ホーム › はじめてのストーリー作り
初心者が最初の15分で決める3つのこと
物語作りは何から始める?
この記事の結論
物語作りを何から始めるか迷ったら、最初に決めるのは世界観でも伏線でもありません。主人公、今日の困りごと、最後の小さな変化。この3つだけを書けば、物語作りの1ページ目は始まります。
この記事でわかること
- 物語作りの最初に書くべき3項目がわかる
- 設定を広げる前に、主人公の今日を決められる
- あとから場面やプロットへ育てやすい創作メモを作れる
ソウマ
ノートを開いたんだけど、1ページ目に何を書けばいいのかわからなくて、タイトルだけ書いて閉じそうになった。
コトハ
では今日は、作品全体ではなく『今日の1ページ目』だけを作りましょう。最初に必要なのは、主人公と困りごとと変化です。
ミラ
三つだけなら、あとで並べ替えたり広げたりできます。最初は完成度より、書き出せる状態を作りましょう。
First Page
物語作りを何から始めるか迷ったら、最初の15分で3つだけ決める
物語作りを始めるとき、多くの人は「面白い設定」「すごい結末」「きれいな冒頭文」を先に探そうとします。けれど、白紙の1ページ目で必要なのは、完成形ではありません。まずは、作品を動かすための仮メモを置くことです。
最初の15分で書くのは、次の3つだけで十分です。
手順にすると、1. 主人公の現在地、2. 今日の困りごと、3. 最後の小さな変化の順に埋めます。
- 主人公の現在地:今どんな状態にいる人か
- 今日の困りごと:その人が最初にぶつかる問題は何か
- 最後の小さな変化:最初ならできなかった何をするか
15分の使い方
0〜3分:主人公の現在地だけを書く
3〜8分:今日の困りごとを3案出す
8〜12分:最後の小さな行動を1つ選ぶ
12〜15分:3項目を1文につなげる
最初の15分では、タイトル、世界観の歴史、伏線、細かいプロフィールは決めなくて大丈夫です。
この3つがつながると、まだ短いメモでも「誰かの物語」として動き始めます。たとえば「誰にも頼りたくない中学生」が「雨の日に帰れない」だけでは出来事です。そこに「最後に一度だけ助けを求める」まで入ると、読者は変化を追えます。
もし、すでにアイデアがあって1文にしたい場合は、前の記事の ストーリーの作り方 から戻るとつながります。この記事では、まだアイデアがぼんやりしている人向けに、最初の1ページ目を作ります。
1ページ目から全部決めようとすると止まる理由
物語作りの最初でつまずくのは、1ページ目から作品全体を決めようとするからです。タイトル、世界観、結末、伏線を同時に考えると、どれも大事に見えて手が止まります。
最初の実例として「雨の日の郵便屋」を考えるなら、まずは「ソウマは、書いた一文を誰かに読まれるのが怖い」「レシートがアトリエに入ってしまう」「最後に逃げずに扉を開ける」の3項目だけで十分です。細かい設定はあとから足せます。
この3項目が埋まったら、主人公を深めるために 主人公の作り方 へ、流れに並べるために 物語の基本構造とは? へ進めます。
小さな例:最初の3項目メモ
主人公の現在地:作品を人に見せるのが怖い高校生
今日の困りごと:雨でレシートが飛び、書いた一文がアトリエの扉の下へ入ってしまう
最後の小さな行動:逃げずに扉を開け、「その一文、まだ捨てたくない」と言う
このくらい短くても、次に書く場面は見えます。最初の1ページ目は、完成原稿ではなく「本文へ入る入口」で十分です。
Protagonist
1つ目は、主人公のプロフィールではなく現在地を書く
物語の中心には、読者が追いかける人物がいます。ただし、最初から名前、年齢、髪型、家族構成まで決める必要はありません。プロフィールを先に埋めようとすると、設定は増えるのに話が始まらないことがあります。
最初に書くのは、「この人は今、どんな状態にいるのか」です。
ソウマ
主人公って、名前とか年齢とか、先に決めたほうがいいと思ってた。
コトハ
それも大切ですが、最初は『どんな気持ちで立っている人か』のほうが物語に直結します。
たとえば、最初のメモならこのくらいで十分です。
- 誰にも頼りたくない中学生
- 失敗を笑ってごまかす配達員
- 大切な記憶を忘れかけている魔法使い
- 作品を人に見せるのが怖い高校生
大事なのは、読者が「この人はどうなるんだろう」と思える入口を作ることです。弱さ、願い、怖がっていることが一言でも入ると、その人物はプロフィールではなく物語の中心になります。
主人公をさらに深める段階では、主人公の作り方 で「欲望」と「欠落」に分けて整理できます。ここでは、まず物語が始まる状態だけ置きましょう。
Trouble
2つ目は、主人公を動かす今日の困りごとを置く
主人公を決めたら、その人が今日どんなことに困っているのかを考えます。困りごとは、物語を動かす最初の押し出しです。
ここで大切なのは、困りごとを主人公と結びつけることです。問いにすると、「この困りごとは、主人公のどんな弱さや願いを試しているか?」です。
もったいない相談例
物語の困りごとを考えてください。
よい相談例
主人公は「誰にも頼りたくない中学生」です。
この主人公が物語の最初で困っていることを、日常寄り、少し不思議、ファンタジー寄りの3パターンで提案してください。
それぞれ「なぜこの主人公にとってつらいのか」と「最後の変化につながりそうな点」も一言添えてください。
困りごとは、主人公の弱さや願いを照らします。「雨の日に傘がない」だけなら出来事ですが、「誰にも頼りたくない主人公が、誰かに助けを求めるしかない」なら物語の入口になります。
小さく始めるなら、困りごとは大事件でなくて構いません。
- 帰り道で雨が強くなり、迎えを頼むしかない
- 大事なノートを落とし、苦手な同級生に拾われる
- 文化祭の準備で、自分だけでは間に合わない作業を抱える
出来事を選ぶときは、主人公の一番触られたくないところに少し触れるものを選びます。
最初に決めないこと
- タイトル
- 最終章の展開
- 世界観の歴史
- 伏線の回収方法
- 登場人物全員のプロフィール
これらは後で必要になりますが、最初の15分ではまだ重すぎます。まず「今日の主人公」を動かすメモに集中します。
書き始め前の確かめる観点
- 主人公の現在地を一言で書けている
- 今日の困りごとが、主人公にとって少しつらい
- 最後の小さな行動が、最初の主人公なら選びにくい
- タイトルや伏線を、今は保留にできている
四つ全部が埋まらなくても、上の三つが見えれば最初の1ページ目は始められます。
Change
3つ目は、最後の小さな行動を決める
物語は、出来事の一覧ではありません。読んだあとに「主人公が少し変わった」と感じられると、短い話でも印象に残ります。
ここで決めるのは、壮大な結末ではなく、最後の小さな行動です。説明ではなく行動にすると、読者に変化が伝わりやすくなります。
変化は、大きな成長でなくてもかまいません。
- 誰にも頼らなかった人が、一度だけ助けを求める
- 失敗を隠していた人が、正直に話す
- 忘れたくないとしがみついていた人が、手放す準備をする
この変化が見えると、どんな場面を書けばよいかも少しずつ見えてきます。最後に助けを求めるなら、途中には「助けを断る場面」を置く。最後に正直に話すなら、途中には「ごまかしてしまう場面」を置く。変化の問いが、必要な場面を選んでくれます。
ソウマ
なるほど。最後に何が起きるかより、主人公がどうなるかを見るんだ。
コトハ
はい。出来事は、その変化を見せるために選んでいきます。
Practice
最初の3項目メモで、最初の3項目を置く
ここで作る最初の3項目メモは、読み終えた記念ではなく、「最初の3項目を置く」ための作業メモです。物語作りは何から始める?初心者が最初の15分で決める3つのことで迷いやすい点を広げすぎず、最後に3項目を仮で埋め、次に書く一文を決めるところまで持っていきます。
実践ワーク
物語の1ページ目を埋める
主人公の現在地・今日の困りごと・最後の小さな行動の3つを書きます。空欄があっても、次に書けそうな場面まで書いて終わりにしましょう。
チェックリスト
- 主人公の現在地を一言で書いた
- 今日の困りごとを書いた
- 最後の小さな行動を決めた
- その困りごとが主人公にとってつらい理由を書いた
- 次に書けそうな場面を1つメモした
今日できたもの
- この記事で作ったもの
- 最初の3項目メモ
- 次に育てる場所
- 最初の15分で、主人公・困りごと・変化を置く欄
- 次の行動
- 3項目を仮で埋め、次に書く一文を決める
ソウマ
最初の3項目を置くところまでなら、今日のメモからでも始められそう。
コトハ
その手応えを残しましょう。最初の3項目メモは、「最初の3項目を置く」ための小さな栞になります。
ミラ
最初の3項目メモなら、次の相談や保存にもつなげやすい整理として使えます。
このメモができたら、次は形に合わせて進めます。主人公を深めたいなら 主人公の作り方、全体の流れに並べたいなら 物語の基本構造とは?、創作ノートを続けたいなら 創作ノートの始め方 へ進むと、次の作業が見つかります。
おつかれさまでした
最初の3項目メモを残せた!
今日の最初の3項目メモは、物語作りの入口を、迷い続ける時間から手を動かす時間へ変えられる入口です。迷ったら、3項目を仮で埋め、次に書く一文を決めるところだけ見直しましょう。
チェックすると、マイノートに読んだ記録が残ります。
アトリエの本棚
このテーマをもっと深めたいときに
外部の書店検索ページへのリンクです。
小説講座 売れる作家の全技術
書き出しから直しまで、講義形式で「書き続けるための技術」を扱う一冊。何から始めるか迷っている段階の地図になります。
プロだけが知っている小説の書き方
Q&A形式で初心者のつまずきに答えていく構成。記事のワークで手が止まったときの二冊目に向いています。
書誌情報・価格・販売状況はリンク先で最新のものを確認してください。
学びの地図
記事をさがす
物語をよむ
マイノート