ホーム › このページでは、手元にある一つの出来事列をAIと点検する手順を扱います。まだ出来事が浮かばない場合は、プロットの作り方から始められます。すでにある複数のプロット案から一つを選びたい場合は、AIでプロット案を比較する方法を使ってください。
ソウマ
AIにプロットを作ってもらうと、整ってるけど自分の話じゃない感じがする。
ミラ
では、AIには新しい物語を作らせず、あなたの出来事列の弱い場所だけ見てもらいましょう。
アキト
材料を渡せ。主導権は渡すな。
Structure
AIでプロットを整理する前に、出来事列と問いを用意する
AIに新しい展開を頼む前に、今ある出来事のつながりを点検してみましょう。主な材料は、出来事の列と、詰まっている問いです。すでに決めた設定や、あえて残したい偶然など、判断に必要な前提があれば別に添えます。
ここでは、AIを整理係として使うためのプロンプトの型と、答えの扱い方を見ます。AIに考えさせる範囲を明確にするのがポイントです。
小さな例:AIに渡す前の材料
練習用の架空の出来事列です。
- 主人公が父の古い手紙を見つける
- 叔母が手紙を隠そうとする
- 主人公が怒って家を飛び出す
- 雨宿りした駅で、父の友人に会う
- 手紙の本当の宛先が自分ではないと知る
- 詰まっている問い:4で父の友人に会う偶然を残すか、理由を足すか迷う
- AIに頼むこと:この出会いの事情を考えるために、元の出来事列で足りない情報を一箇所だけ指摘してもらう
3には家を出るきっかけとして「怒って」、4には駅にいる事情として「雨宿りした」と書かれています。一方、父の友人がそこにいる事情は書かれていません。まず、この違いを確かめます。
偶然の出会い自体が悪いわけではありません。物語のきっかけとして残したいのか、主人公が会いに行く流れに変えたいのかで、作者の判断は変わります。
Causality
AIでプロットを整理する4手順と、指摘を確かめる例
次の手順でAIを使います。
- 出来事を番号つきで並べる:全体を見るなら5〜10個を目安にします。短い場面なら、少ない数でも構いません。
- 詰まっている問いを一つ書く:どの出来事の、何が気になるかを指定します。
- 出来事列と問い、必要な前提を渡す:AIには指摘箇所と元の記述、理由を求めます。この点検では、新しい展開を足させません。
- 元の記述で指摘を確かめ、採否を決める:採用・修正して採用・保留・見送りと理由を残します。
「理由がない」という指摘を、そのまま受け入れない
先ほどの例で、仮にAIが「3で家を出る理由がない」と指摘したらどうでしょう。元の3には「怒って家を飛び出す」とあります。怒る事情をもっと描く余地はあっても、きっかけがまったくないという指摘は、そのままでは採用できません。
今回確かめたいのは、4で父の友人と出会う事情です。「父の友人に会う」とは書かれていますが、友人がそこにいる理由は未設定です。ワークには、たとえば次のように判断を残せます。
- 指摘を修正して採用:3の怒りは残し、4の出会いをどう扱うかに問いを絞る
- 偶然を残す:この出会いを物語のきっかけにしたいので、予定された面会には変えない
- 保留する:偶然を残すかまだ決められないため、4の場面で読者に何を感じてほしいかを先に考える
作者が「父の友人は毎日この駅を使う」などの事情を足すなら、それは新しく決める設定です。元の出来事列にあった事実とは分けて記録してください。AIへの「追加不要」は点検の範囲を決める指示で、作者が後で新しい設定を考えることを禁じるものではありません。
もったいない例を短く直す
- AIへの頼み方:面白いプロットを作ってください。問題:自分の材料が消えやすい。直すなら:私の出来事列の弱い箇所を1つ指摘してください
- AIへの頼み方:中盤をいい感じにしてください。問題:何を直すか曖昧。直すなら:4の出会いを考えるため、元案で未設定の事情を指摘してください
- AIへの頼み方:展開を追加してください。問題:出来事が増え、整理から離れる。直すなら:既存の出来事列の中だけで手直し箇所を探してください
指摘を見送ることも、確かめたうえでそのまま採用することもできます。無理に欠点を作らず、判断の理由を残しましょう。
ソウマ
AIに足してもらうより、どこが弱いか見てもらうほうが使いやすいな。
ミラ
今回は、足りない事情を探す相談ですからね。指摘が元の記述に合うかは、作者が確かめます。
AI Partner
AIのプロット整理プロンプトで、根拠と未設定を確認する
AIに広い範囲を渡すと、既存の出来事と新しい提案の境目が見えにくくなります。相談範囲を狭めれば、自分が決めた軸と返答を比較できます。AIへの指示には、考えてよい範囲と追加してはいけないものを併記します。
次の型を使う場合は、出来事の数と、今回の問いに合わせて行を増減してください。必要な前提がなければ、その欄は「なし」で構いません。
もったいない相談例
この出来事メモから、最初から最後まで完成したプロットを作ってください。
よい相談例
私のプロットの出来事列:
-
-
-
-
-
いま詰まっている問い:__________
必要な前提・変えたくない条件:__________
この問いに答える材料として、私の出来事列の中で『手を入れるとよさそうな箇所』を1つだけ指摘してください。
指摘する出来事の番号と、根拠になった元の言葉を添えてください。理由は2行以内でお願いします。
新しい出来事や設定は追加しないでください。判断できない場合は「材料不足」とし、確認したいことを一つ示してください。
問題が見つからない場合は、無理に指摘を作らないでください。
渡す前に、二つだけ確認する
入力する材料と、作品の使い道も確認しておきます。一度の確認で終わりにせず、使うサービス・設定・応募先が変わったときや、公開前にも見直してください。
- 未発表の原稿やアイデアを入力してよいか:入力データの保存・利用条件は、サービスやアカウント設定で異なります。原稿を渡す前に、現在の設定と利用規約を確認します。
- その作品の応募・公開先はどこか:応募先が生成AIの利用範囲や申告方法を定めている場合があります。整理にAIを使う前に、現在の応募要項の該当箇所を確認します。
Practice
AIプロット比較表に、出来事・指摘・作者の判断を残す
ワークの「出来事列」には、相談に必要な出来事を番号つきで入れます。全体の5〜10個を置いても、気になる境目の前後だけを抜き出しても構いません。抜粋する場合は元の番号を残し、省いた箇所に必要な前提があれば添えてください。
ここで比べるのは、元の出来事とAIの指摘です。「判断」欄には採否と理由を入れ、次に確かめる点も残します。保留や見送りの場合は、無理に出来事を書き換えなくて構いません。
実践ワーク
AIプロット比較表を1枚にまとめる
出来事列と問い、指摘とその根拠、作者の判断をまとめます。判断欄には、採否の理由と次に確かめる点も残します。
この型で任せられるのは、指摘と比較まで
この記事の使い方でAIに任せられるのは、弱点の指摘と候補の比較までです。どの指摘を採用するかの判断と、実際に直す作業は作者に残ります。うまく回らないときは、詰まっている場所ごとに進む先が分かれます。
- 出来事が少なくても、気になるつながりがある:その前後から点検する。出来事自体が浮かばない場合は、プロットが作れないときの対処法で詰まりを切り分ける
- 指摘は返ってくるが、どれもありきたりに感じる:問いをさらに狭めたうえで、AIの出力を自分らしく直す方法 で自分の言葉に戻す
- そもそもAIに物語を見せること自体に迷いがある:無理に使う必要はありません。AIに丸投げしない創作の考え方 で、任せる範囲を自分で決め直す
- 整理が終わった:採用した指摘を反映した出来事列を、プロット表の作り方 で一枚に清書する
今日できたもの
- この記事で作ったもの
- 出来事列・詰まっている問い・採用判断をまとめたAIプロット比較表
- 次に育てる場所
- 採用した指摘を反映した出来事列を、プロット表として清書する作業
- 次の行動
- 採用した指摘を一つ反映する。保留・見送りなら、次に確かめる点を一つ残す
ソウマ
家を出る理由はもう書いてあった。俺が気にしていたのは、駅で父の友人に会うところだったんだな。
ミラ
どこが未設定なのか、分けられましたね。偶然を残すかどうかも、ここから考えられます。
アキト
AIの指摘より先に、元の出来事を確かめろ。残す理由が言えるなら、無理に直さなくていい。
おつかれさまでした
AIプロット比較表を残せた!
出来事列と問いを分け、指摘を元の記述で確かめました。採用した点は出来事列に反映し、保留や見送りなら次に確かめる条件を残します。整理した流れはプロット表にまとめられます。
チェックすると、マイノートに読んだ記録が残ります。
学びの地図
物語を作る
記事をさがす
物語をよむ
マイノート