ホーム › 小説づくりの工程全体を見たい場合は、AIで小説・物語を作る方法まとめへ。ここでは、各工程でAIに何を頼み、作者がどう採否を決めるかを扱います。
ソウマ
AIに『面白い物語を書いて』って頼んだら、ちゃんと物語は出てきたんだけど……なんか、俺の話じゃない感じがして。
ミラ
返ってきた案のどこを使いたいか、今あるメモと並べてみましょう。まだ決まっていないことまで、先に決めきる必要はありません。
アキト
相棒にするなら、仕事を分ける。丸投げとは違う。
AI Basics
ChatGPTで小説を作る前に、作者の判断と入力する情報を分ける
ChatGPTには、案出しや文章の下書き、比較などを文章で依頼できます。OpenAIのプロンプトの案内でも、必要な目的・前提・出力形式を伝え、返答を読んで補足する方法が説明されています。固定の書式を全部埋める必要はありません。
小説づくりでは、次の二つを分けて考えます。
- 作者が決めること:どの設定や表現を採用するか、何を残し、何を変えるか。
- 外部AIに入力する情報:相談に必要な材料のうち、利用条件や自分の方針を踏まえて送る範囲。
「最後の選択は自分で決める」と書いても、結末の候補を一切聞いてはいけないという意味にはなりません。候補を受け取ったうえで作者が選ぶこともできます。採用判断と、送信する情報の範囲は別の話です。
主人公が失いたくないもの、最後に選びそうな行動、読後に残したい感情が決まっていれば、比較の基準に使えます。まだ分からなければ未定と書き、仮の案を見て考え直して構いません。最初から作品の核を固定しきる必要はありません。
AIに丸投げしない考え方は、AIに物語を丸投げしないための考え方 でも詳しく扱っています。この記事では、その考え方を実際の相談手順に落とし込みます。
Prompt Craft
ChatGPTに頼む作業を、候補出し・整理・検査に分ける
このサイトでは、創作の相談を整理するために、AIへ頼む作業を次の三つに分けています。OpenAIの公式な機能分類ではなく、依頼の目的を見つけるための分け方です。AIに頼める仕事を、この三つだけに限るものではありません。
- 候補出し:まだ決めていない案を求める。たとえば最大3案を受け取り、採否は作者が決める。
- 整理:手元のメモを分類したり、案を同じ観点で並べたりする。元の記述と未定を分け、新しい設定で埋めない。
- 検査:設定の食い違いや分かりにくい箇所の候補を、根拠つきで指摘してもらう。作者が元の文章を読み、修正が必要か確かめる。
たとえば、記事用の架空の物語「記憶を売る店」で、「主人公は弟の治療費を集めたい」「母との約束を忘れたくない」と作者が決めたとします。約束の内容や、記憶を売ると何を忘れる仕組みなのかは未定です。この状態なら、まず売るか迷う記憶の候補を求め、足りない設定を確認しながら選べます。
この作例での依頼範囲は、次のように分けられます。
- AIの担当:候補出し。頼むこと:売るか迷う記憶を3案出す。頼まないこと:結末を決める
- AIの担当:整理。頼むこと:設定メモを重複/不足に分ける。頼まないこと:新設定を追加する
- AIの担当:検査。頼むこと:選んだ案と設定に食い違いがないか、記述を挙げて確かめる。頼まないこと:問題を無理に作る、直し方を確定する
依頼文を組み立てたい場合は、AIプロンプトの基本構造で、担当・前提・問い・制約・出力形式に分けて考えられます。
ソウマ
AIが出した案が良さそうだと、ついそのまま使いたくなるんだよな。
ミラ
使ってもいいんです。ただし、採用理由を自分の言葉で説明できる案だけを使います。
アキト
便利さではなく、作品の核に近づくかで選ぶ。
Quality Filter
ChatGPTに小説を相談するプロンプト例と、返答の読み方
どこから相談すればよいか迷ったら、まず「今日の一問」を決めます。候補がほしいのか、手元の案を比べたいのか、食い違いを確かめたいのか。目的に必要な前提や対象の文章も添えます。強くつながる問いを一緒に聞く場合まで、機械的に分ける必要はありません。
「記憶を売る店」の例なら、必要に応じて次のように進められます。全段階を毎回行う手順ではありません。
- 候補出しを頼む:売るか迷う記憶の案を求める。新しい仮定は、確定した設定と分けてもらう。
- 整理・比較を頼む:守りたい約束との関係など、同じ観点で案を並べる。未定の部分は未定のまま置く。
- 必要な検査を頼む:案と元の設定の食い違いを、記述に戻って確かめる。指摘が正しいかは作者も読む。
- 作者が採否を決める:採用・保留・見送りと理由を残す。表現が合わなければ直し、そのまま使える部分は無理に書き換えない。
相談の引き出しを増やしたい場合は AIに物語を相談するときの質問リスト や ChatGPTで物語を相談する方法 が便利です。AIの出力を自分の文章に戻す段階では、AI出力を自分らしくリライトする方法 に進めます。
もったいない相談例
面白い小説を書いてください。
よい相談例
【今回の担当】短編で使う記憶の候補出し。
【決まっている前提】記憶を売る店で、主人公が弟の治療費を集めようとしています。母との約束は忘れたくありません。
【未定】約束の内容、記憶を売ったときに何を忘れるか、各記憶の値段、結末。
【問い】主人公が売るか迷う記憶の候補を、最大3つ出してください。
【条件】今回は結末は提案しないでください。候補に必要な新しい仮定は、元からある設定と分けて書いてください。値段や忘れる範囲を、確定した事実として補わないでください。
【出力形式】各案を「記憶の候補/迷いそうな理由/次に確認したい設定」で、短くまとめてください。
たとえば「母と約束した日の記憶」という案を読むなら、すぐ採用する前に、約束の内容と、売却によって忘れる範囲を確かめます。以下は作者の判断を示す架空の記録例で、実際のAI出力ではありません。
保留。約束した日の記憶を売ると、約束の内容まで忘れるのかが未定。まず、約束の内容と店の仕組みを自分のメモに書く。
この段階では、治療費が足りるかも分かりません。候補の名前が出たことと、物語で使える設定が決まったことを分けておくと、次に考える点を残せます。
Practice
AI役割分担シートに、依頼する作業と作者の判断を残す
今の作品で決まっていること、AIに頼む作業、作者が採否を決めることを書き分けます。最後の選択や読後感が未定なら、そのまま未定と書いて構いません。「AIに渡してよい前提・範囲」は、外部へ送る情報を決めるための別の欄です。
試した後は採否と理由を残し、次にすることを決めます。まだ送らない場合は依頼前の部分だけを保存し、返答の欄は空欄にできます。すべて保留や見送りでも、本文を無理に作る必要はありません。
実践ワーク
AI役割分担シートを1枚にまとめる
作者が決める核、AIに頼む担当、今日の一問、頼まない判断を分けます。返答後は採用・不採用・保留と理由、作者の次の一手まで記録します。
役割を分けても、返答が作品に合うとは限らない
候補出し・整理・検査は、このサイトでAIとの作業境界を見つけるための三分類です。特定サービスの機能区分ではなく、この分け方だけで作品の声や出力品質が保たれるわけでもありません。返答は材料として読み、合う案がなければ採用しない判断も作者側に残します。
- 候補がどれも作品に合わない:採用せず、前提が伝わっているか、今回求めたい案の範囲が合っているかを見直す
- 背景情報や事実を確かめたい:AIの返答を出典にせず、公的資料・原資料・公式情報を別に確認する
- 未発表原稿や、実在する人の私的情報を含む:利用するサービスの入力データの扱いと設定を先に確認し、必要なら情報を抽象化するか入力しない
- 公募・投稿・商業利用に進む:生成AIの扱い、申告、禁止事項は投稿先ごとに異なり得るため、応募時点の公式要項を確認する
- AIを使わずに考えたい:AIを使わずにアイデアを出す方法を開き、観察と手書きの材料から核を育てる
今日できたもの
- この記事で作ったもの
- AI役割分担シート
- 次に育てる場所
- 自分の作品で相談したい作業と、作者が採否を決める部分
- 次の行動
- 依頼する範囲を読み直す。試した場合は、採否の理由と次に考えることを残す
ソウマ
結末まで頼む前に、俺が手放したくない場所に線を引けばいいんだ。相棒って、全部やってくれる人じゃないもんな。
ミラ
その依頼文を組み立てるところは、私も手伝えます。返答を読んだ後は、どの案を使いたいか一緒に整理しましょう。
アキト
役割を分けたなら、採用理由も書け。それで採用判断の所在が作者に戻る。
おつかれさまでした
AIに渡す仕事の境界を残せた!
今回AIに頼む作業と、作者が採否を決めることを分けました。入力する情報の範囲も確認し、試した場合は返答の判断をシートに残せます。
チェックすると、マイノートに読んだ記録が残ります。
小さな物語
この記事とつながる小さな物語
物語の種を捨てずに残すことを、コトハたちの短い場面として読めます。 記事の理解に必須ではありません。少し余韻を見たいときだけ開いてください。

AIの失敗を、次の相談条件へ変える使い方を描いています。
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