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仮タイトル、『すごい物語』……だめかな。いや、自分でもだめな気はしてる。
コトハ
仮題として残して構いません。本文のどこへ目を向けてほしいか、ほかの候補とも比べてみましょう。
アキト
題は物や台詞からも考えられる。作者が狙う連想と、読者に聞いた感想は分けて残そう。
Title
物語タイトルの役割|本文のどこへ目を向けてほしいか考える
物語のタイトルを付けるときは、本文のどこに目を向けてほしいかと、候補がその入口になるかを考えます。 作品の全内容を一つの題に入れる必要はありません。物の名前、場所、台詞、問い、比喩など、どこから題を考えても構いません。
この記事は、本文がある程度できたあとの付け方を扱います。先に仮タイトルを作って発想を広げたい場合は、タイトルから物語を考える方法へ進めます。仮題で書き始めて、完成後に選び直すこともできます。
例には、短編小説の作り方に載せた自作教材**『青い予備傘・練習稿v1』**を使います。14歳の律が圭に青い予備傘を借り、乾かして翌朝返す十段落です。原作を改題する練習として、候補を比べます。
「静かなやり取りを想像してほしい」と作者が考えることと、読者が実際にそう読んだことは違います。候補表にはまず作者の狙いを書き、まだ聞いていない感想は未確認として残しましょう。
Make
タイトルの付け方|本文の言葉・動作から候補を比べる
1.今回の本文の範囲をそろえる
十段落の内容を短く整理すると、律が予備傘を借り、別々の道へ帰り、自宅で傘と袋を乾かし、翌朝返す話です。性格を克服した、仲直りした、卒業した、といった出来事は書いていません。
題の材料として、次の物や動作を拾います。すべてをタイトルに入れるための一覧ではありません。
| 見るところ | 本文の材料 | どことつながるか |
|---|---|---|
| 物 | 青い折り畳み傘、傘袋 | 借りる場面から返す場面まで登場する |
| 動作 | 乾かす、拭く、畳む、返す | 律が借りた傘を翌朝返すまでに行う |
| 時間・言葉 | 夜、翌朝、「明日返す」 | 乾かす場面と、教室での返却につながる |
2.候補の根拠にした本文を読む
原作の第三、第六、第七段落を、順に抜粋します。間の段落を省いているので、続けて書かれた三段落ではありません。前後を含む全文は元の練習稿で確認できます。
隣に立った圭が、鞄から青い折り畳み傘を出した。もう片方の手には、自分の灰色の傘を持っている。律は「大丈夫」と言いかけ、駅前の横断歩道を見た。信号が二度変わる間にも、雨は弱まらなかった。
家に着くと、律は傘を広げて乾かした。傘袋も裏返し、洗面所の棚に掛けておいた。夜、骨の間に残ったしずくを布で拭き、畳んで鞄へ入れた。
翌朝、教室の戸口で圭を見つけ、律は青い傘を差し出した。
青い傘は貸し借りの場面にあり、乾かす動作は返す前の夜にあります。翌朝の返却も本文で確認できます。卒業式は、この原作にはありません。
3.候補と、作者が狙う連想を並べる
| 候補 | 作者が狙う・検討する連想 | 本文との関係 | 今回の判断と懸念 |
|---|---|---|---|
| 青い予備傘 | 貸し借りのある小さな出来事へ目を向けてほしい | 第三段落の青い折り畳み傘と『予備ならあるよ』 | 本稿では仮題として残す。読者の反応は未確認 |
| 乾かして、明日 | 借りた後の手入れと、翌日のつながりを意識してほしい | 第六段落の乾燥・手入れ、第七段落の翌朝の返却 | 二案目として保存。何を乾かすかは題だけでは分からない |
| 傘のない卒業式 | 卒業や別れを連想する可能性を検討した案 | 卒業式は本文にない。『傘がない』のは駅にいる律の状況 | 今回は保留。卒業を比喩に使う意図もまだ置いていない |
本稿では、まず貸し借りの中心にある物へ目を向けたいので、「青い予備傘」を仮題として残します。掲載先は決めておらず、正式な公開名を確認し終えたわけではありません。
「乾かして、明日」は、本文の動作をもとに組み合わせた新しい表現です。原文にそのまま同じ題がある必要はありません。「傘のない卒業式」も、比喩として使う意図があれば検討できますが、今回はその意図を置いていないため保留します。本文にある単語だけで作る、というルールではありません。
候補数も固定しません。一つを仮題として残す、違う方向の二案を比べる、まだ決めない、といった状態で進められます。
ソウマ
『乾かして、明日』には、借りたあとの動作を見てもらいたい。題だけで傘の話だと伝わるかは、まだ分からないね。
アキト
作者の狙いと、今ある本文は書けた。読者が同じように受け取るかは、別に確かめよう。
Choose
公開前のタイトル確認|表示・同名作品・紹介文を見比べる
候補を残したら、掲載先が決まった時点で題の表記と見え方を確認します。検索欄や一覧の表示は場所ごとに違うため、特定の文字数を共通の正解にはしません。ここでは、公開先を決めていない練習として確認待ちの項目を残します。
| 確認すること | 見るところ | この作例の状態 |
|---|---|---|
| 掲載先・条件 | 作品名の入力欄や表記の案内を読む | 掲載先が未定のため未確認 |
| 表示 | 一覧や作品ページで、題と作者名・紹介文を一緒に見る | 実画面は未確認。仮の紙面だけで済ませない |
| 同名・似た名前 | 選んだ公開先で候補を検索し、区別しにくさを確かめる | 検索前。見つからないことを独自性の証明にしない |
| 読み手の連想 | 可能なら題と紹介文を示し、何を想像したか聞く | 読者にはまだ依頼していない |
同名や似た名前を見つけたら、作者名や紹介文と並べて区別しやすいかを考えます。検索結果だけで名称の使用可否を判定する表ではありません。必要な表記の案内がある場合は、公開先で確認します。
紹介文には、あらすじの書き方で作った同じ原作の紹介案を使えます。
傘を忘れた律は、雨の駅で足を止める。圭が差し出したのは、自分の傘とは別の青い予備傘。律は「大丈夫」と言いかけ、雨の続く横断歩道を見る。
「青い予備傘」と並べると、題で示した物が、駅で差し出される場面につながります。これは文章同士の対応を見たもので、一覧での表示や読者の反応を測った結果ではありません。
もったいない相談例
この物語に、一番売れて必ず読者を引きつけるタイトルを付けてください。
よい相談例
本文に合う物語タイトルの候補を、比較できる形で整理してください。
作品名・版・読む範囲:_____
本文や、根拠の箇所(未執筆なら明記):_____
物語の短い説明:_____
候補と、作者が狙う連想(未定でも可):_____
使いたい言葉・残したい印象:_____
避けたい誤解と、未確認のこと:_____
今回してほしい作業:_____
候補ごとに、作者が狙う連想、本文との関係、気になる点を並べてください。
本文の根拠を挙げるときは、実際の語句や段落を示してください。ない場面や台詞を補わないでください。
比喩や問いを使う題は、本文に同じ語がないことだけで不採用にせず、意図と読みのずれを検討してください。
読者が実際にどう感じるか、売上やクリックが増えるかを断定しないでください。
公開先の検索や表示を確認していない場合は、確認済みにしないでください。
候補数は指定した場合だけ合わせ、採用の判断は作者に返してください。Practice
タイトル候補表に、本文の根拠・仮題・次の確認を残す
候補ごとの狙い、本文とのつながり、気になる点、仮採用や保留の理由をまとめます。掲載先や読者への確認をまだ行っていなければ、結果欄は未確認のまま保存できます。
実践ワーク
物語タイトルの候補と、本文の根拠を保存する
材料の版と原文、候補、作者が狙う連想、根拠、懸念、仮採用の理由と次の確認を残します。一つの候補だけでも、未決定でも保存できます。
本文が変わったら、仮題も見直せる
次の版で乾かす場面を省くなら、「乾かして、明日」と本文のつながりは変わります。題を守るためだけに場面を戻すのではなく、今回残したい内容を決めてから選び直せます。本文を改稿するときは、推敲の基本で修正の目的と範囲をそろえましょう。
読み手に感想を頼める場合は、題と紹介文のどこまでを見てもらったかも残します。「好きか」だけでなく、どんな内容を想像したか、その理由を聞くと、作者が狙った入口との違いを考えられます。少人数の反応を、そのまますべての読者の受け取り方にはしません。
この例で残したもの
- 仮題
- 青い予備傘。貸し借りの中心にある物へ目を向けたい
- ほかの候補
- 乾かして、明日/傘のない卒業式。本文との関係と保留理由を記録した
- 次の確認
- 掲載先が決まったら、表示・同名検索・紹介文との組み合わせを確認する
ソウマ
今回は『青い予備傘』を仮題にする。検索や読者への確認は、まだしていないと書いておくよ。
コトハ
ほかの案も、根拠と一緒に残せました。本文が変わったときに、同じ箇所へ戻れますね。
アキト
仮題を決めたことと、公開時の確認が終わったことは分けよう。次の作業が決まれば、今日は保存できる。
おつかれさまでした
仮題と理由を残し、本文の変化に合わせて見直そう
候補ごとの狙い、本文の根拠、気になる点を比べ、仮題と未確認の項目を残しました。本文や紹介文が変わったら、同じ表へ戻って選び直せます。
チェックすると、マイノートに読んだ記録が残ります。
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