シーンにする

会話の間を読みやすくつなぐコツ

小説の地の文の書き方

小説の地の文を会話の間で練習する。場所・動作・知覚・内面から一役を選び、同じセリフに一文を挟み、追加しない版とも比較する。

この記事の結論

会話の間に何を書けばよいか迷ったら、場所・動作・知覚・内面から一つの役割を選んでみましょう。同じセリフに一文を足した版と、足さない版を読み比べ、場面に合う量を考えます。

コトハ ソウマ アキト ミラ
難易度
初心者
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最終更新日

この記事でわかること

  • 会話の間で試せる4つの役割を分けられる
  • 会話だけの場面に必要な一文を足せる
  • 観察したことと人物の推測を分けられる
#地の文#描写#会話

ソウマ

セリフなら書ける。でも間に何を入れても、急に説明書みたいになる。

コトハ

同じセリフの間に、一文ずつ試してみましょう。足さない版と比べると、違いが見えます。

アキト

場所、動作、知覚、内面。どの役割の一文が欠けているかを見ろ。

01

Four Roles

小説の地の文は、場所・動作・知覚・内面から書いてみる

会話の間の地の文を、場所・動作・知覚・内面の四役で練習する。四役は網羅的な分類ではなく、一文が位置関係と動作など複数の役割を持つ場合もある。

地の文は、小説でセリフ以外の叙述を担う文章です。場所を知らせたり、動作を追ったり、人物の考えを語ったりできます。長さや役割は一つに決まっていません。

この記事では、短い会話の間に何を書けばよいかを考えるため、四つの役割に分けて練習します。地の文の働きをすべて分類する表ではなく、一文を試すときの入口です。

役割書けること今回の手紙の例
場所誰が、どこで向き合っているか台所の机を挟んでいる
動作手や視線、姿勢の動き弟が封筒の角をなぞる
知覚視点人物が見聞きしたことや感覚紙のこすれる音が聞こえる
内面視点人物が考えたり受け取ったりしたこと姉が、弟は答えたくないのかと考える

一文が二つ以上の役割を持つこともあります。たとえば、机の向こうで弟が動く文は、位置関係と動作を同時に示せます。分類をきれいにそろえるより、いまの場面で何を伝えたいかを先に選びましょう。

視点を決める入口は一人称と三人称の違いです。ここでは、姉が「私」と語る一人称にそろえて比べます。

02

One Line

地の文の例を、同じセリフの間に入れて読み比べる

成人の姉が語る手紙の場面で、二つのセリフの間に場所・弟の動作・紙の音・姉の推測を別々に挟む。弟が読んだかは不明で、動作を嘘の証拠としない。

次の例は、成人の姉と弟を使った架空の練習場面です。共通の条件を先に置きます。

  • 夕方、自宅の台所で、姉と弟が机を挟んで向き合っている。
  • 弟は、角の折れた封筒を手に持っている。
  • 姉が手紙を読んだか尋ね、弟は「まだ」と答える。
  • 姉には、弟が本当にまだ読んでいないのか、答えを避けているのか分からない。

会話だけの版

「手紙、読んだ?」

「まだ」

以下は、二つのセリフの間へ一文ずつ足した別々の案です。全部を順につなげる例ではありません。

場所を足す案

「手紙、読んだ?」

台所の机を挟んで、私は弟の返事を待った。

「まだ」

二人の位置関係と、返事を待つ姉が見えます。すぐ前の文ですでに台所と位置関係が伝わっているなら、同じ説明を足すかどうか読み比べます。

動作を足す案

「手紙、読んだ?」

弟は封筒の折れた角を、爪でなぞった。

「まだ」

弟の指の動きが加わり、返事までの間を描けます。ただし、この動作だけで、弟が嘘をついているとは確定しません。

知覚を足す案

「手紙、読んだ?」

机の向こうで、紙のこすれる音がした。

「まだ」

姉に聞こえた音へ注意を向ける案です。紙の音を入れれば必ず緊張が伝わるわけではないので、前後の文と合わせて、どんな静けさに読めるか確かめます。

内面を足す案

「手紙、読んだ?」

もう読んだのに、言いたくないのだろうか、と私は思った。

「まだ」

これは姉の推測です。弟が実際に手紙を読んだ、という事実は追加していません。相手の本心を明かしたい場合は、相手の発言や、事情が分かる別の場面が必要になります。

03

Rhythm

会話と地の文のバランスを、伝わる情報と間で決める

会話と地の文の比率を先に固定せず、前後の情報と返事までの間で量を考える。役割があれば補い、重複するなら追加を見送る。短ければよいという規則ではない。

この練習では、会話と地の文の比率を先に決めません。同じ一往復でも、場所を知らせたい場合と、返事までの間を感じさせたい場合では、足したい文が変わるからです。

  1. 前後を読む:誰がどこにいるか、何を話しているかが分かるか確かめる。
  2. 役割を選ぶ:位置関係、動作、音、内面など、今回渡したいものを一つ置く。
  3. 足した版と足さない版を読む:情報の重複や、返事までの間の違いを見る。
  4. 必要な量へ調整する:一文では足りなければ補い、役割がなければ追加を見送る。

手紙の例で、すでに台所の二人を描いていて、やり取りを続けたいなら、会話だけの版も選べます。姉が返事を待つ時間を描きたいなら、動作や音を残す理由があります。

一文だけ足すのは比較のための練習です。地の文は短いほどよい、すべてのセリフの間に必ず動作を置く、といった規則ではありません。風景や考えの流れを長く描く場面も、作品の目的に合わせて作れます。

04

Rewrite

地の文役割メモに、候補と採用・追加なしの理由を残す

地の文役割メモに、前後のセリフ・視点・条件・候補を保存する。採用、追加なし、保留の理由と次の確認を残し、全候補を必須にしない。

自分の原稿から短いやり取りを選び、前後のセリフと、誰の目で読む場面かを残します。場所・動作・知覚・内面のうち、試したい一役から書いてみてください。四つとも埋める必要はありません。

実践ワーク

地の文の候補を、前後のセリフで比べる

前後のセリフ、場面の条件、視点人物、役割ごとの候補を残します。足した版と足さない版を読み、採用・追加なし・保留の理由と、次に確かめる箇所を保存します。

生成される実践メモ

入力すると、この記事のワーク結果がノートに貼れる形でここにまとまります。
前のセリフ: ____ 次のセリフ: ____ 場面の条件・視点人物・渡したい情報: ____ 動作で書く案(任意): ____ 知覚で書く案(任意): ____ 内面で書く案(任意): ____ 採用・追加なし・保留と、その理由: ____ 場所で書く案(任意): ____ 前後のセリフで比べた結果: ____ 次に確かめる箇所・未確定の事情: ____

全部埋めなくて大丈夫。1行だけでも保存できます。

マイノートで見る

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候補はセリフの間へ戻して読みます。相手の動作から推測したことを、本当の事情として書いていないかも確かめましょう。合う案がなければ、「今回は追加しない」「前の段落を読んでから決める」と残して構いません。

今日できたもの

この記事で作ったもの
前後のセリフと候補を並べた地の文役割メモ
確かめた役割
足した情報や間と、まだ分からない相手の事情
次の行動
採用・追加なし・保留の理由を残し、前後を声に出して読む

ソウマ

全部の役割を入れなくていいんだな。前で場所が分かっているなら、動作だけ試せる。

コトハ

はい。会話だけの版も並べて、今の場面で残したい間を確かめてみましょう。

おつかれさまでした

会話を支える地の文を書けた!

前後のセリフで地の文の候補を比べ、残す情報や間を確かめました。採用・追加なし・保留の理由を残し、原稿の前後でも読んでみましょう。

チェックすると、マイノートに読んだ記録が残ります。

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