プロット・構成を作る

四つの役割を、短い本文で比べる

起承転結とは?初心者向けの作り方

起と承で材料を示して広げ、転で見る角度や文脈を変え、結で全体を結ぶ。四等分や大事件を一律の条件にしない。

この記事の結論

起承転結は、起こす・受けて広げる・見る角度を変える・全体を結ぶ、という四つの役割で考えます。青い水筒の短い話を使い、転の前後で何が違って見えるかを本文で確かめましょう。

コトハ ソウマ ミラ アキト
難易度
初心者
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この記事でわかること

  • 起承転結の意味と、四つの役割を説明できる
  • 四段の本文を並べ、転の前後を比べられる
  • 見え方が変わる根拠と、次に直す所をカードに残せる
#起承転結#構成#短編

ソウマ

起承転結って、起・承・転・結に何を書けばいいのか毎回迷う。特に転がわからない。

コトハ

今日は四つを、前に出した材料の見え方がどう変わるかで見ます。

アキト

転は最大の事件とは限らない。視点や文脈が変わり、同じ材料を別の意味で読めれば働く。

01

Structure

起承転結とは?四つの役割と、三幕構成・序破急との違い

起は見る材料を示す、承は広げる、転は角度や文脈を変える、結は全体を結ぶという役割で考える。本稿では同じ物の見え方を比べる。

起承転結は、文章や話の流れを起・承・転・結の四つの役割で組み立てる考え方です。漢字ペディアの「起承転結」では、もとは漢詩の絶句の構成法で、転では視点や趣を変えるものと説明されています。

物語を書く練習として、このページでは四つを次のように使います。

  1. 起:見る材料を置く。人物、場所、物、習慣など、これから追う対象を示す。
  2. 承:その材料を広げる。繰り返し、詳しい様子、別の出来事との関わりを加える。
  3. 転:見る角度や文脈を変える。前の材料に別の意味が見えるような情報や視点を置く。
  4. 結:全体を結ぶ。転を受けて材料を見直し、結果、判断、余韻などで閉じる。

ここでは「同じ物の見え方が変わる」作例を使います。転の作り方をこれだけに限定するものではなく、大事件やどんでん返しを必ず入れるという決まりでもありません。四段を同じ文字数にする必要もありません。

三幕構成・序破急とは、何を比べるか

下の表は、物語を点検するときにこのサイトで使う観点です。三つの型を、同じ出来事に一対一で割り当てる必要はありません。

型このページで見ることメモへの問い
起承転結四つの役割と、転の前後の見え方前半の何が、転の後で違って見えるか
三幕構成始まり・中間・終わりをつなぐ転換境目で行動の方向がどう変わるか
序破急展開の速さやリズムゆるやかに始め、どこで速度を変えるか

三幕構成の行では、Syd Field公式のパラダイム解説にある、行動の方向を変えて幕をつなぐ転換点の考え方を参照しています。詳しく組む場合は三幕構成の記事へ進めます。

序破急は、日本芸術文化振興会の解説では雅楽の構成単位に由来し、序から破、急へとリズムが速くなるものです。小説の章を三等分する規則として扱う必要はありません。

02

Causality

青い水筒を起承転結の本文にして、転と結を比べる

起と承ではベンチの水筒を忘れ物かもしれないと見る。転で持ち主の説明と窓から振り返す手を見て、祖父への合図だと分かる。結では同じ物への理解が変わる。

架空の短い話を、四段の本文で比べます。登場するのは、公園を歩く語り手、水筒を置く少女、向かいの家の祖父です。

起:青い水筒を見つける

朝の公園で、ベンチの端に青い水筒を見つけた。昨日も同じ場所にあった。「誰かの忘れ物だろうか」と思いながら、私は池の方へ歩いた。

承:同じ置き方を、もう一度見る

翌朝も、水筒はベンチの同じ端にあった。池を一周して戻ると、もうない。向かいの家では、二階の窓が開いていた。

転:持ち主の説明と、窓からの返事を知る

三日目、少女がベンチに水筒を置き、向かいの窓へ手を振った。窓からも手が振り返される。「忘れ物じゃなかったんですね」と声をかけると、少女は笑った。「祖父への合図なんです。あの窓から水筒が見えると、今日も散歩に来たって分かるので」

結:同じ水筒を、違う意味で見る

次の朝も、同じベンチに青い水筒があった。私は立ち止まらずに、向かいの窓を見上げた。今朝はもう、忘れ物だとは思わなかった。

変わったのは水筒そのものではなく、語り手の見方です。最初の「忘れ物だろうか」は仮の読みで、忘れ物だと確定した事実ではありません。転では、少女の説明と手を振り返す様子によって、祖父への合図だと分かります。

段本文で分かること次の段へのつながり
起同じベンチに青い水筒がある忘れ物かもしれないという見方が生まれる
承翌朝も同じ場所にあり、一周すると消えている置き方の繰り返しと向かいの窓を見せる
転少女が祖父への合図だと説明し、窓から手が返る同じ場所に置く理由が分かる
結同じ水筒を見ても、もう忘れ物とは思わない前半の物を、得た情報と一緒に読み直す

この結びでは、語り手が家族のやりとりに加わったり、手紙を置いたりする必要はありません。理解が変わったところで閉じています。手紙を置く別案にしたいなら、誰に何を伝えたいのか、その人がどう読むのかも考えます。

『浦島太郎』に当てはめる場合も、分け方は一案

楠山正雄『浦島太郎』(青空文庫)を使うなら、例えば次のように置けます。版によって細部が違うため、ここではこの本文を対象にします。

  • 起:亀を助け、竜宮城へ招かれる。
  • 承:竜宮城で過ごし、故郷へ帰りたいと思う。
  • 転:帰郷すると、自分が三百年も前の人だと知らされる。
  • 結:玉手箱を開けて年老い、海を前に昔を思い出す。

この分け方では、竜宮城で過ごした時間と「帰る場所」が、転の後で違って見えます。作品を四つに分ける唯一の正解ではありません。玉手箱を開ける所を転の中心として考える案もあるので、どの変化を見たいかを先に決めます。

ソウマ

水筒は同じままなのに、忘れ物じゃなくなる。何が変わったのかを、本文で確かめればいいんだな。

コトハ

はい。最後に大きく動かなくても、最初の一文との違いを残せます。

03

AI Partner

AIには、起承転結の四段と見え方の根拠を照合してもらう

AIには四段と確認したいことを渡し、根拠の文を照合する。本文にない祖父の事情や手紙を置く行動を勝手に補っていないか確認する。

AIや仲間に見てもらうときは、四段のメモだけでなく、今回何を比べたいかも添えます。水筒の例なら「物は同じまま、語り手の理解が変わるところを見たい」と伝えられます。

AIが「祖父は外出できない」「少女を励ますための手紙を置く」と説明しても、今回の本文にはありません。もっともらしい補足と、実際に書いた根拠を分けて読みます。

もったいない相談例

この四段をそのまま完成稿にし、転と結も決めてください。

よい相談例

起のメモ・本文:__________ 承のメモ・本文:__________ 転のメモ・本文:__________ 結のメモ・本文:__________ 今回見たいこと・保留していること:__________ 提示した範囲で、起と承に出した材料が、転の後でどう見えるか整理してください。根拠になる台詞や動作を示し、結がどの材料を受けているかも比べてください。 本文にない事情や行動を足さないでください。未提示は未確認とし、転が弱いと決めつけず、別の読みや現状を残す案も挙げてください。変更案が必要なら、元の本文と区別し、採用は決めないでください。

転を外した文とも比べられます。ただし、外しても読めるから不要と即断はしません。余韻、調子、人物の見え方など、今回残したい働きがあるかを確かめます。起承転結を使わない判断も残せます。

04

Practice

起承転結カードに、前後の本文と次の判断を残す

カードに四段、見え方が変わる根拠、結が受ける材料を残す。材料は一つでもよく、現状維持・保留・起承転結を使わない判断も保存する。

四段のカードに本文やメモを入れたら、「転の後で何が違って見えるか」と、その根拠の文を一緒に残します。前半から選ぶ材料は、一つでも十分です。数をそろえるために物や出来事を増やす必要はありません。

実践ワーク

四段の本文と、見え方の根拠を保存する

起・承・転・結に今あるメモを書き、変わる見方、結で受ける材料、使う型と次の判断を残します。未定や現状維持も記録できます。

起・承

後半で拾い直す材料を置く。

転

視点や文脈など、変わる見方と本文の根拠を比べる。

結

前半の材料を受けて結ぶ。大きな行動変化は必須にしない。

生成される実践メモ

入力すると、この記事のワーク結果がノートに貼れる形でここにまとまります。
起(最初に示す材料): ____ 承(材料の展開): ____ 転(見方が変わる文脈): ____ 結(拾い直しと着地): ____ 前後で見え方が変わる材料と本文根拠: ____ 変わるもの(視点・文脈・関係・解釈): ____ 結で拾い直す前半の材料: ____ 起承転結を使う・使わない判断と理由: ____ 次に直す一枚・終了判断: ____

全部埋めなくて大丈夫。1行だけでも保存できます。

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「転」だけが浮くなら、前後の本文へ戻る

水筒の例では、転に「祖父への合図」という説明があります。説明を消すと、手を振る相手は見えても、水筒を同じ場所へ置く意味までは確かめにくくなります。必要なら少女の一言を残し、結の「忘れ物だとは思わなかった」とつなげます。

別の転を試したいなら、元の四段を残して比較します。合図ではなく単なる忘れ物の話を続けたい場合は、転を無理に足さず、使わない理由を記録しても構いません。空いた欄は「まだ決めていない」と分かる形にしておきます。

出来事の原因と結果を見るならプロットの因果関係、幕をつなぐ転換を見るなら三幕構成、短い話の範囲を絞るなら短編プロットも使えます。

今日できたもの

この記事で作ったもの
四段のメモと、見え方の根拠を残した起承転結カード
次に育てる場所
転で分かることと、結が受ける材料を比べる欄
次の行動
一つの材料を選び、前後の本文を読む。残す・直す・保留を決める

ソウマ

水筒の意味を変えるのに、少女の説明が必要なんだな。窓へ手を振る所と一緒に残しておく。

アキト

物を増やす前に、その一つで前後がつながるか読む。今のまま残す判断でもいい。

コトハ

型を使うかどうかも含めて保存すれば、次に開いたときに続きを考えられますね。

おつかれさまでした

四段の本文と、次の判断を残そう

起承転結カードに、見え方が変わる根拠と結びを記録します。現状維持や保留も残し、次に読む一段を決めましょう。

チェックすると、マイノートに読んだ記録が残ります。

要約画像

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