完成・公開する

作品の核が伝わる名前を考える

物語タイトルの付け方

本文からタイトルの材料を拾い、候補ごとの作者の狙い、本文の根拠、懸念を比較。仮題を選び、公開先の表示や同名検索など未確認の項目を残す。

この記事の結論

本文がある段階では、物語のどこに目を向けてほしいかを考え、タイトル候補と本文のつながりを比べます。同じ短編の三案で、作者が狙う連想、気になる点、仮題を選ぶ理由と公開前の確認を残しましょう。

コトハ ソウマ ミラ アキト
難易度
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この記事でわかること

  • 本文からタイトル候補の根拠を拾える
  • 候補ごとの狙いと、本文との関係を比べられる
  • 仮題と保留理由、公開前の確認項目を残せる
#タイトル#作品名#読者期待

ソウマ

仮タイトル、『すごい物語』……だめかな。いや、自分でもだめな気はしてる。

コトハ

仮題として残して構いません。本文のどこへ目を向けてほしいか、ほかの候補とも比べてみましょう。

アキト

題は物や台詞からも考えられる。作者が狙う連想と、読者に聞いた感想は分けて残そう。

01

Title

物語タイトルの役割|本文のどこへ目を向けてほしいか考える

物語のタイトルは物、台詞、問い、比喩からも考えられる。本文ができた段階で候補とのつながりを見直し、作者の狙う連想と実際の読者の感想を区別する。

物語のタイトルを付けるときは、本文のどこに目を向けてほしいかと、候補がその入口になるかを考えます。 作品の全内容を一つの題に入れる必要はありません。物の名前、場所、台詞、問い、比喩など、どこから題を考えても構いません。

この記事は、本文がある程度できたあとの付け方を扱います。先に仮タイトルを作って発想を広げたい場合は、タイトルから物語を考える方法へ進めます。仮題で書き始めて、完成後に選び直すこともできます。

例には、短編小説の作り方に載せた自作教材**『青い予備傘・練習稿v1』**を使います。14歳の律が圭に青い予備傘を借り、乾かして翌朝返す十段落です。原作を改題する練習として、候補を比べます。

「静かなやり取りを想像してほしい」と作者が考えることと、読者が実際にそう読んだことは違います。候補表にはまず作者の狙いを書き、まだ聞いていない感想は未確認として残しましょう。

02

Make

タイトルの付け方|本文の言葉・動作から候補を比べる

青い予備傘は貸し借りの中心の物、乾かして、明日は手入れと翌朝の返却に対応。傘のない卒業式は卒業が本文になく比喩の意図も未設定なので今回は保留。青い予備傘を仮題として残す。

1.今回の本文の範囲をそろえる

十段落の内容を短く整理すると、律が予備傘を借り、別々の道へ帰り、自宅で傘と袋を乾かし、翌朝返す話です。性格を克服した、仲直りした、卒業した、といった出来事は書いていません。

題の材料として、次の物や動作を拾います。すべてをタイトルに入れるための一覧ではありません。

見るところ本文の材料どことつながるか
物青い折り畳み傘、傘袋借りる場面から返す場面まで登場する
動作乾かす、拭く、畳む、返す律が借りた傘を翌朝返すまでに行う
時間・言葉夜、翌朝、「明日返す」乾かす場面と、教室での返却につながる

2.候補の根拠にした本文を読む

原作の第三、第六、第七段落を、順に抜粋します。間の段落を省いているので、続けて書かれた三段落ではありません。前後を含む全文は元の練習稿で確認できます。

隣に立った圭が、鞄から青い折り畳み傘を出した。もう片方の手には、自分の灰色の傘を持っている。律は「大丈夫」と言いかけ、駅前の横断歩道を見た。信号が二度変わる間にも、雨は弱まらなかった。

家に着くと、律は傘を広げて乾かした。傘袋も裏返し、洗面所の棚に掛けておいた。夜、骨の間に残ったしずくを布で拭き、畳んで鞄へ入れた。

翌朝、教室の戸口で圭を見つけ、律は青い傘を差し出した。

青い傘は貸し借りの場面にあり、乾かす動作は返す前の夜にあります。翌朝の返却も本文で確認できます。卒業式は、この原作にはありません。

3.候補と、作者が狙う連想を並べる

候補作者が狙う・検討する連想本文との関係今回の判断と懸念
青い予備傘貸し借りのある小さな出来事へ目を向けてほしい第三段落の青い折り畳み傘と『予備ならあるよ』本稿では仮題として残す。読者の反応は未確認
乾かして、明日借りた後の手入れと、翌日のつながりを意識してほしい第六段落の乾燥・手入れ、第七段落の翌朝の返却二案目として保存。何を乾かすかは題だけでは分からない
傘のない卒業式卒業や別れを連想する可能性を検討した案卒業式は本文にない。『傘がない』のは駅にいる律の状況今回は保留。卒業を比喩に使う意図もまだ置いていない

本稿では、まず貸し借りの中心にある物へ目を向けたいので、「青い予備傘」を仮題として残します。掲載先は決めておらず、正式な公開名を確認し終えたわけではありません。

「乾かして、明日」は、本文の動作をもとに組み合わせた新しい表現です。原文にそのまま同じ題がある必要はありません。「傘のない卒業式」も、比喩として使う意図があれば検討できますが、今回はその意図を置いていないため保留します。本文にある単語だけで作る、というルールではありません。

候補数も固定しません。一つを仮題として残す、違う方向の二案を比べる、まだ決めない、といった状態で進められます。

ソウマ

『乾かして、明日』には、借りたあとの動作を見てもらいたい。題だけで傘の話だと伝わるかは、まだ分からないね。

アキト

作者の狙いと、今ある本文は書けた。読者が同じように受け取るかは、別に確かめよう。

03

Choose

公開前のタイトル確認|表示・同名作品・紹介文を見比べる

掲載先が決まってからタイトルの入力条件、実画面の表示、同名や類似名、紹介文との組み合わせを確認する。今回の作例は公開先・表示・検索・読者反応が未確認。

候補を残したら、掲載先が決まった時点で題の表記と見え方を確認します。検索欄や一覧の表示は場所ごとに違うため、特定の文字数を共通の正解にはしません。ここでは、公開先を決めていない練習として確認待ちの項目を残します。

確認すること見るところこの作例の状態
掲載先・条件作品名の入力欄や表記の案内を読む掲載先が未定のため未確認
表示一覧や作品ページで、題と作者名・紹介文を一緒に見る実画面は未確認。仮の紙面だけで済ませない
同名・似た名前選んだ公開先で候補を検索し、区別しにくさを確かめる検索前。見つからないことを独自性の証明にしない
読み手の連想可能なら題と紹介文を示し、何を想像したか聞く読者にはまだ依頼していない

同名や似た名前を見つけたら、作者名や紹介文と並べて区別しやすいかを考えます。検索結果だけで名称の使用可否を判定する表ではありません。必要な表記の案内がある場合は、公開先で確認します。

紹介文には、あらすじの書き方で作った同じ原作の紹介案を使えます。

傘を忘れた律は、雨の駅で足を止める。圭が差し出したのは、自分の傘とは別の青い予備傘。律は「大丈夫」と言いかけ、雨の続く横断歩道を見る。

「青い予備傘」と並べると、題で示した物が、駅で差し出される場面につながります。これは文章同士の対応を見たもので、一覧での表示や読者の反応を測った結果ではありません。

もったいない相談例

この物語に、一番売れて必ず読者を引きつけるタイトルを付けてください。

よい相談例

本文に合う物語タイトルの候補を、比較できる形で整理してください。 作品名・版・読む範囲:_____ 本文や、根拠の箇所(未執筆なら明記):_____ 物語の短い説明:_____ 候補と、作者が狙う連想(未定でも可):_____ 使いたい言葉・残したい印象:_____ 避けたい誤解と、未確認のこと:_____ 今回してほしい作業:_____ 候補ごとに、作者が狙う連想、本文との関係、気になる点を並べてください。 本文の根拠を挙げるときは、実際の語句や段落を示してください。ない場面や台詞を補わないでください。 比喩や問いを使う題は、本文に同じ語がないことだけで不採用にせず、意図と読みのずれを検討してください。 読者が実際にどう感じるか、売上やクリックが増えるかを断定しないでください。 公開先の検索や表示を確認していない場合は、確認済みにしないでください。 候補数は指定した場合だけ合わせ、採用の判断は作者に返してください。
04

Practice

タイトル候補表に、本文の根拠・仮題・次の確認を残す

タイトル候補表に材料の版、原文、候補ごとの作者の狙いと懸念、仮採用や保留の理由、公開前に確かめることを保存する。本文が変わったら見直せ、一つの候補や未決定のままでも残せる。

候補ごとの狙い、本文とのつながり、気になる点、仮採用や保留の理由をまとめます。掲載先や読者への確認をまだ行っていなければ、結果欄は未確認のまま保存できます。

実践ワーク

物語タイトルの候補と、本文の根拠を保存する

材料の版と原文、候補、作者が狙う連想、根拠、懸念、仮採用の理由と次の確認を残します。一つの候補だけでも、未決定でも保存できます。

材料

本文の版と、題の根拠にする箇所をそろえる。

比較

候補ごとの狙い、本文との関係、懸念を並べる。

保存

仮題と理由、公開前の確認を残す。

生成される実践メモ

入力すると、この記事のワーク結果がノートに貼れる形でここにまとまります。
材料の名前・版・読む範囲: ____ 今回の本文の短い説明: ____ 候補の根拠にした本文: ____ 本文から拾った言葉・動作: ____ タイトル候補1(仮でも可): ____ タイトル候補2(必要なら): ____ タイトル候補3(必要なら): ____ 作者が狙う連想・見てほしいところ: ____ 候補ごとの本文との関係: ____ 気になる点・比喩などの意図: ____ 仮採用・保留と理由: ____ 掲載先・表示・検索・読者確認の状態: ____ 次に確かめること: ____

全部埋めなくて大丈夫。1行だけでも保存できます。

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本文が変わったら、仮題も見直せる

次の版で乾かす場面を省くなら、「乾かして、明日」と本文のつながりは変わります。題を守るためだけに場面を戻すのではなく、今回残したい内容を決めてから選び直せます。本文を改稿するときは、推敲の基本で修正の目的と範囲をそろえましょう。

読み手に感想を頼める場合は、題と紹介文のどこまでを見てもらったかも残します。「好きか」だけでなく、どんな内容を想像したか、その理由を聞くと、作者が狙った入口との違いを考えられます。少人数の反応を、そのまますべての読者の受け取り方にはしません。

この例で残したもの

仮題
青い予備傘。貸し借りの中心にある物へ目を向けたい
ほかの候補
乾かして、明日/傘のない卒業式。本文との関係と保留理由を記録した
次の確認
掲載先が決まったら、表示・同名検索・紹介文との組み合わせを確認する

ソウマ

今回は『青い予備傘』を仮題にする。検索や読者への確認は、まだしていないと書いておくよ。

コトハ

ほかの案も、根拠と一緒に残せました。本文が変わったときに、同じ箇所へ戻れますね。

アキト

仮題を決めたことと、公開時の確認が終わったことは分けよう。次の作業が決まれば、今日は保存できる。

おつかれさまでした

仮題と理由を残し、本文の変化に合わせて見直そう

候補ごとの狙い、本文の根拠、気になる点を比べ、仮題と未確認の項目を残しました。本文や紹介文が変わったら、同じ表へ戻って選び直せます。

チェックすると、マイノートに読んだ記録が残ります。

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