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魔法の代償と国の境界で物語を動かす
ファンタジー世界観の作り方
この記事の結論
ファンタジー世界観は、魔法名や地図を増やすほど豊かになるわけではありません。魔法を使うと何を失うのか、国境を越えるとなぜ困るのか。その制約が主人公の選択に触れたとき、世界は物語になります。
この記事でわかること
- ファンタジー設定で最初に決める軸がわかる
- 魔法の代償と国の境界を物語に接続できる
- ファンタジー世界観シートとして、自分の作品に持ち帰れる
ミラ
魔法名を12個、王国を7つ、古代戦争を3回分考えました。
ソウマ
もう百科事典だ。
アキト
では一つ聞く。その魔法を主人公が使うと、何を失う?
ミラ
……まだ失いません。
Worldbuilding
ファンタジー世界観は、広い地図より先に「できないこと」を決める
ファンタジー世界観を作るとき、最初に大陸の名前、王国の歴史、魔法体系、種族、宗教を全部決めたくなることがあります。けれど初心者が最初に決めるべきなのは、世界の広さではなく「何ができないのか」です。
魔法が何でも解決できるなら、主人公は困りません。国境を自由に越えられるなら、追跡や別れの重みは弱くなります。逆に「魔法を使うと記憶を一つ失う」「隣国では名前を名乗れない」などの制約があると、主人公は選ばなければならなくなります。
世界観の基本から整えたい場合は、先に 世界観の作り方 を読むと土台が作りやすくなります。この記事では、その土台をファンタジー向けに「魔法の代償」と「国の境界」へ絞ります。
Rules of Place
最初は「魔法・代償・境界」の3つだけ決める
最初に決めるのは、次の3つで十分です。
- 主人公が触れる魔法:一つだけ選ぶ。全部の魔法体系を作らない。
- 魔法の代償:使うと何を失うか。寿命、記憶、声、名前、信用、誰かとの関係など。
- 国や共同体の境界:その魔法が許される場所、禁じられる場所を一つずつ決める。
例として、「過去の音を一度だけ呼び戻せる魔法」を考えます。代償は「呼び戻した音に関わる名前を一つ忘れる」。主人公の国ではこの魔法は葬儀でだけ許され、隣国では証言の改ざんになるため禁じられている。これだけで、主人公がどこで魔法を使うか、誰の名前を失うか、どの国のルールを破るかが物語になります。
魔法のルールをさらに細かく設計したい場合は、物語のルール設定の作り方 に進むと、代償・禁止・抜け道まで整理できます。
コトハ
国を七つ作る前に、主人公が越える国境を一つ決めるんですね。
アキト
そうだ。地図全体より、主人公が立ち止まる線のほうが先に必要だ。
ミラ
魔法も同じですね。体系全体より、一度使うときの重さです。
Example
記憶の魔法で、代償が選択を生む流れを作る
ファンタジー設定は、魔法の効果だけではまだ設定資料です。物語にするには、魔法を使ったあと、誰との関係が変わるかまで考えます。
たとえば「記憶を瓶に閉じ込め、遠くの相手へ届けられる魔法」があるとします。効果は美しいですが、これだけでは便利です。代償として「瓶にした記憶は、自分の中では色あせる」と決めます。すると、主人公は亡くなった母の記憶を弟へ届けるか、自分の中に残すかで迷います。魔法が、人物の選択を作りました。
さらに国の境界を置くと、緊張が増します。主人公の国では記憶瓶は弔いの品ですが、隣国では記憶の密輸として扱われる。主人公が国境を越えるだけで、同じ魔法の意味が変わります。
もったいない相談例
かっこいい魔法をたくさん考えてください。
よい相談例
私のファンタジー世界観を整理してください。
- 主人公が触れる魔法:__________
- 魔法でできること:__________
- 主人公の欲望:__________
この魔法の代償を3つ提案してください。
条件:派手な代償より、主人公が使うたびに人間関係で迷う代償を優先してください。
Practice
今日のファンタジー世界観シートで、迷う場所を一つ決める
ワークでは、魔法の代償を決めることを目標にします。ファンタジー世界観シートに残すのは完成形ではなく、あとで本文やノートへ戻るための印です。空欄があっても、ルールを1つ決め、使うと何を失うかを足すところまで進めば十分です。
実践ワーク
ファンタジー世界観シートを1枚にまとめる
魔法や制度のルールだけでなく、使う代償と暮らしへの影響を一組にして、物語で動く設定にします。
チェックリスト
- 主人公が触れる魔法を一つ決めた
- 魔法でできることを書いた
- 使うと失う代償を書いた
- 魔法が許される場所・禁じられる場所を書いた
- この魔法で主人公が迷う一場面を書いた
今日できたもの
- この記事で作ったもの
- ファンタジー世界観シート
- 次に育てる場所
- 魔法の代償や国の境界が、物語の選択に効く場所を書く欄
- 次の行動
- ルールを1つ決め、使うと何を失うかを足す
ソウマ
魔法の代償を決めるまで決めると、世界観が説明だけで止まらなくなりそう。
コトハ
ここまでで十分です。ファンタジー世界観シートには、あとから「魔法の代償を決める」場所がちゃんと残っています。
アキト
ここで止めていい。ファンタジー設定を、冒険や葛藤を動かす制約にできるだけの材料は揃った。
おつかれさまでした
ファンタジー世界観シートを残せた!
ファンタジー世界観シートには、「魔法の代償を決める」ための判断が残っています。次に開くときは、ルールを1つ決め、使うと何を失うかを足すところから続けてください。
チェックすると、マイノートに読んだ記録が残ります。
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