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閉店した花屋の絵が浮かんだ。ここから、どんな場面を作れるかな。
コトハ
使える物や設備と、そこへ来た人物の用件を置いてみましょう。
アキト
別の場所と比べるなら、人物や物の来歴まで変えないようにしよう。
Idea Field
場所から物語を考えるために、人物と使える条件を置く
場所から物語を作るときは、そこで人物が使える物や設備、いる理由、最初に取る行動を考えると、場面の案へ進めます。広さ、出入口、明るさ、使える道具など、描きたいことに関わる条件から置いてみます。
すべての場所に、事件や締切を用意する必要はありません。景色を眺める場面、日々の習慣を描く場面も作れます。ここでは、同じ人物と目的を二つの場所に置き、使える設備によって行動案がどう変わるかを比べます。
閉店した花屋に、鉢を取りに来る人物を置く
独立した架空教材「閉店後の鉢・場所メモv1」です。理央は24歳。引退した祖母から、祖母が世話していた鉢を家へ持ってくるよう頼まれています。祖母は自宅にいて、理央へ鍵の使用と鉢の運搬を認めています。
今回は、理央が乾いた土を見て、運ぶ前に水を足したいと考える設定です。Aは閉店した花屋、Bは同じ鉢を事前に移した倉庫という比較用の別案にします。BはAの続きではありません。
| 見ること | 今回の設定 | A・Bでの扱い |
|---|---|---|
| 人物・目的 | 理央24歳。鉢へ水を足してから家へ運びたい。 | A・Bで共通。 |
| 鉢と来歴 | 祖母が世話していた同じ鉢。土は乾いている。 | 倉庫へ移しても、鉢と来歴は残す。 |
| 使用の条件 | 祖母から鍵の使用と鉢の運搬を認められている。翌朝に鍵を返す予定。 | A・Bで共通の作者設定。誰でも入れる場所とはしない。 |
| 現地の設備 | Aの花屋には使える水道。Bの倉庫には水道がない。どちらにも空のじょうろ。 | 今回変える条件。花屋・倉庫一般の性質ではない。 |
「花屋だから必ず水道が使える」「倉庫だから水道がない」とは限りません。ここでは、二つの場所に作者がその条件を置きます。翌朝の鍵返却も、この教材で決めた予定です。
Seed to Story
花屋と倉庫の本文を比べ、場所の条件と行動をつなぐ
場所と人物の条件を置いたら、最初の行動を短い本文にします。A・Bとも理央のそばから描き、同じ鉢を家へ運ぶ目的を保ちます。
本文A:花屋の水道で、じょうろへ水を入れる
理央は、閉店した祖母の花屋で、鉢の土を指先で確かめた。乾いていた。鉢を家へ運ぶ前に、水を足しておきたかった。
流しには、空のじょうろが置いてあった。理央は蛇口をひねり、じょうろへ水を入れた。
水を止めると、じょうろを持って鉢の横へ戻った。
本文B:水道のない倉庫で、水をもらえる場所を尋ねる
理央は、倉庫に移した祖母の鉢の土を指先で確かめた。乾いていた。鉢を家へ運ぶ前に、水を足しておきたかった。
鉢の横に空のじょうろがあった。この倉庫には、水道がない。
理央は携帯電話を出し、祖母へ「水をもらえる場所は近くにある?」と送った。
| 比べること | 花屋A | 倉庫B |
|---|---|---|
| 場所の設定 | 閉店した花屋。流しの水道が使える。 | 同じ鉢を移した倉庫。現地に水道がない。 |
| 保持するもの | 理央、同じ鉢、祖母との来歴、家へ運ぶ目的。 | 同じ条件を保持する。 |
| 本文の行動 | 蛇口でじょうろへ水を入れ、鉢の横へ戻る。 | 祖母へ、近くで水をもらえるか質問を送る。 |
| まだ書いていないこと | 鉢へ水を注ぐこと、家へ運ぶこと。 | 祖母の返答、水の入手、水やり、家への運搬。 |
Aは現地の蛇口を使い、Bは別の水の入手先を尋ねています。どちらも、鉢へ水を注ぐ場面と家へ運ぶ場面はまだありません。祖母の返答も、Bの三段落には書いていません。
また、水道があるAでも、祖母に尋ねる行動は選べます。場所の条件は使える手段に関わりますが、人物の行動を一つに決めるとは限りません。 今回のAは、そこで選べる案の一つです。
場所から場面を作る4手順
- 場所の現在の状態を書く。 営業中か閉店後か、明るいか暗いかなど、必要な条件を置きます。
- 人物と用件を置く。 誰が、何をしに来たかを決めます。景色を眺めるだけの用件でも使えます。
- 使う条件と行動を選ぶ。 設備、物、出入口、人との距離などから、今回の一動作を考えます。
- 短い本文と条件を照らす。 別の場所と比べるなら、固定する条件と変更する条件を先に分けます。
ソウマ
倉庫に替えても、祖母の鉢を運ぶ目的は残る。今回は、水を手に入れる方法が違うんだな。
アキト
そうだ。場所の名前だけで、家族との来歴まで消さずに比べよう。
場所の雰囲気を味わうことが中心なら、行動が変わらなくても、その描写を残せます。人物の記憶と場所の結びつきは舞台をキャラクターに結びつける方法、物語全体の設定整理は物語の設定の作り方、土地の制度や文化まで広げる場合は世界観の作り方で扱います。
AI Partner
AIで場所を比較するときは、固定する条件を渡す
AIで別の場所と比較するときも、人物、目的、物の来歴まで一緒に変わらないよう、保持する条件を渡します。元の場所と別案、それぞれに置いた設備や制約を明示します。
この例では「花屋を倉庫へ替える」だけでなく、「現地に使える水道があるAと、ないB」と指定します。祖母の鉢、家へ運ぶ目的、空のじょうろは共通です。
もったいない相談例
花屋を倉庫へ変えたら、この物語で失われる意味と、新しい事件を全部決めてください。
よい相談例
作品名・版と、今回の範囲:_____
元の場所と、作者が置いた条件:_____
人物・目的・物・来歴など、比較で保つ条件:_____
別の場所と、変更する条件:_____
現在の本文(A・Bを分け、未執筆ならなし):_____
比較したい行動・残したい雰囲気:_____
未定のこと・新しく足さない設定:_____
場所名から設備や歴史を推測せず、提示した条件だけで比較してください。
A・Bの固定条件と変更条件を分け、各場所で使える手段と、本文に書いた行動を表にしてください。
場所を替えただけで、物や人物の来歴まで消さないでください。追加条件が必要な案は、未採用の案と示してください。
行動が変わらない部分もそのまま残してください。その場所でしか成立しない行動、締切、二択を必須にしないでください。
本文にない返答、水の入手、目的の達成などを足さないでください。
実在する場所の情報を求める場合は創作設定と分け、不明は要確認にしてください。今回は架空の比較です。
採用・保持・保留は作者が選びます。比較の途中で、別の条件まで変えていないか
「倉庫では祖母の鉢がなくなる」という案が返ったら、今回は同じ鉢を残す条件だと確認します。鉢も替える案を試すことはできますが、場所と物の両方を変える別案になります。
実在の場所を舞台にするときは、営業時間や設備、入れる範囲を創作の候補と分けて確認します。今回の花屋と倉庫は架空の設定で、実店舗の利用条件を説明したものではありません。
Practice
場所発想表へ、条件・本文・次の行動を保存する
場所発想表には、場所と人物、共通の条件、変える設備、本文の到達点を残します。期限や別の場所がまだ決まっていない場合は、その欄を空けて使えます。
実践ワーク
場所発想表を1枚にまとめる
場所と人物の用件、使える条件、別案で変える条件、本文と未決の点を保存します。雰囲気を残す案や、比較前のメモにも使えます。
花屋Aと倉庫Bで、残るものと変わる行動を保存する
- 共通:理央24歳、祖母の鉢、家へ運ぶ目的。祖母は自宅にいて、鍵と鉢の使用を認めている。
- 今回変える条件:Aは現地の水道が使える。Bは現地に水道がない。
- Aの本文:じょうろに水を入れ、鉢の横へ戻る。
- Bの本文:祖母へ、水をもらえる場所を尋ねる文を送る。
- 未執筆:どちらも水やりと運搬はまだ。Bは祖母の返答もまだない。
- 今回の判断:水をくむ動作を描きたいので、次稿はAから続ける。Bも比較用に保持する。
- 次に書くこと:理央が鉢の横へ戻った後の一文。続きはまだ書いていない。
花屋を選んだ理由は「ほかでは絶対に起こらないから」ではなく、今回描きたい設備と動作を置けるからです。倉庫でも水をくむ場面を作りたいなら、水道などの設定を変える案として試せます。
今日できたもの
- この記事で作ったもの
- 固定条件と変更条件、本文A・Bを残した場所発想表
- 次に育てる場所
- 理央が鉢の横へ戻った後の場面、または別の設備を試す版
- 次の行動
- 場所を一つ選び、使える条件と人物の用件を置く
ソウマ
場所を替えて消えたのは、現地の蛇口を使う手段。祖母の鉢という意味は残っている。
コトハ
条件と本文を分けたので、Aから続ける場合もBへ戻れますね。
ミラ
次の一文を書いたら、水やりや持ち帰りがどこまで進んだかを確かめましょう。
おつかれさまでした
場所の条件と、行動の違う本文を残せた!
同じ人物と鉢の来歴を保ち、花屋Aと倉庫Bの設備・行動を比べました。次稿で使う案と、まだ書いていない結果を場所発想表へ残せます。
チェックすると、マイノートに読んだ記録が残ります。
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