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キャラクターらしさが出るセリフと沈黙の作り方
会話文の書き方
この記事の結論
会話文の書き方は、情報を説明することではなく、人物の欲望と本音のすれ違いを見ることです。表の話題、言いたいこと、言えないことを分けると、同じ内容でもキャラクターごとの声になります。
この記事でわかること
- 説明セリフとキャラクターのセリフの違いがわかる
- 表の話題と隠れた本音を分けて会話を書ける
- セリフ、動作、沈黙をセットにした会話文ワークを作れる
AI記事との使い分け: ここではAIを使わず、表の話題・欲望・隠した本音・沈黙から会話を組み立てます。人物の声が決まった後で短い候補を比較したい場合は、AIでセリフを生成する方法へ進んでください。
ソウマ
会話を書いてると、みんな説明係みたいに話し始めるんだよな。キャラの声が同じになる。
コトハ
では今日は、セリフを『情報』ではなく『その人が何を欲しがっているか』から見てみましょう。
アキト
本音をそのまま説明させるな。言えないものがあるから、会話は動く。
Scene
会話文の書き方は、情報交換ではなく欲望のぶつかり合いで考える
会話文を書くとき、すべてのセリフで情報を説明しようとすると、人物が資料を読み上げているように話し始めます。読者が知りたいのは、設定の説明だけではありません。その人物が、今この場で何を隠し、何を得ようとしているかです。
会話は情報交換ではなく、欲望のぶつかり合いです。表では作戦や予定を話していても、裏では心配、嫉妬、照れ、距離感が動いています。セリフの本数より、「この人は何を得たいのか」「何を隠しているのか」を決めるのがコツです。
会話文の最小原則は、表の話題の下に、各キャラクターの欲望と隠した本音を置くことです。
会話文の基本ルール
- セリフは、話者が変わるところで改行する。
- 地の文は、セリフの前後に動作や沈黙を少しだけ添える。
- 説明したい情報を全部セリフに入れず、必要な背景は地の文や行動に分ける。
- 口調だけで差を出そうとせず、言えること・言えないことを人物ごとに変える。
改行や地の文は、読みやすさのためだけではありません。誰が何を隠しているかを見せるための余白にもなります。
キャラの口調そのものを整えたい場合は、あとで キャラクターの口調の作り方 に進むと、語尾や言い回しを細かく調整できます。
説明セリフが増えると声が消える理由
会話文でつまずくのは、セリフを情報説明の道具にしすぎるからです。会話は、登場人物が同じ情報を確認する場所ではなく、それぞれの欲望や本音がぶつかる場所です。
実例として「雨の日の郵便屋」でソウマがアトリエに入る場面なら、コトハが設定を説明するだけでは弱くなります。ソウマは「読まれたくない」、コトハは「捨てない場所に預かりたい」。このズレがあるから、短い会話でも場面が動きます。
会話を場面に入れる前に、シーンの作り方 で目的と障害を決めておくと、セリフが説明だけになりにくくなります。
Show, Not Tell
表の話題・欲望・本音・沈黙に分ける
次の手順で会話を書きます。
- 表の話題を決める:作戦、帰り道、宿題、待ち合わせなど、会話の表面にある用件。
- 話している本人の欲望を決める:安心したい、勝ちたい、謝らせたい、近づきたいなど。
- 隠している本音を決める:本当は心配している、本当は怖い、本当は傷ついている。
- 本音を直接言わない言い方にする:作戦の話をしながら、実際には距離感を描く。
- 沈黙や動作を入れる:人らしさは「言わなさ」にも宿る。
例として、表の話題が「迎えに来てほしい」、隠れた本音が「一人でいるのが怖い」だとします。これをそのまま言わせると説明になります。キャラクターによっては、「まだ近くにいる?」や「今、暇?」のように遠回しに言うほうが自然です。
ソウマ
本音を直接言わせないほうが、逆に気持ちが出ることもあるんだな。
アキト
そうだ。セリフは説明じゃない。隠したものがにじむから読める。
Line Test
同じ用件を、4人のセリフに言い分ける
同じ状況で比べてみます。用件は「迎えに来てほしい」。本音は「一人でいるのが怖い」です。
説明になっているセリフ
もったいない相談例
一人でいるのが怖いから、迎えに来てほしい。
気持ちは伝わりますが、人物の声としては少し直接的です。ここからキャラクターごとに、言えることと言えないことを変えます。
- コトハ:
「もし近くにいるなら、少しだけ寄ってもらえますか」 - ソウマ:
「今、まだ起きてる? いや、別に急ぎじゃないんだけど」 - ミラ:
「現在地を送ります。可能なら、迎えに来てください」 - アキト:
「来られるなら来い。無理ならいい」
全員が同じ用件を言っています。でも、遠慮する人、照れる人、整理して伝える人、強がる人で、セリフは変わります。さらに、セリフの前後に動作を入れると、声がもっと立ちます。
よい相談例
ソウマはスマホを握ったまま、送信ボタンを押せずにいた。
「今、まだ起きてる? いや、別に急ぎじゃないんだけど」
送った直後、画面を伏せる。
会話文は、セリフだけで完結しません。動作や沈黙が入ると、キャラクターが本音を隠していることまで伝わります。
説明セリフを、キャラクターの声に直す
説明セリフ:私はあなたを心配しています。だから迎えに来ました。
直すなら:
「傘、一本しかないけど」
アキトはそう言って、ソウマの返事を待たずに傘を差し出した。
説明セリフ:私は本当は怖いです。助けてほしいです。
直すなら:
「まだ近くにいる?」
ソウマは送信ボタンを押してから、画面を伏せた。
本音を全部言わせなくても、行動と短いセリフで関係は伝わります。
3往復の短い例
「まだ近くにいる?」
「駅前。……傘は一本しかない」
「じゃあ、いい。走るから」
「走るな。風邪を引く」
「命令?」
「迎えに行く理由だ」
会話が3往復だけでも、表の話題、欲望、隠した本音、関係の変化が見えれば十分に場面へ戻せます。
AI Partner
AIには、本音を直接言わないセリフ案を出してもらう
セリフが長くなる原因は、書き手が読者に情報を伝えようとしすぎることです。情報は地の文で書けば伝わります。セリフは、人物がその瞬間に欲しいものを取りに行く言葉だけに絞ります。
AIには「キャラクターらしい会話を作って」ではなく、表の話題・欲望・隠している本音を渡して「本音を直接言わない20字以内のセリフを3案」と頼みます。説明ではなく、にじみ出る言葉を探す使い方です。
もったいない相談例
キャラクターらしい会話を作ってください。
よい相談例
表の話題:迎えに来てほしい
この人物が得たいもの:助けてほしいが、弱く見られたくない
隠している本音:一人でいるのが怖い
キャラクターの輪郭:誰にも頼りたくない高校生
本音を直接言わずに、欲望だけがにじむ『20字以内のセリフ案』を3つ提案してください。
それぞれに、前後の動作も1つ添えてください。
感情を行動で見せたい場合は キャラクターの感情を見せる方法、地の文と合わせて整えるなら 描写の書き方 へ進みましょう。
Practice
会話文ワークで、会話に間を置く
この章では、会話文ワークを使って会話に間を置くところまで進めます。きれいに埋めるより、「会話に間を置く」ための手がかりを見つけることが目的です。最後に同じ情報を伝えるセリフを、言い方と黙る部分で書き分けるところだけ決めておきましょう。
実践ワーク
会話文ワークを1枚にまとめる
二人の目的と隠している気持ちを決め、説明台詞にせず、言葉・沈黙・動作のずれで会話を作ります。
チェックリスト
- 表の話題を書いた
- この人物が得たいものを書いた
- 隠している本音を書いた
- 本音を直接言わないセリフに直した
- 前後の動作か沈黙を添えた
今日できたもの
- この記事で作ったもの
- 会話文ワーク
- 次に育てる場所
- 会話の言葉と沈黙で、人物らしさを出す欄
- 次の行動
- 同じ情報を伝えるセリフを、言い方と黙る部分で書き分ける
ソウマ
会話に間を置くだけなら、本文に戻す場所も少し見えてくる。
コトハ
ここまでで十分です。会話文ワークには、あとから「会話に間を置く」場所がちゃんと残っています。
アキト
ここで止めていい。会話を情報交換ではなく、関係性が見える場面にできるだけの材料は揃った。
会話を1場面の中に置く練習をしたい場合は シーンの作り方 へ。口調のブレを整えたい場合は キャラクターの口調の作り方 が次のステップです。
おつかれさまでした
会話文ワークを残せた!
会話文ワークには、「会話に間を置く」ための判断が残っています。次に開くときは、同じ情報を伝えるセリフを、言い方と黙る部分で書き分けるところから続けてください。
チェックすると、マイノートに読んだ記録が残ります。
小さな物語
この記事とつながる小さな物語
物語の種を捨てずに残すことを、コトハたちの短い場面として読めます。 記事の理解に必須ではありません。少し余韻を見たいときだけ開いてください。

変な褒め言葉への反応で、キャラクター同士の温度差を出しています。
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