はじめてのストーリー作り

初心者が1本完成させる5ステップ

短い物語の作り方

短い物語は始点と終点を選び、主人公・状況・選択・変化・終点の5項目を本文につなげる。設計表と書けた一稿を分け、次の作業まで保存する。

この記事の結論

短い物語は、始点と終点を小さく選ぶところから。主人公・状況・選択や気づき・変化や保持・終点の5ステップを使い、予備傘を借りて返す411字の本文と比べながら、一稿へつなげます。

コトハ ソウマ ミラ アキト
難易度
初心者
読了時間
14分
公開日
最終更新日

この記事でわかること

  • 短い物語の範囲を選び、5項目で設計できる
  • 411字の全文で、選ぶ動作と傘の受渡しを追える
  • 設計と本文を分け、修正なし・未定も保存できる
#短編#完成#実践ワーク

ソウマ

短い話なら書けそうって思ったのに、始めたら設定が広がって全然短くならない。

コトハ

今回は、借りる前から返すまでに範囲を絞ってみましょう。時間を決めるなら、書けたところを保存する目安にできます。

アキト

選択肢を書くだけで止めず、何を選んで動いたかを本文へ置いてみよう。

01

Short Story

短い物語の作り方は、今回の始点と終点を選ぶところから

始点と終える用件を選び、人数や場所は追える範囲にする。400〜2000字や30分は練習の目安で、短編の定義や完成条件にしない。

短い物語を作るなら、どこから始め、何が書けたところで終わるかを小さく決めてみます。この記事では、主人公・状況・選択または気づき・変化または保持・終点の五つをメモし、短い本文へつなげます。

最初の練習では、400〜2000字程度を一つの目安にできます。これは短編や掌編の定義ではなく、今回扱う範囲を選ぶための目安です。もっと短い数文から始めても、必要な場面を書いて長くなっても構いません。

人数や場所は、追える範囲から選ぶ

少人数で、短い時間の出来事から試すと、何を書くかを選びやすくなります。ただし「人物は必ず二人まで」「場所は二か所まで」と数を固定する必要はありません。

次の例は中学生二人を中心に、放課後の駅から帰路、自宅、翌朝の教室へ進みます。複数の場所を使いますが、扱う用件は「予備傘を借りて返す」に絞っています。世界全体や、その後の二人の人生を説明しきろうとはしません。

02

Steps

短い物語を作る5ステップ|予備傘を借りて返す411字の全文

青い予備傘の411字の本文で、主人公と状況、借りる選択とその後、返却の終点と最後の青空を対応させる。律と圭は別々の傘で帰る。

五つの項目は、短い物語の設計を確かめる枠です。五つの場面や五段落に分ける、という意味ではありません。 本文を書きながら、選択を気づきへ変えたり、最後の文を選び直したりできます。

作例全文:青い予備傘・練習稿v1

律と圭は14歳の同級生です。これはこの記事のための独立した練習稿で、本文は次の十段落すべてです。

駅の屋根から、雨が白い筋になって落ちていた。律は鞄の底をもう一度探り、空の傘袋を丸めた。朝、乾かした傘を玄関に置いたままだ。母の仕事が終わるまで、まだ一時間はある。

「予備ならあるよ」

隣に立った圭が、鞄から青い折り畳み傘を出した。もう片方の手には、自分の灰色の傘を持っている。律は「大丈夫」と言いかけ、駅前の横断歩道を見た。信号が二度変わる間にも、雨は弱まらなかった。

「借りてもいい?」

圭がうなずいた。律は青い傘を受け取り、「ありがとう。明日返す」と言った。別々の傘を開き、二人は横断歩道の手前まで並んで歩いた。圭は右へ、律は左へ曲がった。

家に着くと、律は傘を広げて乾かした。傘袋も裏返し、洗面所の棚に掛けておいた。夜、骨の間に残ったしずくを布で拭き、畳んで鞄へ入れた。

翌朝、教室の戸口で圭を見つけ、律は青い傘を差し出した。

「助かった」

「うん」

圭は受け取り、傘袋の口を閉じた。律が席へ向かうと、窓の向こうに細い青空が見えた。

本文は411字です。ここでは改行を数えず、句読点とかぎ括弧を含めて数えています。応募先の字数の数え方を示すものではありません。

5ステップを、書いた本文へ対応させる

項目考えること今回の設計本文で確かめること
主人公誰を追い、今どんな状態から始めるか。律14歳。傘を忘れ、貸すと言われても一度ためらう。『大丈夫』と言いかける。ただし、いつも他人を頼れない性格とまでは決めない。
状況何が起き、今回どこから扱うか。放課後の駅で雨が強く、傘を持っていない。空の傘袋、玄関に置いた傘、弱まらない雨。
選択・気づき実際に選ぶ動作や、知ったことを置く。圭の予備傘を借りると頼む。『借りてもいい?』→圭がうなずく→受け取る。選択肢を並べるだけで止めない。
変化・保持選んだあと何が起こるか。変えない案も可。借りて帰り、乾かし、翌朝本人へ返す。受取・別々の傘・乾かす・差し出す・圭の受取がある。人生全体の変化までは扱わない。
終点・必要なら余韻今回の終わりと、最後に置く文を選ぶ。返却の受取で用件を終え、席へ向かう律と青空で閉じる。最後の像は今回の選択。別の物語でも色や匂いを必ず足す、という規則にはしない。

この話で変えたのは、「大丈夫」と言いかけた律が、今回は借りると頼む動きです。「誰にも頼らない性格を克服した」と、人物の全体まで決める必要はありません。

傘は一つに入るのではなく、圭の予備を律が借ります。圭の自分用の灰色の傘も置いたので、別々に帰り、翌朝青い傘を返す流れを追えます。

ソウマ

表では『借りるかどうか』で止めず、借りると頼んで受け取るところまで選ぶんだね。

アキト

そうだ。返却を終点にするなら、貸す、借りる、持ち帰る、返すという動作が本文でつながるか見よう。

03

Check

短い物語のつながりを、選択・受渡し・終点から点検する

選択肢を挙げただけの設計と、実際に選んだ動作を分ける。予備傘の受渡しと時間を本文で追い、不足がなければ修正を作らず残す。

5ステップを書いたら、始点から終点までのつながりを本文で読みます。設計した動作がまだないなら、書き足す候補になります。逆に、つながっている箇所へ無理に修正点を作る必要はありません。

範囲今回の出来事つながりの確認
始点傘がなく、駅で帰り方を決めていない。律が傘を忘れた状況が本文にある。
途中予備傘を借り、帰宅して乾かす。圭の自分用の傘と、律へ渡す青い傘を分ける。
終点翌朝、律が差し出し、圭が受け取る。返却するつもりだけで終わらず、今回選んだ終点の動作まで書く。

「同じ傘に入れてもらう」とだけ書いたあと、翌朝それを返す展開へ進めると、いつ傘を借りたのかが抜ける場合があります。この練習稿では「予備ならあるよ」と、受け取る動作を置きました。返却のために必要な情報を、前の場面へ戻して足す例です。

AIには、設計と原文の対応を尋ねる

もったいない相談例

この設定で感動する短編を書いてください。

よい相談例

作品名・版・今回の練習範囲:_____ 主人公・状況・選択または気づき・変化または保持・終点:_____ 今ある本文(書いていない箇所は未記述と記す):_____ 今回の一稿で終えたい用件:_____ 残したい言葉・動作・条件:_____ つながりを確かめたい箇所(なしも可):_____ まだ決めていないこと・追加したくない設定:_____ 5項目と本文を比べ、設計した動作がどの語句に書かれているかを整理してください。 選択肢を挙げただけの箇所と、実際に選んで動いた箇所を分けてください。 物の受渡しや時間のつながりに不足があれば、元の短い語句と対応させ、一箇所を候補にしてください。 不足がなければなし、材料不足なら判断できないと記してください。問題を必ず作らないでください。 新しい設定・返答・本文は補わず、読者の感動や主人公の成長を断定しないでください。 直す・残す・保留は作者が判断します。

ここで欲しいのは、必ず一箇所の欠点を見つけた返答ではありません。本文から判断できる範囲を整理し、直すか、そのまま残すかを作者が決めるための材料です。

範囲が広がったら、終点から選び直す

予備傘の話に、圭の家庭事情や二人の数年後を足したくなったら、今回の返却までに必要かを考えます。必要なら広げても構いません。今の一稿へ入れず、別のメモへ残す方法もあります。

静かな気づきを中心にした話なら、大きな決断や関係の変化を足さず、何が分かったところで終えるかを選べます。最後を説明で閉じるか、動作や像を置くかも、伝えたい内容から比べられます。

04

Practice

短編5ステップ表のワーク|設計・本文・採否と次の作業を残す

短編5ステップ表に設計と現在の本文を保存する。一稿と公開準備を分け、採否と次に戻る箇所を残す。余韻なし・修正なし・本文未定でも保存できる。

短編5ステップ表には、練習の範囲、五つの設計項目、今ある本文、採否と次に書く場所を保存します。全部の欄や、始まり・転機・終わりの三点がそろっていなくても、今ある案を残せます。

実践ワーク

短編5ステップ表に、設計と本文を並べて残す

五つの項目と、書けた本文を分けて保存します。余韻なし、修正点なし、本文未定でもよく、次に書く範囲と作業を終える条件を選べます。

範囲

今回扱う用件と、始点・終点を小さく選ぶ。

本文

設計した動作と、実際に書いた語句を分けて比べる。

保存

余韻なし・修正なし・未定も残し、次に戻る箇所を選ぶ。

生成される実践メモ

入力すると、この記事のワーク結果がノートに貼れる形でここにまとまります。
作品・練習稿の版: ____ 今回扱う人物・時間・場所・用件: ____ 主人公と、今の状態: ____ 始まりの状況: ____ 実際の選択・気づき(未定も可): ____ その後に起きること・変えないこと: ____ 終点と、必要なら余韻: ____ つながりの確認と、直す候補(なしも可): ____ 次に書く・読み直す箇所: ____ 今日の作業を終える条件: ____ 次回に戻る文・未定なら空欄可: ____ 今ある本文(未記述なら空欄可): ____ 採用・修正なし・保留と、理由: ____

全部埋めなくて大丈夫。1行だけでも保存できます。

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設計表、一稿、公開の準備を分ける

段階残すもの確認する範囲
5ステップ表主人公・範囲・動作・終点の設計。本文がない部分や未定の欄が残っていても保存できる。
今回の一稿設計した始点から終点までを文章にしたもの。この例は返却まで本文がある。読み直しや、読者に確認する作業は別。
公開の準備掲載先へ出すための形式・条件の確認。字数やAI利用などは、その時点の応募先・投稿先の公式要項で確かめる。

「青い予備傘」は、借りる前から返却の受取までを本文にした練習稿です。ここから前後の動作や言葉を読み直せます。表が埋まっただけの段階なら、次に一段落を書く、終点の文から試すなど、自分が書けそうな範囲を選べます。

場面の役割や数を整理するなら短編プロットの作り方、選択とその後の出来事を見直すなら物語の基本構造へ進めます。最初の文を試す段階は物語の冒頭の作り方、一稿をどこまで直すかは物語を完成させる方法で扱えます。

今日できたもの

この記事で作ったもの
設計・本文・採否と次の作業を並べた短編5ステップ表
次に育てる場所
今回の始点から終点までで、まだ書いていない文や読み直す箇所
次の行動
書けた本文を保存し、次に試す範囲を一つ選ぶ

ソウマ

今回は、借りて帰り、翌朝本人へ返すところまで書けた。最後の青空を残すかは、全文を読み直して決める。

コトハ

設計表と、実際に書いた本文を一緒に残せば、続ける場所へ戻れますね。

アキト

今日はどこまで書けたかを保存しよう。まだない段落があるなら、次に試す場所として残せる。

おつかれさまでした

書けた本文を保存し、次に試す範囲を選ぶ

5項目の設計と、今ある本文を保存できます。次は、まだ書いていない箇所や読み直す文を一つ選びましょう。余韻なし・修正なし・保留も残せます。

チェックすると、マイノートに読んだ記録が残ります。

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