ホーム › ソウマ
第一章が三万字になったんだけど、第二章の入口は見えてるのに、第一章の出口が見つからない。
アキト
文字数を見る前に、第一章で読者が何を追っているか書け。
コトハ
その問いが答えに近づいたり、別の問いに変わったりした場所なら、章の扉を置けそうです。
ミラ
まずは場面を一行ずつ並べて、どこで物語の向きが変わったか探してみましょう。
Chapter Unit
小説の章は、関連する場面と読む呼吸をまとめる
小説の章は、一つまたは複数の場面を、読者にどのまとまりで見せるかを決める単位です。主人公の目的や読者の問いが変わる場所は、境界の候補になります。ほかにも、静かな時間を味わってから休む、同じ光景を反復する、といった区切り方があります。
| 役割 | 確かめること | 作者が選べること |
|---|---|---|
| 関連する場面をまとめる | 今、誰や何を追うまとまりか | 一場面で一章にするか、複数を束ねるか |
| 読む呼吸を作る | ここで休むと何が残るか | 緊張を続けるか、余韻を置くか |
| 焦点を切り替える | 次に誰の、何を読めばよいか | 時間・場所・視点などの切替を章で示すか |
架空の「古い封筒」で、境界を考える
以下は、本記事の練習用に作った場面です。初めに条件をそろえます。
- 主人公は成人の娘。母に頼まれ、自宅の古い箱を整理している。
- 箱から、表に宛名のない、封をしたままの封筒が出てくる。
- 裏の隅には「高瀬美里」とある。娘は、それが母の結婚前の名前と同じだと知っている。
- 名前だけでは受取人や差出人は分からず、母が手紙を拒んだ事実もない。
- 娘が夕方に見つけ、翌朝、母へ尋ねるところまでを試す。返事と手紙の中身は、まだ本文にしていない。
最初は「誰の手紙だろう」と調べていた娘が、名前を見つけて「母に確かめよう」と決めます。このあたりが一つの境界候補です。ただし、母の返事まで続けて一章にする案もあります。発見があったという理由だけで切らず、どこまで一息で読ませたいかを比べます。
Terms
小説の章・話・シーン・節・部は何が違う?
「章」「話」「節」「部」には、全作品共通の絶対規則があるわけではありません。特にWeb小説では投稿サイトの機能によって意味が変わります。自分の作品の中で階層と表記を統一することが大切です。
| 単位 | 主な役割 | 区切る目安 | 表示例 |
|---|---|---|---|
| シーン・場面 | 連続した出来事の単位 | 行動の目的、時間、場所、登場人物の組み合わせが変わる | 空行、記号、地の文で転換 |
| 節・小区切り | 一章の中の関連シーンを整理する | 同じ章の目的を追いながら時間や場所を少し移す | *、◇、空行、小見出し |
| 話・エピソード | Webで公開・更新する単位 | 読書時間、更新予定、一回分の満足感で決める | 第1話、第2話 |
| 章 | 関連するシーンを束ねる物語上の単位 | 主な目的や読者の問いが一区切りし、次の段階へ移る | 第一章、Chapter 1、章題 |
| 部・編・幕 | 複数章を束ねる大きな段階 | 時代、土地、主人公の立場、物語の局面が大きく変わる | 第一部、王都編、第二幕 |
章とシーンの違い
シーンは、ある時間・場所や焦点のもとで描く場面の単位です。人物の行動だけでなく、静かな知覚や会話を追う場面もあります。章は、一つまたは複数の関連シーンを、読者にどのまとまりで見せるかを決める読書の単位です。一章が一シーンの作品も、一章に複数シーンを入れる作品もあります。
章とWeb小説の「一話」の違い
Web小説の一話は公開と読書の単位で、作品内の章と同じである必要はありません。
第二章 翌朝の台所
第1話 封筒を見せる
第2話 母の返事
第3話 次にすることここでの章題・話題は表示の組み方を示す仮例です。母の返事や、その後の出来事を完成させたという意味ではありません。
カクヨムの公式ヘルプでは複数のエピソードを章にまとめられ、小説家になろうの公式ヘルプでも連載作品に章を設定できます(2026年9月27日確認)。公開単位や操作は、利用するサイトの案内に合わせます。
迷ったときの区切り方
- 部屋から廊下へ移っただけなら、段落や場面転換
- 同じ目的のまま数時間後へ移るなら、節や場面転換
- 主人公の目的や読者の主な問いが変わるなら、章分けの候補
- 時代、土地、立場、物語の大段階が変わるなら、部や編の候補
- Webで長くなりすぎる場合は、章を保ったまま複数話に分割
場面転換の書き方は、場面転換の書き方で詳しく整理できます。
Five Boundaries
小説の章分けで使える5つの基準
章の境界候補を探すときは、目的・場所・時間・視点・情報の五つを見ます。本記事で使う点検の切り口であり、五つすべての変化を要求する規則ではありません。
| 境目 | 比べること | 章を分ける候補 | 場面転換で足りる場合 |
|---|---|---|---|
| 目的 | 人物が次にしようとすること | 持ち主を探す段階から、母へ確認する段階へ | 同じ相手を探す途中で部屋だけ移る |
| 場所 | 拠点や行動条件 | 故郷を離れ、新しい土地で暮らし始める | 同じ家の居間から台所へ移る |
| 時間 | 前後の隔たりと暮らしの変化 | 数年後へ移り、生活の条件が変わる | 同じ用事のまま夕方から翌朝へ進む |
| 視点 | 誰の知覚や知識に沿うか | 娘の視点から、母を追う別のまとまりへ | 焦点を変える位置を小区切りで明示できる |
| 情報 | 読者が確かに知ったこと | 母が、自分宛ての手紙だと答える場面まで書いた場合 | 名前を一つ見つけても、意味はまだ未確認 |
場所や時間が変わっても、同じ用事を続けるなら場面転換でつながる場合があります。逆に、大きな変化がなくても、反復の余韻を残して章を閉じる選択はできます。
相手の表情や手の動きを書くこと自体は、視点変更ではありません。 娘の目から母の顔を見る場面と、母の内面へ語りの焦点を移す場面は別です。視点の範囲は一人称と三人称の違いで整理できます。
変わった項目の数より、前後の読み方を比べる
- 境目の前後で、人物がしようとしていることを確認する。
- 読者に分かったことと、まだ分からないことを分ける。
- 時間・場所・視点の切替を、どの目印で伝えるか考える。
- ここで休む案と、続ける案の両方を残す。
- 前後の本文を読んで、今回の狙いに合う方を選ぶ。
封筒の例では、母の旧姓と同じ名前を見つけても、受取人までは確定しません。「母がなぜ拒んだか」という問いへ飛ばず、「誰から来た手紙か、母に尋ねる」と次の行動を置きます。
章の役割を一文にする
たとえば「古い封筒を調べていた娘が、母に確かめると決めるまでの章」と書けます。静かな反復を描くなら、「同じ窓から朝を見る時間を、三日分重ねる章」でも構いません。
一文にしにくい場合は、複数の焦点が混ざっていないか見直します。説明できないことを理由に、事件や成長を新しく足す必要はありません。
Length
小説の一章は何文字?長さと章数の考え方
一章の文字数に、すべての作品へ当てはまる正解はありません。短い章でもゆっくり読ませられますし、長い章でも会話を速く進められます。長さだけから、速さや没入の効果は決まりません。
境界候補を置いてから、長さを点検する
- 今回の章で読ませたいまとまりを決める。
- 必要な場面を並べ、区切りの候補を置く。
- 章末と次章冒頭を続けて読む。
- 文字数・表示・中断後の戻りやすさを点検する。
「5,000字になったから切る」案も仮には置けますが、数字に合わせるためだけに説明を足したり、必要な返事を切り離したりしていないか確かめます。
Web小説の一話の文字数は、公開する単位で考える
Webの一話と作品内の章は、同じ長さでなくて構いません。一つの章を複数話で公開するなら、章全体のまとまりと、一回の更新で読める範囲を別々に点検します。
小説家になろうの公式ヘルプでは、読了時間の表示を毎分500文字の想定で計算しています。たとえば3,000字なら計算上は6分です。これはサイトの表示方法の例で、3,000字を推奨する規定でも、実際に全員が6分で読むという意味でもありません。
日本語文章の読み速度の研究(2018年)では、大学生200名の通常読みは約300〜1,200文字/分、平均653文字/分でした。この研究の参加者と文章で得られた値を、すべての小説読者の速さとして使うことはできません。
| 気になる状態 | 確かめること | 試せる調整 |
|---|---|---|
| 短い回が続く | 区切りのたびに、読みたい流れが途切れていないか | 関連する二回をつないだ案と比べる |
| 長い回が続く | 途中で休める場所や、再開する手がかりがあるか | 小区切りか、公開する話の分割を試す |
| 回ごとの長さが違う | 場面に必要な長短なのか、説明の重複なのか | 数字をそろえる前に内容を読む |
| 更新予定に収まらない | 章の構造と、一回の公開範囲を混同していないか | 章を保ったまま、複数話で出す案を考える |
紙・電子書籍の章と、作品全体の章数
章数も、予定総文字数を等分するだけでは決まりません。好きな作品を読み返すときは、章の長短だけでなく、どの場面をまとめ、どこで休ませているかを観察してみてください。
平均文字数は進捗計画に使えますが、境界の採否は本文へ戻って決めます。作品全体の短編・中編・長編という長さは、小説の文字数の目安で別に扱っています。
Chapter Ending
読み進めたくなる章末の終わり方一覧
章末は、毎回危機の途中で終える必要はありません。答え、決断、余韻など、何を残して休ませたいかで比べられます。次の八つは練習用の候補です。封筒を題材にした別々の仮案で、すべてが一つの筋で起こるわけではありません。
| 章末の型 | 残したい感覚の例 | 封筒を使った別々の仮案 |
|---|---|---|
| 小さな答え | ひと区切りの満足 | 母が、自分宛てだと答える場面まで書いて終える |
| 失敗・代償 | 次はどう立て直すかという関心 | 母に聞こうとしたが、出勤したあとで機会を逃す |
| 新事実・逆転 | これまでの見方が変わる驚き | 別案として、封筒の中は手紙ではなく写真だったと明かす |
| 決断・選択 | 主人公の次の行動への期待 | 娘が翌朝、母に見せると決める |
| 危機・期限 | 早く続きを知りたい緊張 | 別案として、箱を処分する時刻が近づく |
| 関係の変化 | 二人の距離がどうなるかという余韻 | 母が一人で読む案から、娘と一緒に見る案へ変わる |
| 意味の反転 | 同じ言葉や物が別の意味を持つ | 宛名と思った名前が、実は差出人の名前だったと明かす |
| 静かな余韻 | 感情を受け止め、次へ進みたい気持ち | 母が封筒を引き出しへ戻す、短い動作で終える |
危機で引く案と、余韻を置く案を選ぶ
第1章:新事実で終える
第2章:静かな感情の変化で終える
第3章:決断で終える
第4章:危機で終える
第5章:小さな答えと余韻で終える上の並びも一案です。毎回違う型にする必要はなく、同じ終わり方を反復して見せたい作品もあります。読者の反応を保証する表ではなく、残したい感覚を本文で確かめるために使います。
ソウマ
毎回びっくりさせないと、続きを読んでもらえないと思ってた。
コトハ
答えが一つ見つかることも、気持ちが少し変わることも、立派な章の終わりです。
アキト
同じ型を重ねるなら、その狙いを確かめろ。別の終わり方と比べてから選べばいい。
Genre
ジャンル別に見る章分けのコツ
次は、ジャンルを入口に考えるときの候補です。同じジャンルでも狙いは異なります。作品にない危険や変化を、表に合わせて追加する必要はありません。
| ジャンル | 章の中心に置きやすいもの | 区切りやすい場所 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| ミステリー | 一つの疑問、手がかり、仮説 | 手がかりの意味、容疑者、仮説が変わる | 情報を隠しただけの章末を続けない |
| サスペンス・スリラー | 危険、期限、追跡、選択 | 安全が崩れる、計画が失敗する、新しい期限が生まれる | 短さだけで緊張が生まれると決めない |
| 恋愛 | 距離、誤解、本音、関係の段階 | 相手の見方が変わる、告白を決める、関係が後戻りできなくなる | 会った・別れただけでなく感情の変化を見る |
| ファンタジー・冒険 | 目的地、試練、世界のルール | 新しい土地へ入る、目的を達成する、代償を知る | 世界を描く章なら、何を味わわせたいか確かめる |
| ホラー | 安全だと思う範囲、違和感の正体 | 日常の規則が破られる、逃げ道が消える、真相の一部が見える | 大声の恐怖だけでなく静かな不安も使う |
| 日常・ヒューマンドラマ | 小さな選択、関係、理解 | 言えなかったことを言う、見方や日常の意味が変わる | 変化のほか、反復や静かな時間も候補にする |
| 群像劇・複数視点 | 各人物の目的と持つ情報 | 視点人物の役割が一区切りし、別の人物に渡す | 同じ出来事の繰り返しだけにしない |
| Web連載 | 一話ごとの小さな満足と次の問い | 行動の結果が出て、次の目的が見えた場所 | 更新の単位と章のまとまりを別に点検する |
作品で渡したいものが、発見、関係、雰囲気、時間のどれなのかを先に選ぶと、区切り方を比べやすくなります。
Method
小説の章分けを決める7ステップ
まず一箇所の境界から、次の七手順で試します。全章の位置を固定してからでなければ書けない、という手順ではありません。
- 対象の稿と場面を記録する:原稿名・版・対象範囲を残し、場面に番号を付ける。
- 人物の目的や、その場でしていることを書く:目的がない描写なら、その時間に読ませたいものを書く。
- 読者が知ったことと、まだ追う問いを分ける:不明な事情を事実として補わない。
- 五つの境目に印を付ける:目的・場所・時間・視点・情報から、今回関係するものを選ぶ。
- 区切ったあとに残したい感覚を書く:期待、安心、不安、余韻など。まだ決められなければ保留する。
- 章末と次章冒頭を読む:分ける案と続ける案を比べ、未執筆なら本文を書いてから確かめる。
- 長さと章タイトルを点検する:採用理由か、次に見る箇所をメモする。
場面一覧から、一つの候補を探す
封筒の例を、次のように分けます。S1〜S4が今回の第一章候補、S5が次章冒頭の候補です。
| 番号 | 場面で起きること | 分かったこと・次の行動 |
|---|---|---|
| S1 | 母に頼まれ、夕方、自宅の古い箱を整理する | 今回の用事と場所が分かる |
| S2 | 表に宛名のない、封をした封筒を見つける | 誰のものかは分からない |
| S3 | 裏の隅に、母の結婚前の名前を見つける | 母と同じ名前だが、宛先は未確認 |
| S4 | 封を開けず、翌朝、母に見せると決める | 次に確認する相手と行動が決まる |
| S5 | 翌朝、台所の母に、誰から来た手紙か尋ねる | 母の返事は、まだ本文にしていない |
章末と次章冒頭の完成例を、続けて読む
以下は、その境目だけを文章にした練習例です。語りは娘の一人称のままです。
第一章の末尾案
封筒の裏の隅に、「高瀬美里」とあった。
母が結婚する前の名前だ。でも、これだけでは誰に宛てた手紙か分からない。
私は封を開けず、明日の朝、母に見せようと決めた。
第二章の冒頭案
翌朝、台所で弁当を包んでいた母に、私は封筒を差し出した。
「この名前、お母さんだよね。誰から来た手紙なの?」
章を分ける案では、確認しようと決めたところで休み、翌朝の質問を新しい入口にします。続ける案では、母の返事まで一息で読ませられます。ただし、返事は未執筆なので、現時点で後者の読み心地まで確認したことにはできません。
比べるのは、**「S4とS5の間で分ける候補」と「母の返事まで書いてから判断する保留案」**です。前後の完成文が増えたら、どちらが今回の狙いに合うか再確認します。
Chapter Map
小説の1〜3章を、章境界マップへ仮置きする
章境界マップは、分けた理由をあとから見直すためのメモです。まず一章と次の入口だけでも進められます。三章先まで見えていれば追加し、未定の欄は残しておきましょう。
| 章 | 今回のまとまり | 分かったこと | 次に追うこと | 状態 |
|---|---|---|---|---|
| 第1章候補 | 箱の整理から、母へ確認すると決めるまで | 封筒に母の結婚前と同じ名前がある | 誰から来た手紙か、母に聞く | 境界付近の本文例あり。区切る位置は仮 |
| 第2章候補 | 翌朝の質問と、母の返事 | 質問までは本文例あり。返事は未執筆 | 母の答えを受けて決める | 返事を作ってから境界を再検討 |
| 第3章 | まだ決めていない | 未定 | 第2章を書いたあとに考える | 空欄・保留でよい |
実践ワーク
一箇所から、章境界の候補と理由を残す
対象の稿、各章の目的や問い、境界の前後の本文を保存します。分ける・続ける・保留の理由を残し、まだない章の欄は空欄にできます。
五つの境目は点数表ではありません。印が多くても緊張を切らずに読ませたいなら続けられます。大きな変化がなくても、反復の余韻や語りの間を作りたいなら区切れます。
時間や場所の移動を伝える目印は場面転換の書き方、境界より本文の効果を直したい場合は物語の推敲へ進めます。長編全体の節目がまだ見えない場合は、長編のプロットの作り方で一区間から整理できます。
今日できたもの
- この記事で作ったもの
- 章境界の候補と、採用・継続・保留の理由を残したメモ
- 未定のままでよいもの
- 先の章、未執筆の返事、最終的な章数や章題
- 次の行動
- 境界の前後を読み比べるか、未執筆の一場面を書いてから確かめる
Revision
一章が長すぎるときは、どこで二つに分ける?
- 対象のシーンに番号を振る。
- 各シーンの目的や、読ませたいものを短く書く。
- 焦点が切り替わる場所や、休ませたい場所を探す。
- 分ける案と、同じ章で続ける案を置く。
- 次章冒頭で必要な時間・場所・視点を示し、前後を読み比べる。
前章:行動 → 抵抗 → 結果・変化
次章:結果への反応 → 新しい目的 → 次の行動結果の前で切って緊張を残す方法もあります。その場合も、何を待たせているか、次章でどう再開するかを確かめます。
| 弱い状態 | 読みにくくなる理由 | 改善するなら |
|---|---|---|
| 5,000字ごとに機械的に切る | 行動や問いの途中で終わる | 答え、失敗、決断、新事実が生まれる場所を探す |
| 場所が変わるたび章を変える | 章と場面転換の役割が同じになる | 同じ目的なら節や空行でつなぐ |
| 一章に複数の目的を詰め込む | 何を追う章か分かりにくい | 主となる目的が変わる所で分ける |
| 説明を何のために読むか分からない | 章の焦点がつかみにくい | 知ってほしいことや味わってほしいものを一つ選ぶ |
| 危機の途中で切る型だけを無意識に繰り返す | 狙った強弱になっているか判断しにくい | 答え、余韻、決断で閉じる案とも比べる |
| 章の長さをすべて同じにする | 必要な変化より数字を優先する | 長短をリズムとして使う |
| 視点を章途中で急に変える | 誰の知覚や感情か分かりにくい | 場面か章を分け、視点を早めに示す |
| 章末で情報を隠すだけ | 作者都合の焦らしに見える | 何か一つは進展させ、その結果から次の問いを作る |
章タイトルはどう付ける?
章タイトルは必須ではありません。付ける場合は、作品全体で一つの形式を選びます。
| 型 | 例 | 向いている作品 |
|---|---|---|
| 番号だけ | 第一章、Chapter 3 | 内容を先に示したくない幅広い作品 |
| 中心となる物・場所 | 宛名のない手紙、海辺の駅 | 象徴的な小道具や場所がある作品 |
| 視点人物名 | ユウ、美里、店主 | 群像劇、複数視点 |
| 日付・時刻 | 1998年8月12日、午前零時 | 時系列や期限が重要な作品 |
| セリフの一部 | 「読まないで」 | 感情や会話を中心にした作品 |
| 読後に意味が変わる言葉 | 届かなかった返事 | 余韻、伏線、二重の意味を使う作品 |
| 共通形式 | 第一章「拾う」、第二章「隠す」、第三章「開く」 | 章同士の対応や段階を見せたい作品 |
答えを後で知らせたい作品では、章題で先に明かしていないか点検します。先に結果を知らせて過程を読ませる作品なら、それに合う章題も選べます。仮題のまま書き、初稿後に付け直して構いません。
AI Audit
AIには章境界の候補と理由だけを出してもらう
AIを使う場合は、場面一覧に書いてあることを整理し、境界の候補を比べてもらいます。本文がない場所の読み心地や、書かれていない人物の本心まで確定させないようにします。
章境界の候補と保留点を比べるプロンプト
小説の章境界を検討します。入力にある内容だけを使ってください。
対象の稿・範囲:__________
場面一覧(番号付き):__________
候補の章末本文:__________
次章冒頭の本文(未執筆ならその旨):__________
今回の狙い・残したい読み心地:__________
決まっていること・未確認のこと:__________
目的・場所・時間・視点・情報について、前後で実際に変わったことを整理してください。
出力:
1. 根拠の場面番号または入力の短い箇所
2. 章を分ける候補と、その理由
3. 同じ章で続ける案、または場面転換で足りる案
4. 判断を保留する箇所と、次に読む・書く必要がある部分
5. 候補を比較するための短い質問
制約:
新しい事件、事情、人物の本心、未執筆の返事を追加しない。
項目の数や文字数だけで採用を決めない。大きな変化や成長を必須にしない。
本文がない箇所は未確認とし、読みやすさを断定しない。
候補は必要な数だけ、最大3案。根拠が足りなければ保留でよい。
最終的な章の位置は作者が決める。候補を受け取ったら、根拠の場面番号へ戻ります。元の一覧にない事情を理由にしていないか、分けない案も目的に合うかを確かめましょう。
FAQ
小説の章分けでよくある質問
章ごとの文字数は同じにした方がよいですか?
同じでなくて構いません。章ごとに必要なシーン数と変化の大きさは異なります。極端に長い章が一つだけある場合は、削る前に、途中で主人公の目的や読者の問いが変わっていないかを確認します。
一章を一つのシーンだけで作ってもよいですか?
問題ありません。一つの対決、告白、発見だけで章の目的と変化が成立するなら、一シーン一章にできます。反対に、同じ目的を追う関連シーンなら、一章に複数入れても構いません。
一章は短すぎてもよいですか?
短いこと自体は問題ではありません。重大な一言や短い視点変更を強調するため、数ページや数段落の章も使えます。ただし短章が続き、焦点が同じなら、統合して場面転換にした方が読みやすい場合があります。
視点人物を替えるたびに章を分けるべきですか?
必須ではありません。章や小区切りを使うと、誰の知覚へ移ったかを示せます。一人称の語り手や、限定した三人称の焦点を切り替える場合は特に、切替位置が分かる手がかりを置きます。相手の表情を外から描くことだけでは、視点変更になりません。
Web小説の一話と章は同じですか?
同じである必要はありません。一話は公開・更新・読書の単位、章は物語上のまとまりです。「第二章・第3話」のように両方を管理すると、更新しやすさと自然な章境界を両立できます。
章タイトルは必要ですか?
必須ではなく、番号だけでも十分です。付けるなら、内容の答えを先に言い切るより、読み終えたあとに意味が深まる言葉や、章の中心となる物・場所・人物を選びます。
章のない小説でもよいですか?
作品の狙いに合っていれば可能です。ただし長編では、読者が休む場所や、時間・視点・焦点の変化を把握する手がかりが減ります。章を使わない場合も、空行や記号、場面転換の一文で読む呼吸を作ります。
第一章はどこで終えるとよいですか?
最初のまとまりをどこまで読ませたいかで決めます。封筒の例なら、娘が母へ確認しようと決めた所が一案です。母の返事まで続ける案もあり、後戻りできない決断や事件を必須にする必要はありません。前後の本文を読んで比べます。
迷ったら二文だけ書く
この章の最初、主人公は____を望んでいた。
この章の最後、主人公は____する必要が生まれた。二つが同じでも、静かな時間や反復を味わう狙いなら残せます。その狙いがない場合は、焦点が重複していないかを読み、統合する案と比べましょう。
ソウマ
母の名前を見つけたあと、翌朝に聞こうと決める所で、一度切ってみる。返事まで書いたら、続ける案とも比べるよ。
アキト
まず候補として残せ。まだ書いていない返事の効果まで、確かめたことにはするな。
コトハ
章は物語をばらばらにする線ではなく、読者が次の扉を開けやすくする境目です。
おつかれさまでした
章境界の候補と、選ぶ理由を残せた!
章境界の候補と、分ける・続ける・保留の理由を整理しました。前後の本文で確かめたあと、必要なら各章の出来事のつながりを点検しましょう。
チェックすると、マイノートに読んだ記録が残ります。
学びの地図
物語を作る
記事をさがす
物語をよむ
マイノート