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主人公の目的を『幸せになりたい』にしたら、何も動かなくなった。
ミラ
目的は一つでなくても大丈夫です。まず、この場面で欲しいものから見てみませんか。
アキト
長い方向や、本人が明言していない願いは仮説でいい。書いた行動から分かる範囲を見ろ。
Character Core
キャラクターの目的は「実現したいこと」、手段はそのための行動
キャラクターの目的は、「何をしたいか」です。「財布を見つけたい」が目的なら、「駅へ戻って探す」「友人に探してもらう」は、そのための手段です。「なぜ見つけたいか」という理由を、動機と呼びます。
| 見ること | 日常の言葉で聞くと | 財布を探す例 |
|---|---|---|
| 目的 | 何をしたい? | 財布を見つけたい。 |
| 手段 | どうやって実行する? | 駅へ戻る。友人に探してもらう。 |
| 動機 | なぜそうしたい? | 大切な写真が入っているから、という作者の案。 |
写真の理由は、作者が足せる案です。同じ財布探しでも、何が入っているかによって、本人が見つけたい理由は変わります。
「幸せになりたい」のような広い望みも、出発点にできます。そこから「今日、友人と仲直りしたい」「帰る前に、一緒に食事をしたい」など、いまの場面で実現したいことを一つ仮に置いてみましょう。大きな目的が最初から見えている必要はありません。
すでに本文があるなら、人物がどこへ向かい、誰に何を頼み、何を断ったかから候補を考えられます。まだ書いていない場合は、作者が目的の案を先に作って構いません。本文で確認できることと、これから採用する案は分けておきます。
長編でも、一つの目的を追い続ける構成は使えます。次の三つの欄は、必要に応じて人物を整理するための方法です。人物を深くするための必須条件ではありません。
Inner Drive
キャラクターの目的を考える3つの欄と、財布を探す作例
次の三つは、この記事で使う整理欄です。まず目の前の目的から書き、ほかの欄は必要なときだけ足します。
- 目の前の目的:この場面や近い期間で、何をしたいか。
- 長い方向:話全体で目指すことや、守りたい考え方。
- 本人が明言していない願いの仮説:人物がまだ言葉にしていない願いを、作者が案として考えたもの。「仮説」は、まだ確かめていない考えです。本文から分かるまでは、本音と決めつけません。
作例:財布を見つけたいが、一人では二か所を回れない
以下は説明用の架空設定です。作者は、主人公に「誰にも頼らず高校を卒業したい」という長い方向を仮に置きました。今回の場面には、次の条件があります。
- 今日中に、なくした財布を見つけたい。
- 財布を置いた可能性があるのは、駅の待合室か学校の図書室。
- どちらも10分後には利用できなくなる。一人で両方を確かめる時間はない。
- そばにいる友人は、図書室を見てくると申し出ている。
ここから短い本文を書いてみます。
「図書室は俺が見てこようか」と友人が言った。「大丈夫、一人で探す」と答え、主人公は駅へ向かって歩きだした。だが、数歩先で振り返り、友人の名前を呼んだ。
この本文で分かるのは、申し出を一度断って駅へ向かい、途中で友人を呼んだことです。「弱さを見せたい」と願っているかまでは分かりません。助けを頼むつもりかもしれませんし、断り方が気になって謝りたいだけかもしれません。
ぶつかるのは、目的同士とは限らない
「財布を見つける」と「自力で進める」は、普段なら両方を目指せます。しかし今回は、どちらの場所も10分後には使えません。両方を今日確かめるには、友人の助けを借りる必要があります。「友人に頼む」という手段が、「誰にも頼らない」という方針とぶつかるわけです。二人で探しても、財布が必ず見つかるとは限りません。
作者は、友人に頼む続きを書いても、一人で駅だけを探す続きを書いても構いません。明日に回すなら、今日中に見つける目的を変更することになります。どの選択をさせたいかによって、続きの場面を考えます。
「一度だけ誰かに弱さを見せたい」という願いも、作者の案として置けます。ただし、それを隠された正解にする必要はありません。本人が自覚しているか、誰かに話しているかも別の設定です。仮説を保留したまま、友人を呼んだ後の言葉を先に書いても進められます。
ソウマ
財布を探す目的だけなら、一人でもいい。今回は両方の場所を回れないから、頼るかどうかで迷うんだな。
アキト
そうだ。この条件なら、どの手段を選ぶか迷う理由が見える。隠れた願いまで、同じ場面で証明しなくていい。
AI Partner
AIには、目的の仮説と本文の行動を確かめる質問を頼む
AIや仲間に相談するときは、本文の抜粋と、作者が仮に置いた目的を分けて渡します。 上の作例なら、主人公が友人を呼んだ後に何を言うかを考えるための質問が役立ちます。
「今の本文から何が分かるか」と「新しい目的の案がほしい」は、分けて相談します。新案が欲しいなら「ここからは創作案として」と伝えます。AIが考えた本音を、もともと本文に書いてあった設定と混ぜないためです。
もったいない相談例
この人物が本当に望んでいることと、本人がそれを隠す理由を決めてください。
よい相談例
作品名・版:__________
確認する場面・条件:__________
本文の抜粋(未執筆なら行動の案と明記):__________
目の前の目的(作者の案):__________
長い方向(任意):__________
本人が明言していない願いの仮説(任意):__________
本文に書かれていることと、解釈できることを分けてください。
目的の仮説を確かめるために、次の場面で考えたい質問を最大一つ返してください。
不足する条件や判断できない点は、そのまま示してください。
本文にない本音や過去を既存の設定として補わないでください。別の読み方があれば短く添えてください。
返答に「本当は友人に弱さを見せたい」とあったら、どの文からそう読んだのか確かめます。本文に根拠がなければ、採用せずに保留できます。問いが今の場面に合わなければ使わなくても構いません。
Practice
目的設定ワークに、本文の根拠と次の一場面を残す
目的設定ワークでは、「何をしたいか」と「どう行動するか」を別々に書きます。話全体の目標や、まだ言葉にしていない願いは、必要なときだけ考えます。本文がまだないものには「作者の案」と添えておくと、あとで読み分けられます。
作例なら、「本文で分かること」の欄に「申し出を一度断り、数歩先で友人を呼んだ」と書けます。その行動だけで「弱さを見せたい」とは決めず、次に頼み事をするのか、謝るのかを考えます。迷う場合は、まだ決めない理由と、次に確かめたいことだけ残しても十分です。
実践ワーク
目的設定ワークを1枚にまとめる
何をしたいかと、そのための行動を分けます。本文で分かること、まだ分からないこと、次に書く一場面を残せます。話全体の目標や願いの欄は、空欄でも構いません。
三つの欄は、すべて埋めなくてもよい
このワークで作るのは、人物が次に何をするかを考える材料です。目的を増やしたり、本人が明言していない願いを必ず明かしたりする必要はありません。
- 今日の一場面だけ書きたい:目の前の目的と、そのための行動に絞ります。障害や隠れた願いも、場面に必要なときだけ考えます。
- 三つの欄が同じ意味になる:一つにまとめても構いません。違いを出すために、目的を捨てる場面を作る必要はありません。
- 願いが作者の押しつけに見える:主人公・目的・変化を決める基本ワーク で、人物の行動から分かることを確認します。
- 葛藤を作りたい:葛藤から物語を作る方法 で、同時には守れない条件を考えます。すべての場面に対立が必要なわけではありません。
- 複数人物の目的が混ざる:キャラクター関係図の作り方 で、人物ごとの望みを分けます。
今日できたもの
- この記事で作ったもの
- 目的設定ワーク
- 次に育てる場所
- 人物がいま何を実現したくて、どの手段を選ぶか考える場面
- 次の行動
- 次の一場面を書くか、まだ足りない条件を一つ確かめる
ソウマ
財布を見つけるのが目的で、友人に頼むのは手段なんだな。時間の条件があるから、自力で進めたい方針とぶつかるのか。
コトハ
条件が違えば、一人で探しても間に合いますね。目的がいくつあっても、必ず対立するわけではありません。
ミラ
願いの仮説も必要なときだけで大丈夫です。今回は保留にして、友人を呼んだ後の言葉を書いてみましょう。
おつかれさまでした
目的設定ワークを残せた!
目の前の目的と手段を分け、必要な範囲で長い方向や願いの仮説を考えました。本文で分かることを残し、次の一場面か確認事項へ進めます。
チェックすると、マイノートに読んだ記録が残ります。
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