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AIがたくさん案を出してくれるほど、どれが自分の話なのか分からなくなる。
ミラ
まず、どんな話にしたいかを一行にしましょう。その基準で3案を比べると、残したい理由も見えてきます。
アキト
案を増やすだけなら迷いも増える。見送る理由も書け。
この記事はAI×創作シリーズの1本です。全体の手順は「AIで小説・物語を作る方法まとめ」にまとまっています。
AI Basics
AIで物語のアイデアを出す前に、選ぶ基準を決める
AIに「アイデアを広げて」とだけ頼むと、候補は増えても選び方が分からなくなることがあります。先に、この作品で何を書きたいかを決めておきましょう。「大切なものを手放す迷いを書きたい」「気軽に笑えるすれ違いを書きたい」など、一行で十分です。
この一行が、候補を比べる基準です。面白そうな案でも、今回書きたい方向と違えば保留にできます。反対に、派手な設定でなくても、描きたい感情につながるなら採用する理由になります。
この記事でAIに頼むのは、核を別角度に広げる候補出しです。作者が選ぶ基準を置き、三案の採否と理由を記録するところまでを一組にします。一案を必ず採用する必要はありません。
Prompt Craft
AIのアイデア3案を比べる4手順と、選定の例
次の手順で進めます。
- 核・変えたくない前提・選ぶ基準を書く:何の話か、何を守るか、どんな気持ちを描きたいかを分けます。
- 広げる角度を一つ決め、AIに3案を依頼する:人物・関係・場所・ルール・代償などから、今回変える部分を選びます。
- 三案の採否と理由を一行ずつ書く:今回の基準に照らして、採用・保留・見送りを決めます。
- 次に試す一手を決める:残す候補があれば一つを具体化し、全案を見送るなら外れていた条件を依頼文に足します。
練習例:「記憶を売る店」で、手放す代償を比べる
以下は選び方を示す架空の作例です。核は「記憶を売る店」。主人公は弟の治療費を用意したい一方で、母との約束を忘れたくないとします。今回は、家族を助けたい気持ちと、家族との思い出を守りたい気持ちがぶつかる案を選びます。
広げる角度は「代償」です。売る記憶の種類を変え、主人公が何を手放すかを比較します。売値や費用を賄えるかどうかは、この段階では未設定です。
| 候補 | 今回の判断 | 理由・次に考えること |
|---|---|---|
| 母との約束の記憶を売る | 採用 | 弟を助けるために、守りたい家族の記憶を手放す迷いが生まれる |
| 勉強した記憶を売る | 保留 | 学んだことを失う代償はある。母との約束とのつながりを、まだ決めていない |
| 悪夢の記憶だけを売る | 見送り | 今の設定では、失いたくない家族の記憶を手放す迷いにつながっていない |
これは候補そのものの優劣ではありません。たとえば悪夢が母の声を覚えている唯一の記憶なら、同じ基準でも判断は変わります。追加設定を考えた場合は、元の案と分けて記録しましょう。
三つの判定を一案ずつ使う必要もありません。複数案を保留にしても、全案を見送っても構いません。採否と理由を残すことで、次に足す条件が見えてきます。
ソウマ
3案に絞って見送る理由を書くと、AI案選定表に自分の好みが残るんだな。
ミラ
はい。核と採用条件をセットで渡すと、広げた案を選びやすくなります。
Quality Filter
AIへのアイデア出しプロンプトに、核と選ぶ基準を渡す
AIの案を理由なく全部混ぜると、最初に置いた核が見えにくくなることがあります。見送る理由を書くと、いまの作品で守りたい感情や問いを確かめられます。
ここで『3案』に絞るのは、同じ条件で読み比べる負担を小さくするためです。数を指定しても内容の質は保証されません。三案で足りないときだけ、何が不足したかを決めてから追加します。
もったいない相談例
このアイデアから一番面白い物語を作ってください。
よい相談例
アイデアの核:__________
変えたくない前提:__________
選ぶ基準(この作品で描きたい感情や問い):__________
広げたい角度:人物/関係/場所/ルール/代償から一つ
核と変えたくない前提を保ったまま、指定した角度だけを変えた案を3つ出してください。
各案に「変えた条件」を一言添えてください。選ぶ基準につながる候補を考えてください。
未設定の条件は、確定した設定として扱わず、確認したい点として分けてください。
4案以上と、結末の提案は不要です。採用する案は作者が決めます。
もったいない例と直し方:
- 状態:丸投げ。例:一番面白い物語にして。問題:作品の方向をAIが決める。直し方:別角度の候補だけ出す
- 状態:出しすぎ。例:20案ください。問題:選べなくなる。直し方:まず3案に絞る
- 状態:全部混ぜ。例:良い部分を全部採用。問題:核がぼやける。直し方:各案の採否と理由を先に書く
Practice
AI案選定表に、選ぶ基準・採否・次の一手を残す
ワークの「変えたくない前提・選ぶ基準」欄を先に書いてください。その基準でAIの三案を比べ、採否と理由を残します。採用案があれば、書いてみたい感情や問いを一文足しましょう。全案を見送った場合は、次の依頼で変える条件を「次に試す一手」に残せば十分です。
実践ワーク
AI案選定表を1枚にまとめる
核・前提・選ぶ基準を先に書き、三案の採否と理由を比べます。似ている作品の確認、次に試す一手まで記録します。
三案から、必ず一案を採用しなくていい
AI案選定表で分かるのは、三候補のうち今の核に近いものと、見送る理由までです。候補の新しさや独自性を保証する表ではなく、選んだだけで一文の物語や場面になるわけでもありません。
- 三案とも書きたい方向と違う:全案を見送り、共通して外れていた条件をアイデアの核に書き足す
- 二案を組み合わせたい:組み合わせる目的を一文にし、核や前提と矛盾しないか確認する。要素を全部混ぜる必要はない
- 既知の作品に似ている気がする:AI案だから独自とは判断せず、人物・関係・結末まで似ていないか自分で見直し、気になる案は見送る
- そもそも広げる核がない:物語のアイデアを出す方法かAIを使わずにアイデアを出す方法で、先に種を一つ作る
- 一案を選んだが物語にならない:アイデアを物語にする方法で、主人公・場所・望み・壁に変換する
今日できたもの
- この記事で作ったもの
- AI案選定表
- 次に育てる場所
- 自分の作品で描きたい感情や問いと、三案の判断理由を比べる欄
- 次の行動
- 残す候補を一つ具体化する。全案見送りなら、次の依頼で変える条件を一つ決める
ソウマ
今回は、母との約束を売る案を残したい。家族を助けるのに、家族の記憶を失うのが引っかかる。
ミラ
その迷いが、選んだ理由ですね。次は主人公が店で何を確かめ、どうするかを考えられます。
アキト
見送った案も失敗ではない。選ばなかった理由が書けたなら、判断は終わっている。
おつかれさまでした
三案を選ぶ自分の基準を残せた!
採用する案だけでなく、見送る理由も言葉にできました。残す候補があれば主人公・場所・望み・壁に広げましょう。全案を見送った場合は、次に変える依頼条件を一つ残せば完了です。
チェックすると、マイノートに読んだ記録が残ります。
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