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主人公は優しくて真面目。……書いた瞬間は立派なのに、場面に入れると何もしない人になる。
アキト
優しいから何を選ぶ。真面目だから何を断る。いま迷っている場面で、一つ試してみろ。
コトハ
同じ優しさでも、誰を先に守るかで、その人らしさが見えてきそうですね。
Decision Rule
キャラクターの性格は、状況・行動・理由から具体化できる
「優しい」「冷静」「明るい」といった言葉は、キャラクターの性格を考える入口になります。場面でどう動かすか迷ったら、どんな状況で、何を選びやすい人なのかを一つ足してみましょう。
たとえば作者が「優しい」の候補として、次のような行動を考えられます。
- 手伝いを求められたら、自分の予定と両立できる方法を探す。
- 二人から頼まれたら、小さな声で頼んだ人に先に事情を聞く。
- 言いづらいことを伝えるとき、相手が話せる時間を確かめる。
どれを優しいと感じるかは、場面や読み手によっても変わります。性格語と行動が一対一に対応するわけではありません。いま作りたい人物の候補を一つ選び、理由も考えてみます。
この人物は【状況】になると、【行動】を選びやすい。作者が考える理由は【大事にしていること】。
理由がまだ分からなければ、行動だけを仮に置いても構いません。すでに本文がある場合は、その人物がしたことを読み返す入口も使えます。作者の案と、本文で確認できることは分けておきましょう。
「行動がぶれない」は、どの場面でも同じ行動をさせることではありません。 急いでいるか、相手を知っているか、前に何を経験したかで、選ぶ行動は変わり得ます。変えた理由を読者が追えるかを見ます。
Same Root
性格が長所にも短所にもなる、場面の条件を考える
一つの性格が、場面によって助けにも負担にもなるように考える方法があります。長所と短所を別々に増やしたくないときに使える整理です。すべての人物に、同じ根から生まれた両面を作る必要はありません。
次は作者が条件と結果を置いた例です。性格の言葉だけで結果を決めず、何が起きたために助けや負担になったのかを見ます。
| 判断の傾向 | 助けになる条件と結果の例 | 困る条件と結果の例 |
|---|---|---|
| 約束した場所で待つ | 遅れた友人が連絡できず、待ち合わせ場所へ戻る。残っていたので会える | 集合場所の変更を知っても動かず、新しい場所に集まった仲間と会えない |
| 相手の言葉をまず受け入れる | 孤立した相手の説明を聞き、事情を話せる場ができる | 説明に食い違いがあるのに確認せず、誤った予定で準備を進める |
| 先回りして準備する | 発表用の予備資料を用意し、原本が濡れたときに使える | 担当者に聞かず原稿まで直し、本人が伝えたかった内容を消してしまう |
「約束を守る人」でも、変更の理由を知って移動することはできます。表の困る行動を必ず取らせる必要はありません。今回は助けになる面だけ使い、ほかの面は後で考えても大丈夫です。
望みを邪魔する癖を中心に掘り下げたい場合は、キャラクターの弱点の作り方へ進めます。ここでは性格の候補を場面で使えるところまで整えます。
Pressure Test
キャラクターの性格を試す作例:同じ場面で最初の一手を比べる
人物や候補の違いを見たいときは、まず同じ状況を置きます。危険や大きな対立を加えなくても、日常の頼まれ事で試せます。
作例:発表会の準備中、二人から手伝いを頼まれた
以下は説明用の架空の場面です。
- 発表会の開始まで10分。主人公は準備室にいる。
- 掲示係の友人が「案内の紙を貼るのを手伝って」と頼んだ。
- 発表係の友人も、小さな声で「原稿の最後の一行を見て」と頼んだ。
- どちらの作業も、何分かかるかはまだ分からない。主人公は両方の頼みを聞いている。
この条件で、「優しい人物」の案を三つ作ってみます。正しい助け方を採点するための例ではありません。
案A:小さな声で頼んだ人を先に気にかける
主人公は掲示係に「一分待って」と伝え、発表係の机へ向かった。「最後の一行、どこが気になる?」
作者は「頼むのをためらいがちな人の声を受け止めたい」という理由を仮に置きます。ただし、声が小さいだけで、その人の気持ちまで分かるわけではありません。何が必要かを本人に尋ねています。
案B:共同作業を先に進め、次の約束を伝える
主人公は発表係に「この紙を貼ったら読む」と伝え、掲示係からテープを受け取った。
こちらは「会場の準備を進めながら、もう一人の頼みも置き去りにしたくない」という作者の案です。紙を貼る時間が長ければ、後の約束を守れるか考え直す必要があります。
案C:先に必要な時間を聞き、順番を相談する
主人公は二人の間で立ち止まった。「それぞれ、何分くらい必要? 順番を一緒に決めたい」
「自分だけで優先順位を決めず、事情を聞きたい」という案です。相談している間にも時間は進むため、続く返答を含めて試します。
この一手だけで、人物の性格が確定するわけではありません。どの案を使いたいか選び、相手の返答や次の行動まで短く書くと、意図した人物像に近いか考えられます。三案とも保留でも構いません。
AIには、場面の条件と人物の案を渡す
AIへ相談する場合は、使える範囲の本文やメモを用意し、すでに決まった設定と、新しく考えたい部分を分けます。
よい相談例
場面の条件・人物が知っていること:__________
いま考えている行動:__________
作者が考える理由や大事にしていること(未定でも可):__________
変えてよい部分・残したい条件:__________
この場面で試せる行動案を最大3つ出し、各案がどの条件や理由に対応するかを添えてください。
本文に書かれたことと、新しい創作案を分けてください。
不足する情報は勝手に確定せず、確かめたい点として残してください。採用は作者が決めます。
同じ性格のまま別の行動を考えたいなら、その条件を添えます。反対に、人物の方向性から比べたい場合は、案A〜Cのように理由も候補として変えて構いません。
Character Test
性格ルールカードに、行動の案と次に試す場面を残す
性格を表す言葉から始め、試す状況、行動、作者が考える理由をカードに残します。すでに本文があるなら、どの場面の行動か分かるように書きます。信念まで決まっていなければ、理由の欄は未定でも使えます。
作例の案Aを選ぶなら、「発表準備中に二人から頼まれた」「小さな声で頼んだ発表係へ先に事情を聞く」と残せます。次に、発表係の返事を受けて何をするかを書いてみましょう。
助けになる面と困る面は、いま必要な範囲だけ考えます。採用を決められない場合も、最後の欄に保留理由と次の確認を書けば、作業を残せます。
実践ワーク
性格を一つの判断ルールにする
性格の言葉、場面の条件、行動の案と理由をまとめます。助けになる面や困る面は必要な場合だけ考え、最後に次の一手か、保留理由と確認事項を残します。
今日できたもの
- この記事で作ったもの
- 性格ルールカード
- 物語で使う場所
- 人物の優先順位や、相手への関わり方が見える場面
- 次の行動
- 相手の返答まで短く書き、意図した人物像に近いか読む。字数は目安を自分で決める
ソウマ
『優しい』は残したまま、何をする人か少し見えてきた。まずは原稿のことを聞く案を試したい。
アキト
返事を聞いて、次の行動も書いてみろ。別の事情が分かったら、最初の案を変えていい。
コトハ
同じ性格の言葉でも、どこを気にかけるかは違いますね。続きを読んでから、理由を考え直すこともできます。
おつかれさまでした
性格を行動ルールにできた!
性格の言葉に、状況・行動・作者が考える理由を添えました。次は相手の返答や別の条件でも試し、必要に応じて設定を見直します。
チェックすると、マイノートに読んだ記録が残ります。
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