ホーム › ソウマ
名前、年齢、好きな食べ物まで埋めたのに、本文に入ると主人公が動かないんだ。
ミラ
今回は一場面に絞って、主人公の状態・目的・前後差を並べてみましょう。
アキト
書いた三点と、本文のどの一文が対応するかを見よう。
Character Core
主人公・目的・変化は、今回書く範囲で三行に分ける
主人公・目的・変化の三点を考えるときは、まず物語全体を見るのか、一場面を見るのかを決めます。全編の願いと、今日書く場面の小さな目的を混ぜないためです。最初は一人を追う短い範囲で試せます。
- 主人公:その範囲の始まりに、どんな状態にいる誰か。
- 目的:何を手に入れたい、避けたい、実現したいのか。
- 変化・前後差:終わりに、行動・理解・状況などがどう違うか。変えない設計なら、残したいもの。
たとえば「家へ帰りたい」が目的なら、「一人で帰る」「友人と歩く」は方針や手段です。また、友人へ同行を頼んだだけでは、帰宅を達成したとは限りません。望み、取った行動、その結果を分けて書くと、表と本文を対応させやすくなります。
名前や年齢から人物を考え始めても構いません。このワークでは、その設定を使って今回どこまで書くかを三行へ絞ります。内面の成長は必須ではなく、静かな時間を同じまま残す場面にも使えます。
Worksheet
主人公・目的・変化の記入例|三行の表と四段落の本文
作例は、部活帰りの14歳・結衣が、運転見合わせの駅で友人へ連絡する場面です。近所に住む同級生の奈々は図書館にいて、駅から歩いて帰る道を知っています。今回は、連絡を送るまでを扱い、その後の返信や帰宅は書きません。
主人公・目的・変化を、三行の表へ
| 見る点 | 何を書くか | この作例の仮置き |
|---|---|---|
| 主人公 | 今回の範囲で、どんな状態にいる誰か。 | 14歳の結衣。部活帰りの駅で運転見合わせを知り、一人で帰ろうとしている。 |
| 目的 | 今回、何を実現したいか。方針や手段は別に書く。 | 家へ帰りたい。最初の方針は『友人を呼ばず、一人で帰る』。 |
| 前後差・変えない意図 | 今回の終わりで、行動・理解・状況などの何が違うか。変えない案も可。 | 具体的な依頼を送っていない状態から、奈々へ徒歩で合流を頼む文を送信した状態へ。 |
この表の前後差は、一度の具体的な行動です。「もう誰にでも頼れる人に成長した」とまでは決めていません。作者が考えた三行を、次の本文で確かめます。
短い本文:結衣が、未送信の文を打ち直すまで
雨音がホームの屋根を打っていた。電光掲示板には「運転見合わせ」と出ている。結衣はスマホを開いた。近所に住む同級生の奈々から、「図書館にいる。駅から歩いて帰る道なら分かるよ」と届いていた。
「大丈夫。一人で帰る」と打った。送信はせず、文字を見つめた。
結衣は地図を開いたが、歩いたことのない道をたどるところで指が止まった。
入力欄に戻り、「大丈夫。一人で帰る」を消した。「駅まで来て、一緒に歩いて帰ってくれる?」と打ち直し、送信した。
この四段落を「駅の連絡・比較用本文v1」とします。運転見合わせの理由や再開時刻、ほかの帰り方は、この本文では決めていません。「奈々に頼む以外に帰れない」と断定する例でもありません。
| 見る箇所 | 本文の根拠 | ここから分かること・分からないこと |
|---|---|---|
| 始まり:一人で帰ろうとする | 第二段落の『大丈夫。一人で帰る』という未送信の文。 | 独力で帰る方針が見える。奈々へ断りを送ったとは書いていない。 |
| 間:今の方法を見直す材料 | 第一段落の運転見合わせ表示と奈々の連絡、第三段落の地図を見る動作。 | 徒歩の道を知る相手がいる。ただし、頼む以外に帰る方法がないとは示していない。 |
| 終わり:依頼を送信する | 第四段落で『駅まで来て、一緒に歩いて帰ってくれる?』と打ち直し、送信する。 | 入力で止まらず依頼を送った。返信・合流・帰宅の達成までは未確認。 |
三点を本文へつなぐ3手順
- 今回の範囲を決めて、三点を一行ずつ書く。 未執筆なら構想だと残します。
- 始まりと終わりを示す文を選ぶ。 この例は、第二段落の未送信文と、第四段落の送信です。
- その間の材料を確かめ、次に扱う範囲を選ぶ。 奈々の連絡と地図を見る動作を読み返す、送信直前だけ別案を書く、といった小さい単位で試せます。
ソウマ
『帰りたい』が目的で、『一人で』は最初の方針か。本文の終わりでは頼めたけど、帰れたかはまだ分からないんだね。
アキト
そうだ。しかも今回は、入力しただけでなく送信したところまで書いた。その違いも拾え。
Check
三点をAIで点検するときは、目的の達成と行動を分ける
三点のつながりが見えにくいときは、人物の性格を増やす前に、どの範囲の何が未定なのかを確かめます。「優しい」「幸せになりたい」「成長する」という言葉から始めても構いません。そのまま本文へ移しにくい場合に、問いを小さくします。
- 「優しい人」から先に進めない。 今回は誰に、どんな動作や言葉を向ける場面なのか。
- 「幸せになりたい」が広すぎる。 この場面では、何を実現したら一区切りになるのか。
- 「最後は成長する」が曖昧。 どの一文を前と比べると、何が違うと分かるのか。変えない案なら、何を残したいのか。
AIに頼む場合も、三点だけでなく、版・範囲・対応する本文を渡します。構想の予定と、実際に書いた結果を分けて見てもらいましょう。
もったいない相談例
この主人公を、魅力的なキャラクターとして完成させてください。
よい相談例
作品名・版・今回見る範囲と、本文の有無:_____
主人公の開始時点:_____
今回の目的と、方針・手段:_____
終わりの前後差、または変えない意図:_____
対応する本文と、その位置(未執筆なら構想):_____
残したいこと・まだ決めていないこと:_____
三点のつながりを確かめる質問を一つ挙げ、根拠にした語句と本文の位置を示してください。
目的、手段、目的の達成、前後の行動の違いを分けてください。
構想を実際に書いた結果と扱わず、返信・成功・永続的な成長を補わないでください。
変化や障害がないことだけで欠点とせず、残したい意図との対応を見てください。
判断できなければ材料不足とし、新しい背景や恐怖、読者の反応は作らないでください。結衣の例で「友人と家へ帰れた」と返ってきたら、第四段落を読み返します。そこにあるのは依頼の送信までです。目的達成の確認には、別の本文が必要だと分かります。
Practice
主人公・目的・変化表のワーク|本文の根拠と未定の点を保存する
表には、作品名・版・今回の範囲を添えて、主人公の開始時点、目的、前後差または変えない意図を書きます。本文があれば始まりと終わりの一文を残し、まだなければ構想だと記しておきましょう。
結衣の例なら、始まりの根拠は第二段落の未送信の文、終わりの根拠は第四段落の依頼の送信です。次は「打ち直す直前の動作を別案で試す」と小さく決められます。返信や合流を、欄を埋めるために足す必要はありません。
実践ワーク
主人公・目的・変化表を、今回の範囲で作る
構想と本文を分け、開始・目的・前後差を根拠の一文とともに残します。障害なし、変化なし、終わりが未定の欄もそのまま保存できます。
大きく変わらない場面、終わりが未定の場面にも使う
たとえば「窓辺で雨音を聞きたい人が、同じ椅子で静かに時間を過ごす」なら、大きな障害や成長を足さずに残せます。前後差の欄には「静かな間を保つ」と書けます。変化を置かない代わりに、必ず周囲の人物を変える必要もありません。
物語全体がまだ見えなければ、今回の小さい範囲だけ仮置きし、終わりの本文欄は空欄で保存できます。三点は、設定をすべて決めるための表ではありません。
- 目的と手段を詳しく分けたい。 キャラクターの目的の決め方へ。
- 内面の変化を途中の経験と結びたい。 キャラクターアークの作り方へ。変えない設計も比較できます。
- 複数の人物をどう分けるか迷う。 脇役の役割を整理する方法へ。群像劇なら人物ごとに三点を置き、交差する範囲を比べます。
- 今回の行動を一場面にしたい。 シーンの作り方で、場面の目的や動作を具体化します。
今日できたもの
- この記事で作ったもの
- 今回の範囲と根拠を添えた、主人公・目的・変化表
- 次に育てる場所
- 三点と、実際に書いた始まり・終わりの一文との対応
- 次の行動
- 一文を読み返すか、最小範囲を別案で試す。未定の終わりは保留する
ソウマ
今回分かったのは、結衣が具体的な依頼を送ったことまで。帰宅や、その後の性格まで決めつけなくていいんだ。
コトハ
はい。今日は、打ち直す直前の一文を読み返すところから始められます。
ミラ
変えない場面なら、残したい意図も同じ表に書けます。
おつかれさまでした
三点の表から、次に確かめる一文へ
今回の範囲で主人公・目的・前後差を分け、構想と本文を対応させます。次は始まりと終わりの一文を読み返すか、小さな別案を試しましょう。変えない・未定の欄も残せます。
チェックすると、マイノートに読んだ記録が残ります。
学びの地図
物語を作る
記事をさがす
物語をよむ
マイノート