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キャラの気持ちを出そうとすると、すぐ泣かせたり怒鳴らせたりしちゃうんだ。
コトハ
今回は普段の動作と、その日の違いを比べてみましょう。感情を直接書く案も並べられます。
アキト
どの動作を置き、どこまで気持ちを言葉にするか。前後の文と合わせて選ぼう。
Scene
感情の見せ方は、普段と当日の動作を本文で比べる
キャラクターの感情を行動で見せたいときは、普段の動作と、その日の違いを比べる方法があります。いつもは閉じるノートを開いたままにする、返す手を途中で止める。何が起きたあとかと一緒に置くと、動きに意味を持たせる候補になります。
ただし、その動きだけで特定の気持ちが必ず伝わるわけではありません。感情名、表情、台詞も使えます。このページでは、同じ動作を保ったまま、感情名を足す案と足さない案を比べます。
A:普段と、その日の動作を本文へ置く
独立した教材「白紙を差し出す・比較例v1」を使います。千花は24歳、悠は25歳の創作仲間です。作者は三人称で、必要に応じて千花の内面を書く方針にしています。
いつも千花は、夕方の作業を終えるとペンを箱へ戻し、机を片づけてから席を立つ。
その日、悠がノートを開いた。「一文だけ、書いてみた」
千花はペンをしまいかけて、やめた。白い紙を一枚取り、悠の前へ滑らせた。
悠はその紙を見て、千花に目を戻した。
作者が狙うのは、一文を見せてもらえた嬉しさと、続きを読みたい気持ちです。Aでは、その感情名や目的を直接は書かず、普段の片づけを止めて紙を差し出す動作を置いています。
| 項目 | 書いたこと | 今回確かめられること |
|---|---|---|
| 普段の基準 | 作業後にペンを箱へ戻し、机を片づけてから席を立つ。 | Aの最初の文に書いた習慣。 |
| 直前の出来事 | 悠がノートを開き、一文だけ書いたと話す。 | 二人の前に出た出来事。作品の評価や悠の自信はまだ書かない。 |
| 当日の動作 | しまいかけたペンを止め、白紙を差し出す。 | 普段の片づけとの違い。嬉しさの一つの候補として作者が使う。 |
| 受け手の動作 | 悠が紙を見て、千花に目を戻す。 | 見た動きはあるが、続きを求められたと理解した内面は未記述。 |
紙を差し出す動きは、続きを促すようにも、別の作業を頼むようにも読める候補があります。どちらに読んだかを、実際の読者へ尋ねたわけではありません。作者の狙いと、読者に伝わった結果は分けて残します。
Show, Not Tell
感情の見せ方を比較|同じ動作へ「嬉しかった」を一文足す
Aの動作を残し、千花の気持ちを明示したい場合は、短い感情説明を加えられます。BはAの四段落を変えず、二段落目のあとに一文だけ追加した案です。
B:同じ動作へ「嬉しかった」を一文足す
いつも千花は、夕方の作業を終えるとペンを箱へ戻し、机を片づけてから席を立つ。
その日、悠がノートを開いた。「一文だけ、書いてみた」
千花は、初めて一文を見せてもらえたことが嬉しかった。
千花はペンをしまいかけて、やめた。白い紙を一枚取り、悠の前へ滑らせた。
悠はその紙を見て、千花に目を戻した。
追加したのは「千花は、初めて一文を見せてもらえたことが嬉しかった。」です。Bでは千花が嬉しかったことを直接伝えます。Aの動作が自動的に劣る、Bの説明が弱い、と順位を付ける必要はありません。どこまで推測に任せたいか、何を明示したいかから選べます。
気持ち・目的・相手の受け取り方を分ける
| 案 | 書く情報 | 変わること・決めないこと |
|---|---|---|
| A:動作と文脈 | 嬉しいという感情名は書かない。 | 普段・直前・白紙を差し出す動作から、気持ちを推測する余地を残す。 |
| B:感情名を一文追加 | 千花が、一文を見せてもらえて嬉しかったと書く。 | 千花の内面を明示する。白紙を渡す目的や、悠の理解まで確定するわけではない。 |
| 別の台詞を足す候補 | 『続きも読んでみたい』を千花に言わせる案。 | 続きを読みたいという希望を新しく発話させる。A/Bの本文には、まだ足していない。 |
Bでも、悠が「続きを求められた」と理解したことは書いていません。紙を見て千花へ目を戻す動きと、悠の内面は別です。その反応を続けたいなら、次の文や台詞を作者が新たに選べます。見ている人物を置かない場面まで、受け手を追加する必要はありません。
感情の見せ方を比べる4手順
- 比べる本文と、狙う気持ちを置く。 感情をあえて決めない場面なら、その意図を残します。
- 普段と当日の動作を拾う。 基準が前章にあるなら、その位置もメモします。
- 前後の出来事と、受け手の記述を確かめる。 動作、内面、作者の解釈を分けます。
- 感情名を足す案・保持する案を比べる。 必要なら別の台詞や動作も、新しく足した案として扱います。
一つの違いから試すのは、比較する範囲を小さくするためです。すべての感情を一つの動作で表す、強い反応を使わない、という規則にはしません。
ソウマ
Bでは嬉しかったことが分かる。でも、悠がどう受け取ったかは、まだ決めていないんだね。
アキト
感情と、紙を渡す目的と、相手の理解を分けて選べる。どこまで書くかを本文で比べよう。
呼吸や視線、物の描写を候補から選ぶ段階は感情描写の書き方、行動や内面を会話の間へ置く場合は地の文の書き方で整理できます。
AI Partner
AIには感情を示す原文を渡し、狙いと解釈の根拠を照合する
AIには、普段の設定だけでなく、実際の原文を渡します。書いていない内面や、まだ確かめていない読者の反応を、分析の結果として埋めないようにします。
もったいない相談例
この行動から、キャラクターの本当の感情を一つに決めてください。
よい相談例
作品名・版・比べる範囲:_____
今回の原文と比較案:_____
普段の行動と、その根拠の語句・位置:_____
直前の出来事と人物同士の関係:_____
作者が意図する気持ち・まだ伏せたいこと:_____
受け手に実際に書いた動作・内面(なしも可):_____
まだ決めていないこと・変えたくない語句:_____
普段、当日の違い、直前の出来事、受け手の動作を、本文の短い語句と対応させて整理してください。
作者の意図、本文に明示した内面、解釈の候補、材料不足で分からないことを分けてください。
解釈は根拠があるものだけ最大三つ。数を埋めるために気持ちや設定を足さないでください。
感情名を足す案は何が明示されるかを比べ、元の動作は書き換えないでください。
受け手の動作だけで、その人物の理解や承諾を確定しないでください。
実際の読者や試読者の反応を確認したことにせず、採用・保持・保留は作者が選びます。Aに対して「悠は続きを書いてほしいと理解した」と返ってきたら、末尾の一文へ戻ります。書かれているのは、紙を見て千花に目を戻したことです。理解したかどうかは、まだ別に決められます。
また、Bで「嬉しかった」と明示していても、紙を差し出した目的まで自動で一つに決まるわけではありません。続きを読みたいと伝える台詞を足すなら、それは新しく情報を加えた別案として比べます。
Practice
感情アクション表のワーク|本文の根拠と、感情名の採否を残す
感情アクション表には、基準の本文、普段と当日の差、作者が意図する読み、感情名を足す採否、次に試す文を残します。Aを保持する案も、Bの一文を追加する案も、理由を付けて比較できます。
実践ワーク
感情アクション表に、本文の根拠と感情名の採否を残す
普段と当日の動作、作者の狙い、本文で明示した内面、相手の記述を分けて保存します。直接説明を足す案、保持・保留、試読の未実施もそのまま残せます。
試読の質問と、実際に聞けた結果を分ける
「千花は何を望んでいるように読めたか」「そう読んだ語句はどこか」と尋ねる質問を作れます。まだ尋ねていなければ、質問ができた段階として保存します。回答を得たことにはしません。
気持ちをあいまいに残したいなら、別の読みをすべて消す必要はありません。はっきり伝えたい場合は、感情名や短い台詞を足す案が選べます。反応を大きくするか、小さな動きにするかも、人物と場面に合わせて試せます。
表情や沈黙を、属性と結びついた感情の暗号として固定せず、その人物に書いた前後の出来事から作ります。相手との会話を続けたい場合は会話文の書き方で、次の一往復を考えられます。
今日できたもの
- この記事で作ったもの
- 本文の根拠・狙う気持ち・比較案・採否を並べた感情アクション表
- 次に育てる場所
- 感情名を足す位置と、相手について次に書く範囲
- 次の行動
- 選んだ案を前後で読み、明示することと保留することを確かめる
ソウマ
今回はBも比べたい。一文を見せてもらえた嬉しさは書いて、悠がどう理解したかはまだ残しておく。
コトハ
動作を同じにしたので、感情名の一文で増えた情報を確かめられますね。
アキト
次は前後の文と合わせて読もう。直接書くか、推測の余地を残すかは選び直せる。
おつかれさまでした
比較した案を前後で読み、明示する気持ちを選ぶ
本文の根拠と狙う気持ち、感情名を足す案の採否を保存できます。次は前後で読み、明示する内面と、まだ決めない相手の受け取り方を確かめましょう。
チェックすると、マイノートに読んだ記録が残ります。
小さな物語
この記事とつながる小さな物語
物語の種を捨てずに残すことを、コトハたちの短い場面として読めます。 記事の理解に必須ではありません。少し余韻を見たいときだけ開いてください。

忘れた顔を探す仕草で、説明せずに喪失感を見せています。
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