はじめてのストーリー作り

初心者が最初の15分で決める3つのこと

物語作りは何から始める?

この記事の結論

物語作りを何から始めるか迷ったら、最初に決めるのは世界観でも伏線でもありません。主人公、今日の困りごと、最後の小さな変化。この3つだけを書けば、物語作りの1ページ目は始まります。

難易度
初心者
読了時間
12分
公開日
最終更新日

この記事でわかること

  • 物語作りの最初に書くべき3項目がわかる
  • 設定を広げる前に、主人公の今日を決められる
  • あとから場面やプロットへ育てやすい創作メモを作れる
#創作初心者#小説 書き始め#創作ノート
物語作りは何から始める?の内容をイメージした創作アトリエの挿絵
コトハ ソウマ ミラ

ソウマ

ノートを開いたんだけど、1ページ目に何を書けばいいのかわからなくて、タイトルだけ書いて閉じそうになった。

コトハ

では今日は、作品全体ではなく『今日の1ページ目』だけを作りましょう。最初に必要なのは、主人公と困りごとと変化です。

ミラ

三つだけなら、あとで並べ替えたり広げたりできます。最初は完成度より、書き出せる状態を作りましょう。

01

First Page

物語作りを何から始めるか迷ったら、最初の15分で3つだけ決める

コトハが白紙ノートと三つのカードを示して最初のメモ作りを案内しているアトリエの挿絵

物語作りを始めるとき、多くの人は「面白い設定」「すごい結末」「きれいな冒頭文」を先に探そうとします。けれど、白紙の1ページ目で必要なのは、完成形ではありません。まずは、作品を動かすための仮メモを置くことです。

最初の15分で書くのは、次の3つだけで十分です。

手順にすると、1. 主人公の現在地、2. 今日の困りごと、3. 最後の小さな変化の順に埋めます。

  • 主人公の現在地:今どんな状態にいる人か
  • 今日の困りごと:その人が最初にぶつかる問題は何か
  • 最後の小さな変化:最初ならできなかった何をするか

15分の使い方

0〜3分:主人公の現在地だけを書く
3〜8分:今日の困りごとを3案出す
8〜12分:最後の小さな行動を1つ選ぶ
12〜15分:3項目を1文につなげる

最初の15分では、タイトル、世界観の歴史、伏線、細かいプロフィールは決めなくて大丈夫です。

この3つがつながると、まだ短いメモでも「誰かの物語」として動き始めます。たとえば「誰にも頼りたくない中学生」が「雨の日に帰れない」だけでは出来事です。そこに「最後に一度だけ助けを求める」まで入ると、読者は変化を追えます。

もし、すでにアイデアがあって1文にしたい場合は、前の記事の ストーリーの作り方 から戻るとつながります。この記事では、まだアイデアがぼんやりしている人向けに、最初の1ページ目を作ります。

1ページ目から全部決めようとすると止まる理由

物語作りの最初でつまずくのは、1ページ目から作品全体を決めようとするからです。タイトル、世界観、結末、伏線を同時に考えると、どれも大事に見えて手が止まります。

最初の実例として「雨の日の郵便屋」を考えるなら、まずは「ソウマは、書いた一文を誰かに読まれるのが怖い」「レシートがアトリエに入ってしまう」「最後に逃げずに扉を開ける」の3項目だけで十分です。細かい設定はあとから足せます。

この3項目が埋まったら、主人公を深めるために 主人公の作り方 へ、流れに並べるために 物語の基本構造とは? へ進めます。

小さな例:最初の3項目メモ

主人公の現在地:作品を人に見せるのが怖い高校生
今日の困りごと:雨でレシートが飛び、書いた一文がアトリエの扉の下へ入ってしまう
最後の小さな行動:逃げずに扉を開け、「その一文、まだ捨てたくない」と言う

このくらい短くても、次に書く場面は見えます。最初の1ページ目は、完成原稿ではなく「本文へ入る入口」で十分です。

02

Protagonist

1つ目は、主人公のプロフィールではなく現在地を書く

ソウマが細かなプロフィール表ではなく主人公の現在地カードを先に確認する創作アトリエの挿絵

物語の中心には、読者が追いかける人物がいます。ただし、最初から名前、年齢、髪型、家族構成まで決める必要はありません。プロフィールを先に埋めようとすると、設定は増えるのに話が始まらないことがあります。

最初に書くのは、「この人は今、どんな状態にいるのか」です。

ソウマ

主人公って、名前とか年齢とか、先に決めたほうがいいと思ってた。

コトハ

それも大切ですが、最初は『どんな気持ちで立っている人か』のほうが物語に直結します。

たとえば、最初のメモならこのくらいで十分です。

  • 誰にも頼りたくない中学生
  • 失敗を笑ってごまかす配達員
  • 大切な記憶を忘れかけている魔法使い
  • 作品を人に見せるのが怖い高校生

大事なのは、読者が「この人はどうなるんだろう」と思える入口を作ることです。弱さ、願い、怖がっていることが一言でも入ると、その人物はプロフィールではなく物語の中心になります。

主人公をさらに深める段階では、主人公の作り方 で「欲望」と「欠落」に分けて整理できます。ここでは、まず物語が始まる状態だけ置きましょう。

03

Trouble

2つ目は、主人公を動かす今日の困りごとを置く

ミラが机上の小さな困りごと模型を示しソウマが物語の入口に気づくアトリエの挿絵

主人公を決めたら、その人が今日どんなことに困っているのかを考えます。困りごとは、物語を動かす最初の押し出しです。

ここで大切なのは、困りごとを主人公と結びつけることです。問いにすると、「この困りごとは、主人公のどんな弱さや願いを試しているか?」です。

もったいない相談例

物語の困りごとを考えてください。

よい相談例

主人公は「誰にも頼りたくない中学生」です。 この主人公が物語の最初で困っていることを、日常寄り、少し不思議、ファンタジー寄りの3パターンで提案してください。 それぞれ「なぜこの主人公にとってつらいのか」と「最後の変化につながりそうな点」も一言添えてください。

困りごとは、主人公の弱さや願いを照らします。「雨の日に傘がない」だけなら出来事ですが、「誰にも頼りたくない主人公が、誰かに助けを求めるしかない」なら物語の入口になります。

小さく始めるなら、困りごとは大事件でなくて構いません。

  • 帰り道で雨が強くなり、迎えを頼むしかない
  • 大事なノートを落とし、苦手な同級生に拾われる
  • 文化祭の準備で、自分だけでは間に合わない作業を抱える

出来事を選ぶときは、主人公の一番触られたくないところに少し触れるものを選びます。

最初に決めないこと

  • タイトル
  • 最終章の展開
  • 世界観の歴史
  • 伏線の回収方法
  • 登場人物全員のプロフィール

これらは後で必要になりますが、最初の15分ではまだ重すぎます。まず「今日の主人公」を動かすメモに集中します。

書き始め前の確かめる観点

  • 主人公の現在地を一言で書けている
  • 今日の困りごとが、主人公にとって少しつらい
  • 最後の小さな行動が、最初の主人公なら選びにくい
  • タイトルや伏線を、今は保留にできている

四つ全部が埋まらなくても、上の三つが見えれば最初の1ページ目は始められます。

04

Change

3つ目は、最後の小さな行動を決める

コトハが主人公の変化を説明ではなく最後の小さな行動カードで決める創作アトリエの挿絵

物語は、出来事の一覧ではありません。読んだあとに「主人公が少し変わった」と感じられると、短い話でも印象に残ります。

ここで決めるのは、壮大な結末ではなく、最後の小さな行動です。説明ではなく行動にすると、読者に変化が伝わりやすくなります。

変化は、大きな成長でなくてもかまいません。

  • 誰にも頼らなかった人が、一度だけ助けを求める
  • 失敗を隠していた人が、正直に話す
  • 忘れたくないとしがみついていた人が、手放す準備をする

この変化が見えると、どんな場面を書けばよいかも少しずつ見えてきます。最後に助けを求めるなら、途中には「助けを断る場面」を置く。最後に正直に話すなら、途中には「ごまかしてしまう場面」を置く。変化の問いが、必要な場面を選んでくれます。

ソウマ

なるほど。最後に何が起きるかより、主人公がどうなるかを見るんだ。

コトハ

はい。出来事は、その変化を見せるために選んでいきます。

05

Practice

最初の3項目メモで、最初の3項目を置く

ソウマが白紙のノートに主人公の現在地、困りごと、最後の小さな行動の3項目メモを置く創作アトリエの挿絵

ここで作る最初の3項目メモは、読み終えた記念ではなく、「最初の3項目を置く」ための作業メモです。物語作りは何から始める?初心者が最初の15分で決める3つのことで迷いやすい点を広げすぎず、最後に3項目を仮で埋め、次に書く一文を決めるところまで持っていきます。

実践ワーク

物語の1ページ目を埋める

主人公の現在地・今日の困りごと・最後の小さな行動の3つを書きます。空欄があっても、次に書けそうな場面まで書いて終わりにしましょう。

現在地

プロフィールより、今の状態を書く。

困りごと

主人公の弱さに少し触れる出来事にする。

変化

結末ではなく、最後の小さな行動を決める。

生成される実践メモ

入力すると、この記事のワーク結果がノートに貼れる形でここにまとまります。
主人公の現在地: ____ 今日の困りごと: ____ 最後の小さな行動: ____ その困りごとがつらい理由: ____ 次に書けそうな場面: ____

全部埋めなくて大丈夫。1行だけでも保存できます。

マイノートで見る

この記事の保存案:0件

未保存。この内容はこの端末のブラウザに保存されます。

チェックリスト

  • 主人公の現在地を一言で書いた
  • 今日の困りごとを書いた
  • 最後の小さな行動を決めた
  • その困りごとが主人公にとってつらい理由を書いた
  • 次に書けそうな場面を1つメモした

今日できたもの

この記事で作ったもの
最初の3項目メモ
次に育てる場所
最初の15分で、主人公・困りごと・変化を置く欄
次の行動
3項目を仮で埋め、次に書く一文を決める

ソウマ

最初の3項目を置くところまでなら、今日のメモからでも始められそう。

コトハ

その手応えを残しましょう。最初の3項目メモは、「最初の3項目を置く」ための小さな栞になります。

ミラ

最初の3項目メモなら、次の相談や保存にもつなげやすい整理として使えます。

このメモができたら、次は形に合わせて進めます。主人公を深めたいなら 主人公の作り方、全体の流れに並べたいなら 物語の基本構造とは?、創作ノートを続けたいなら 創作ノートの始め方 へ進むと、次の作業が見つかります。

おつかれさまでした

最初の3項目メモを残せた!

今日の最初の3項目メモは、物語作りの入口を、迷い続ける時間から手を動かす時間へ変えられる入口です。迷ったら、3項目を仮で埋め、次に書く一文を決めるところだけ見直しましょう。

チェックすると、マイノートに読んだ記録が残ります。

アトリエの本棚

このテーマをもっと深めたいときに

外部の書店検索ページへのリンクです。

  • 小説講座 売れる作家の全技術大沢在昌

    書き出しから直しまで、講義形式で「書き続けるための技術」を扱う一冊。何から始めるか迷っている段階の地図になります。

  • プロだけが知っている小説の書き方森沢明夫

    Q&A形式で初心者のつまずきに答えていく構成。記事のワークで手が止まったときの二冊目に向いています。

書誌情報・価格・販売状況はリンク先で最新のものを確認してください。