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二人とも主人公みたいに大事なんだ。でも交互に書いたら、さっき読んだ説明がまた出てきた。
コトハ
その人の章を読むと、何が新しく分かるでしょう。まず二人のメモを並べてみませんか。
Multiple Viewpoints
複数視点にする理由は、一人では伝わらないことから考える
複数視点は、二人以上の人物の見聞きや考えに沿って、物語を語る方法です。 たとえば、一章は写真を探す人、次の章はその写真を守っていた人のそばから書けます。同じ出来事でも、知っていることや気にすることが違います。
ただし、登場人物が多い小説を、必ず複数視点にする必要はありません。一人のそばから、ほかの人の行動を見る書き方もできます。
迷ったら、次の二つを比べます。
- 一人の視点で書く:その人と一緒に、分からないことを探してほしいとき。相手の事情は、会話や行動から少しずつ知れます。
- 複数視点で書く:離れた場所の出来事や、本人には見えない事情も、読者に見せたいとき。読者だけが二人の情報を合わせられます。
「二人が同じ出来事をどう受け止めるか」を読み比べてもらう理由もあります。必ず新事件を足す必要はありません。感情や見方の違いが、読む意味になることもあります。
一人称・三人称の選び方は小説の視点の基本で比べられます。ここでは、複数の人物の章をどう並べるかを考えます。
Information
複数視点の人物ごとに、目的と知っている情報を分ける
練習用に、**「写真展の準備・章の設計案v1」**を作ります。アトリエの本編とは別の、架空の話です。菜月は24歳、直人は25歳。二人が準備する写真展は、17時に始まる予定とします。
菜月は16時30分、作業机に置いた写真がなくなっていると気づきます。直人は、それより前に窓から雨が入ったため、写真を保管室へ移していました。菜月はまだ、そのことを知りません。
| 人物 | したいこと | 知っていること | まだ知らないこと |
|---|---|---|---|
| 菜月・24歳 | 開始までに写真を展示したい。 | 作業机に写真がない。 | 直人が保管室へ移したこと。 |
| 直人・25歳 | 雨から写真を守り、展示を手伝いたい。 | 写真は保管室にある。 | 菜月が写真を探していること。 |
菜月の章なら、「誰かが持っていった?」と疑う文は書けます。でも、直人が盗んだと分かったことにはできません。直人の章では雨から守る理由を示せますが、まだ知らない菜月の気持ちを、本人が知っているようには書きません。
作者は二人の事情を知っています。本文では、その人物が、その時点で分かることを選びます。この区別があると、説明を繰り返す前に「今、この人が確かめることは何か」を考えられます。
Timeline
視点切り替えと時系列を、人物・時刻・章の終わりで並べる
時系列は、出来事が起きた順番です。 読者に見せる順番とは、同じにしても、変えても構いません。最初に時刻を書いて並べると、入れ替えた部分に気づきやすくなります。
まずは、時間が前へ進む三章の案を作ります。まだ完成本文ではなく、各章で書く予定のメモです。
| 読む順 | 視点と時刻 | その章で初めて分かること | 章の終わりの案 |
|---|---|---|---|
| 1 | 菜月・16:30 | 写真が机にない。菜月は移動先を知らない。 | 直人へ、写真を見なかったかメッセージを送る。 |
| 2 | 直人・16:35 | 直人が雨を避けて写真を保管室へ移した。 | メッセージを読み、写真の場所を返す。 |
| 3 | 菜月・16:40 | 菜月にも移動先が伝わった。 | 写真を取りに、保管室へ向かう。 |
第二章では、直人がそれより前にしたことを説明します。「窓から雨が入ったので、さっき移した」と書けば、今の時刻と過去の行動を分けられます。三章の案だけでは、写真を取り出した結果や、写真展の開始までは決めていません。
人物が切り替わるところを読者に知らせる
書き慣れないうちは、章や空行で区切り、次の冒頭で人物と場所を知らせると確かめやすくなります。見出しに名前を付ける方法もあります。
たとえば第二章の書き出しを、練習用に一段落だけ試します。
16時35分。保管室で、直人は写真の額についた水滴を布で拭いた。窓から雨が入ったとき、写真をこちらへ移したのだ。ポケットのスマホが振動した。
誰がどこにいるか、時刻と、直前ではない過去の行動が分かる入口です。写真が傷んでいないかや、スマホを読んだ結果は、まだこの段落にはありません。
時間を戻すなら、「十分钟前」「写真がなくなる少し前」など、必要な印を添えられます。表に書いた順番を入れ替えたあと、初めて読むつもりで人物と時刻をたどります。切り替える表現を詳しく考えたいときは場面転換の書き方へ進めます。
Another View
同じ出来事を別の視点で重ねるか、増える意味で比べる
同じ出来事を二度書くか迷ったら、二度目を読むと何が変わるかを考えます。出来事の説明が同じでも、相手の意図が分かり、最初の場面の見え方が変わることはあります。
| 二度目に書く内容 | 読者に増えるもの | 選べる案 |
|---|---|---|
| 机に写真がない、と直人も長く説明する。 | 菜月の章ですでに分かったこと。 | 同じ説明を縮め、直人が知る移動先へ進む。 |
| 直人が雨から守るために写真を移した事情を書く。 | 写真がない理由。菜月の疑いとの違い。 | 直人の章を残す。 |
| 同じ会話を、違う意味に受け取ったことを書く。 | 二人の受け止め方の違い。 | その違いが今後の行動に関わるなら、会話を重ねる。 |
最後の行は、これから会話を加える場合の案です。写真展の三章に、すでにその会話があるわけではありません。
二人の章を同じ長さにそろえる必要もありません。直人の事情を短く見せてから菜月へ戻ることも、直人の迷いを長く追うこともできます。章の長さで迷う場合は、小説の章構成で、その区切りに何を残すかを考えられます。
Practice
複数視点の章カードで、二人の三章を一度組み立てる
自分の作品から二人を選び、「視点人物・時刻・知っていること・章の終わり」を三章分だけ並べます。先の章が未定なら、空けたままで構いません。
- 一人目の章で、読者が初めて知ることを一つ書く。
- 二人目の章を挟む理由を書く。情報でも気持ちでもよい。
- 戻ってきた一人目が、何を新しく知り、次に何をするかを考える。
実践ワーク
複数視点の章カードを保存する
二人の目的と情報、三章の順番、切り替える理由、試しに書いた冒頭を残します。未定の欄は空欄でも保存できます。
AIへ点検を頼む場合は、章のメモと実際の本文を分けて渡します。自分がまだ書いていない結果を、AIの説明だけで完成したことにしないようにします。
よい相談例
視点人物ごとの目的と知っていること:_____
章カード(人物・時刻・その章で分かること・終わり):_____
実際に書いた本文(未執筆でも可):_____
人物や時間が切り替わる場所を、本文の語句と対応させてください。
その人物がまだ知らない情報を書いていないか、同じ説明が重なっていないかを比べてください。
章カードの予定を、本文ですでに起きたこととして扱わないでください。
視点を増やす案は不要です。直す点を二つ以内に絞り、採用は作者に返してください。一人の視点で十分伝わると分かったら、視点を減らす案も残せます。複数視点のために話を広げる必要はありません。まずは、選んだ三章のうち一章の冒頭を書き、誰のそばで読んでいるかを確認してみてください。
おつかれさまでした
視点を切り替える理由が見えた
人物・時刻・情報を並べたら、一章の冒頭を書いてみましょう。切り替えた先で何が分かるかを確かめ、同じ説明だけなら短くする案も選べます。
チェックすると、マイノートに読んだ記録が残ります。
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