世界観・設定を作る

魔法の代償と国の境界で物語を動かす

ファンタジー世界観の作り方

魔法の効果と国の規則を分け、代償を置く場合は起こる時点を決める。同じ条件で短い本文を比べる。

この記事の結論

ファンタジーの世界観は、人物が触れる場所や魔法から考えられます。今回は、魔法の効果、代償が起きる時点、国の規則を分けて整理し、短い本文で設定と行動が合うかを確かめます。

ミラ アキト コトハ ソウマ
難易度
初心者
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16分
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最終更新日

この記事でわかること

  • 魔法の効果と、社会の規則を分けられる
  • 魔法を使う前後で、条件と本文を比べられる
  • 使わない案や、次に確かめることも残せる
#ファンタジー#魔法#世界観

ミラ

母の歌声を瓶に残せる魔法を考えました。声の記憶が薄れる代償も置いてみたいです。

ソウマ

瓶を作るときに薄れるのか? それとも、誰かに渡したとき?

アキト

そこをそろえよう。何が残るかも決めておけば、使う前後を書き分けられる。

ミラ

はい。瓶を作る場面から、条件と本文を比べてみます。

01

Worldbuilding

ファンタジー世界観は、人物が触れる魔法と場所から考える

魔法の働く範囲、代償の内容と時点、国の規則を分けて考える。代償や国境は全作品に必須ではない。

ファンタジーの世界観は、人物が触れる場所と不思議な仕組みを選び、そこで何ができるかを決め、短い場面で確かめるところから作れます。地図、歴史、景色、暮らしから考え始めても構いません。

この記事では、魔法の代償と国の規則を使い、主人公の行動を考える方法を試します。代償のない便利な魔法や、国境を越えない物語にも世界観は作れます。「何かを失わせること」を全作品の条件にはしません。

魔法の限界と、国の禁止は別の条件

「記憶を瓶に移せるが、自動で遠方へ送ることはできない」は、魔法の働く範囲です。一方、「隣国への記憶瓶の持ち込みが禁じられている」は、国の規則です。禁止されていても物理的には持ち運べる場合があり、同じ意味ではありません。

代償を置くなら、何を失うかに加え、いつ起こるかを決めます。瓶を作るとき、開くとき、渡すときでは、使う前の場面が変わるからです。

世界観全体の入口を探している場合は、世界観の作り方で、場所・暮らし・ルールを考えられます。本稿では、そのうち一つの魔法を本文へつなげます。

02

Rules of Place

魔法の効果・代償の時点・国の境界を分けて決める

記憶瓶は作った時点で声の響きを思い出せなくなるが、歌詞や誰が歌ったかは覚えている。自動配送はできず、弟が訪問できるかも未確認。

次の3項目は、この記事で使う整理の入口です。魔法や国境が登場しない作品なら、該当する欄を作る必要はありません。

  1. 魔法の効果と範囲:何を、誰が、どこまでできるか。便利な効果もそのまま残します。
  2. 代償を置くなら、その内容と時点:いつ何が変わり、何は残るか。代償なし・未定も区別します。
  3. 国や共同体の規則:使うこと、持ち運ぶことのどちらを認めるか。魔法の限界と混ぜません。

架空の例:母の歌声を残す記憶瓶

ここからは、次の条件を置いた架空の姉弟の話です。魔法や国の規則も、この記事の作例として決めます。

  • 姉は、自分が覚えている一曲の歌声を、空の瓶へ移せる。瓶を開けば、その声が聞こえる。
  • 移した時点で、姉はその声の響きを自分の記憶から思い出せなくなる。歌詞や、誰が歌ったかという知識は残る。
  • 瓶で声を聞くことはできるが、元の記憶を戻す魔法ではない。瓶を遠くへ自動で送る力もない。
  • 姉の国では、個人の弔いのために記憶瓶を作り、聞くことが認められている。
  • 弟の住む隣国は、記憶瓶の持ち込みを禁じている。この例では、その禁止理由や罰則までは決めない。
  • 姉は、亡くなった母の歌声を弟にも聞かせたい。弟が姉の国へ来られるかは、まだ確認していない。

「声の響きを思い出せない」と「母が誰か分からなくなる」は違います。後者は今回の条件に含めません。国境に魔法の壁がある、訪問が既に決まっている、といった設定も足さずに考えます。

魔法以外の制度や道具にも広げる場合は、物語のルール設定の作り方で、効果・制約・禁止・例外のうち必要な項目を選べます。

コトハ

瓶を作った時点で声の記憶が変わるんですね。渡すまで代償が起こらない、とは書けません。

ミラ

はい。瓶を作ることと、弟のところへ届けることも、別の行動として考えられます。

アキト

弟がこちらへ来る案は出せる。ただし、来られるかはまだ分からない。その先まで成功扱いにしないでおこう。

03

Example

記憶瓶の作成前後を、短い本文で比べる

作例は瓶を作る前の声の記憶と、作った後に声の響きを思い出せなくなる変化を示す。弟へ訪問を頼む手紙までで、来訪や歌を聞けた結果は未定。

条件がそろったら、短い本文にします。以下は、姉が瓶を作り、弟に訪問を頼む案です。実際のAI返答ではなく、条件を照合するために用意した作例です。

作る前:望みと、まだある記憶

姉は空の瓶を机に置き、母が歌っていた子守歌を思い浮かべた。声の最後が少し震えるところまで、まだ覚えている。隣国にいる弟の手紙には、もう一度あの歌を聞きたいとあった。姉はその一曲を瓶へ移すことに決め、空の瓶に手を添えた。

作った後:変わったことと、次の行動

姉は母の歌声を瓶へ移した。瓶を開くと、母の歌声が流れた。姉は封を戻し、自分の記憶だけで声をたどろうとした。歌詞は出てくるのに、声の響きは思い出せない。瓶は国境へ持ち出さず、机の引き出しに収めた。弟への返事には、こちらへ来て一緒に聞けないかと書いた。

決めた条件本文に表れたことまだ決まっていないこと
声を瓶へ移すと、声の響きを思い出せなくなる瓶から歌声が聞こえ、封を戻すと声の響きをたどれない。歌詞は残るこの先、姉がその変化をどう受け止めるか
隣国へ記憶瓶を持ち込めないという規則がある瓶を国境へ持ち出さず、引き出しに収める禁止理由や罰則。訪問の制度や費用
弟にも母の歌声を聞かせたいこちらへ来られないかと返事を書く弟が来られるか、実際に歌を聞けるか

この本文で起きたのは、瓶の作成と代償、訪問を頼む手紙までです。「弟は救われた」「姉弟の関係が変わった」といった結果は、まだ書いていません。

姉が瓶を作らず、弟の返事を待つ案も考えられます。その場合は、代償が起きた後の段落を無理に書かず、待つと決めた行動を描きます。どの案でも、使っていない魔法の代償を発生させないことが、条件をそろえるポイントです。

AIには、条件と本文の食い違いを比べてもらう

もったいない相談例

この世界に、主人公が必ず迷う代償を三つ足してください。

よい相談例

決まっている魔法の効果・代償の時点・国の規則:__________ まだ決めていないこと:__________ 主人公の望みと、今回の行動の候補:__________ 比べたい場面の本文:__________ 決めた条件と本文を比べ、合っている点と、食い違う可能性がある点を示してください。 本文にない行動や結果を、起きたこととして扱わないでください。 代償を増やすことや、必ず迷わせることを目的にしないでください。 追加案を出す場合は、既存の設定と分けてください。今のまま使える点、未定のまま残せる点も示してください。
04

Practice

ファンタジー世界観シートに、行動と次の確認を残す

世界観シートに効果・代償の時点・規則を分けて残し、使わない案や保留も記録する。本文または次に確かめることへつなげる。

ファンタジー世界観シートには、魔法の効果、代償を置くならその条件、社会の規則、今書く行動を残します。国境や代償を使わない作品なら、該当欄は空欄や「なし」にして使えます。

実践ワーク

ファンタジー世界観シートを1枚にまとめる

魔法の効果と代償の時点、国や共同体の規則を分けて記録します。使う・使わない・保留する案と、次に確かめることも残せます。

一つ

人物が触れる魔法や場所を選び、今回はどこまで考えるか決める。

制約

効果・代償の時点・社会の規則を分ける。代償や国境がなくてもよい。

場面

選んだ行動と条件を比べる。使わない場合や、次の確認だけも残せる。

生成される実践メモ

入力すると、この記事のワーク結果がノートに貼れる形でここにまとまります。
主人公の望み・失いたくないもの: ____ 主人公が触れる魔法・できること: ____ 代償の内容・起こる時点(なし・未定も可): ____ 使うことを認める国・共同体(必要な場合): ____ 使用・持ち込みの禁止や条件(必要な場合): ____ 暮らし・関係に及ぼす影響: ____ 使う・使わない・保留する場面: ____ 行動する前の本文・確認すること: ____ 行動した後の本文・次の確認: ____

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条件表を、次の本文や確認につなげる

作例なら、瓶を作る前の記憶と、作った後に思い出せなくなった声を比べます。弟への手紙は書けても、訪問の可否や弟の反応は未定のまま残します。

本文をまだ書かない場合は、「代償が起きる時点を決める」「弟が来られる条件を考える」のような次の確認だけでも構いません。このシートだけで、魔法体系全体や長編の整合性が確認できたことにはなりません。

今日できたもの

この記事で作ったもの
魔法の効果・代償の時点・社会の規則を分けた世界観シート
次に育てる場所
記憶瓶を作る前後と、弟へ訪問を頼む場面
次の行動
条件と本文を比べるか、まだ決めていないことを確かめる

ソウマ

瓶を作ったら、声の響きは思い出せなくなる。でも弟が聞けるかは、まだ決まっていないんだな。

コトハ

はい。書けた行動と、その先の結果を分ければ、次に考えることも見えます。

アキト

使わない案でもいい。選んだ行動が、決めた条件に合っているかを確かめよう。

おつかれさまでした

ファンタジー世界観シートを残せた!

魔法の効果と代償の時点、社会の規則を分けました。次は短い本文と比べるか、まだ決めていない条件を確かめられます。

チェックすると、マイノートに読んだ記録が残ります。

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