構いません。

今日できたもの

この記事で作ったもの
始まり・出来事・行動・結果を、本文と対応させた基本構造メモ
次に育てる場所
つながりを確かめたい一か所と、まだ書いていない終わり
次の行動
前後の語句を読み、保持・試す・保留の理由を更新する

ソウマ

灯が絵を移したところまでは書いた。来場者の評価や自信まで、結果欄へ足さなくていいんだね。

コトハ

はい。現稿の終わりを確かめて、続きを書くかも別に選べます。

アキト

次は移動先を伝える文を読もう。今のままで伝わるなら、保持する判断も残せる。

おつかれさまでした

基本構造メモから、前後の本文を読み直す

始まり・出来事・行動・結果を、同じ本文へ対応させます。次はつながりを確かめたい範囲を読み、保持・試す・保留の理由を更新できます。

チェックすると、マイノートに読んだ記録が残ります。

小さな物語

この記事とつながる小さな物語

物語の種を捨てずに残すことを、コトハたちの短い場面として読めます。 記事の理解に必須ではありません。少し余韻を見たいときだけ開いてください。

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