世界観・設定を作る

人物と暮らしに結ぶ設定メモ

創作の文化設定・社会・価値観の作り方

文化設定は、慣習の条件を決め、人物の状況と行動を描き、本文にあることと価値観の読みを分ける。

この記事の結論

文化や社会の設定を暮らしの一場面から作るなら、人物が触れる慣習と条件を決め、その人が何をするかを描いてみましょう。架空の共同住宅制度を例に、人物の行動と、そこから読める価値観を分けて考えます。

コトハ ソウマ ミラ アキト
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この記事でわかること

  • 使う慣習の条件から、文化設定の一断面を作れる
  • 人物の行動と、受け止め方の解釈を分けて読める
  • 次の場面か、保留して確かめることをメモに残せる
#文化#社会#価値観

ソウマ

文化を作ろうとして、宗教も言語も経済も決め始めたら、辞典みたいになって止まっちゃった。

コトハ

全部を均等に作らなくて大丈夫です。次の場面で主人公が触れる慣習を一つ選んでみませんか。

アキト

反発するとは限らない。従う、助けられる、気に留めない。その距離が見えれば、場面を始められる。

01

Worldbuilding

創作の文化設定は、慣習と使う条件から考える

文化設定では対象や時期、参加の任意性を先にそろえ、次の場面で誰が何をするかを決める。

創作の文化設定を場面で使いたいときは、人物が触れる習慣や手続きを一つ選び、どんな条件で、誰が何をするかを考えます。 国や街の全体像から作る方法もありますが、この記事では暮らしの一場面から始めます。

同じ慣習でも、利用したい人、今は距離を置く人、まだ考えていない人を描けます。全員を同じ場面に登場させる必要はありません。書いた人物の反応と、そこから推測した価値観を分けて見てみましょう。

架空の例:一年だけ、家族と離れて暮らせる街

説明用に、春に家族が共同住宅へ移る若者を送り出す街を考えます。まず、この場面で使う条件を決めます。

  • 二十歳以降の希望者は、市の共同住宅に一年暮らせる。
  • 申込は毎春で、参加するかは本人が選べる。
  • 今年申し込まなくても不利益はなく、翌年以降に申し込める。
  • 主人公は二十歳。これまでは母の通院に付き添っており、今年は家に残りたいと考えている。
  • 弟は十九歳で、来年の暮らしを楽しみにしている。

この条件なら、主人公が今年参加しないために「延期の許可」を取る必要はありません。弟はまだ申込の対象年齢ではないので、来年の見学を考える段階です。

「生活を自分で組み立てる機会になる」は、作者が考えた制度の働きの仮説です。制度の起源や、住民全員が信じる価値観として決めたわけではありません。費用や住戸数などは、必要な場面を書くときに追加で考えられます。

場所や世界の土台から考えたい場合は、世界観の作り方も使えます。

02

Rules of Place

文化設定を場面にする4手順と、兄弟の作例

任意の共同住宅制度の作例。二十歳の主人公は今年の申込を見送り、十九歳の弟は来年の見学を楽しみにする。制度への賛否や街全体の価値観までは決まらない。

慣習から場面を作るには、次の4点を順に確かめる方法があります。決まらない項目は保留し、書ける場面から試しても構いません。

  1. 使う慣習と条件を書く:何をする習慣か、誰が利用できるか、選ばなくてもよいかを、今回使う範囲で決めます。
  2. 働きや意味を仮に考える:何を助け、何が負担になるか。まだ本文で分からないことは、作者の仮説として残します。
  3. 人物の状況と行動を置く:立場だけで反応を決めず、その人が今知っていることや望みから考えます。
  4. 短い場面を書いて読む:従う、見送る、助けられる、いつもどおり使うなど、選んだ行動が条件と合うかを確かめます。

作例:今年見送る主人公と、来年を楽しみにする弟

先ほどの条件を使い、作者が朝の場面を書いたとします。

母の通院日をカレンダーで確かめ、主人公は申込書を棚に戻した。「今年は見送る」と弟に言った。弟は共同住宅の間取り図を畳み、「僕は来年、見学だけでも行ってみたい」と言った。

人物本文で示した行動ここで読める範囲
主人公通院日を確かめ、今年は見送ると話す今年は家に残る選択。慣習そのものを嫌っているとは限らない
弟間取り図を畳み、来年見学したいと話す今は利用に関心がある。街の若者全員を代表するわけではない

二人は制度の廃止や賛否を争っているわけではありません。同じ仕組みへの関心と、今の事情が異なる場面です。母がどう考えているか、主人公が翌年どうするかは、まだこの本文にはありません。

慣習に従う場面だけでも描ける

対立を作らず、いつもの支度を家族が手伝う場面にしても構いません。一人の視点だけで始めることもできます。複数の反応を比べるのは、違いを見たいときの方法です。

ソウマ

主人公は今年見送るけど、この暮らし方が嫌いだとは書いていないんだな。弟も、まだ申込はしていない。

コトハ

はい。今選べることと、本人がどう受け止めているかを分けると、次の会話を考えられます。

03

AI Partner

AIには、慣習の条件と本文の行動を照合してもらう

AIには慣習の条件と人物の状況・行動を渡し、返答の根拠と解釈を分けて元の本文に照らす。不明な反応を勝手に補わない。

AIや仲間と読みを比べるなら、慣習の条件、人物の状況、本文の行動を渡します。今回は、作った場面にどんな受け止め方が表れているかを確かめる相談です。

「助かる人・困る人・気にしない人を必ず一人ずつ」と頼むより、今いる人物から何が読めるかを先に見ます。必要な立場がまだなければ、新しい創作案として別に考えられます。

もったいない相談例

この街の住民全員が持つ価値観を、主人公の行動から決めてください。

よい相談例

これは説明用の架空の文化設定です。 慣習と、対象・任意性などの条件:__________ 確認したい場面:__________ 登場人物の状況と、本人が知っていること:__________ 本文に書いた行動や会話:__________ 各人物が慣習をどう受け止めていると読めるか、本文の根拠と解釈を分けて示してください。 条件と行動が食い違う場合は、その箇所を教えてください。 不明な受け止め方や、食い違いが見つからない場合も、そのまま残してください。 助かる人・困る人・気にしない人を、無理に一人ずつ作る必要はありません。 新しい人物や過去、実在する文化の事実を、既存設定として足さないでください。

たとえば「隣人が毎年申込書を配る」という行動だけなら、仕事として配っているのか、制度に賛成しているのか、特に意識していないのかは分かりません。返答にそうした理由があれば、本文にあることか、新しい解釈かを確かめます。

実在の文化を参考にするときは、確認した資料と作者が加えた設定を分けて記録します。この街の作例を、現実の集団を説明する根拠にはしません。

04

Practice

文化設定メモに、条件・行動・次の確認を残す

文化設定メモに慣習の条件と行動を残し、不明な受け止め方は保留する。続きを書くか次の確認を決め、すべての立場を埋める必要はない。

文化設定メモには、使う慣習と条件、人物が取った行動、その読み方を残します。制度の働きを考えた場合は、本文で分かることと作者の仮説を分けます。

助かる人、困る人、特に意識しない人の欄をすべて埋める必要はありません。該当する人物がいない場合や、受け止め方が分からない場合は空欄でも使えます。場面をまだ書かないなら、決めた条件と次の確認を残しておきましょう。

実践ワーク

文化設定メモを1枚にまとめる

慣習の条件、人物の行動、受け止め方の仮説を分けて記録します。未定の立場は空欄でも使え、次の場面か確認事項を残せます。

境界

確認した事実と作者が加えた創作を分ける。

複数

行動と受け止め方の解釈を分ける。未定の立場は空欄でも使える。

場面

条件に合う一場面を書くか、保留理由と次に確かめることを残す。

生成される実践メモ

入力すると、この記事のワーク結果がノートに貼れる形でここにまとまります。
実在資料と創作設定の境界: ____ 確認した資料・確認日(使った場合): ____ 慣習と、対象・任意性などの条件: ____ 働き・意味の仮説(未定でも可): ____ 利用したい・助けになりそうな人(任意): ____ 今は利用しない・負担を感じる人(任意): ____ 特に意識しない人・距離が不明な人(任意): ____ 参加しない・選び直す余地: ____ 主人公との距離と、その根拠: ____ 慣習が動く場面(衝突でなくてよい): ____ 場面の最初の一文: ____ まだ決めないこと・確かめること: ____ 今回の終了条件: ____

全部埋めなくて大丈夫。1行だけでも保存できます。

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次に必要なところだけ広げる

  • 主人公の距離が決まらない:舞台をキャラクターに結びつける方法で、場所の特徴と本人の行動を比べられます。
  • 住民が全員同じ考えに見える:次に描く人物の事情を一つ考えます。三種類の立場を機械的に足す必要はありません。
  • 新しく足した条件が前の設定と合わない:世界観の矛盾をチェックする方法で、食い違う二つの記述を並べます。
  • 実在資料を参考にしたい:資料名や確認日と、どの設定を創作として加えたかを分けます。今回はすべて架空なら、その旨だけで構いません。

この作例なら、次に母の返答を書く、弟の見学への関心を掘り下げる、主人公が今年家に残る日常を書く、といった続きが考えられます。どれを使うか未定なら、保留理由をメモに残します。

今日できたもの

この記事で作ったもの
慣習の条件と人物の行動・読みを分けた文化設定メモ
次に育てる場所
今年見送る主人公と、来年を楽しみにする弟がいる朝の続き
次の行動
必要な続きを書く、または未定の条件や受け止め方を確かめる

ソウマ

今年見送る人と、来年を楽しみにする人が同じ家にいる。制度の説明から、会話を考えられそうだ。

コトハ

弟は来年を楽しみにしている。同じ仕組みでも、今の事情によって距離が違いますね。

アキト

この二人の場面から始めればいい。母の考えや街全体の価値観は、まだ決めたことにするな。

おつかれさまでした

文化設定メモを残せた!

慣習の条件と人物の行動、受け止め方の解釈を分けました。必要な場面の続きを書くか、未定のことを確かめられます。

チェックすると、マイノートに読んだ記録が残ります。

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