キャラクターを作る

主人公を動かす相手を考える

敵役・ライバルの作り方

敵役やライバルは双方の目的と両立しない行動から考える。相手の理由を必要な範囲で置き、主人公の次の対応を決める。

この記事の結論

敵役やライバルは、主人公と何を取り合い、どこで望みがぶつかるかから考えます。相手は悪人でなくても構いません。二人が同時に望みをかなえられない場面を一つ作り、主人公が次に何をするかを選びます。

アキト ソウマ ミラ コトハ
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この記事でわかること

  • 敵役とライバルの役割を、目的から考えられる
  • 二人の行動が両立しない場面を作れる
  • 相手の行動に対する、主人公の次の対応を決められる
#敵役#ライバル#対立

ソウマ

悪そうな敵を作ったんだけど、なんだか薄い。黒い服で高笑いしてるだけになった。

アキト

その相手は何をしたい? 主人公と、どこで衝突するんだ?

コトハ

同じものを目指しているのか、別の目的がぶつかるのか。そこから考えられそうです。

01

Antagonist

敵役とライバルの違いは、主人公の目的との関わりから考える

敵役は主人公の目的を妨げる役割、ライバルは同じ賞や地位などを競う役割として考える。役割は重なることもあり、悪意や正反対の価値観は必須ではない。

この記事では、主人公の目的を妨げる役割を持つ相手を「敵役」、同じ賞や地位などを競う相手を「ライバル」として考えます。役割は重なることもあり、一人の人物をどちらか一方に固定する必要はありません。

  • 敵役の例:主人公は文化祭で12分の短編を全編上映したい。担当者は10分の持ち時間を守るため、その版を受け付けない。担当者に悪意がなくても、この場面では主人公の目的を妨げる相手になります。
  • ライバルの例:映画コンテストで、主人公も友人も一つだけの最優秀賞を目指す。二人とも「よい映画を作りたい」と考え、公平に競っていても、両方が同じ賞を取れるわけではありません。

悪役として楽しませたい相手なら、悪意や派手な振る舞いを残して構いません。その相手が何をすることで主人公の行動が変わるかまで置くと、場面を書きやすくなります。

主人公が大切にしている考えを、否定する相手にする方法もあります。 「人を信じたい」に対して「頼れば弱みを握られる」と考える相手なら、人を信じるか迷う場面を作れます。こうした譲れない考えを「信念」と呼びます。ただし、すべての敵役に正反対の信念を持たせる必要はありません。

02

Opposition

敵役・ライバルを作る5手順|目的・行動・主人公の対応

文化祭の作例では、主人公は12分版を全編上映したいが、担当者は10分の枠を守りたい。上映の受付で行動がぶつかり、主人公は編集し直して再提出を相談する。

次の5つを、今書く場面に必要な範囲で考えます。最後の結末や詳しい過去は、後から決めても構いません。

  1. 双方の目的を書く:主人公と相手は、それぞれ何を達成したいのか。
  2. 同時にはかなわない望みを見つける:賞が一つだけ、時間が足りないなど、二人の望みがぶつかる点は何か。
  3. 相手の理由を必要なだけ考える:役割を守りたい、得をしたい、大切な考えを曲げたくない、など。悲しい過去を必ず作る必要はありません。
  4. 衝突を行動にする:相手が何をし、それによって主人公の予定がどう変わるのか。
  5. 主人公の対応を置く:交渉する、競い続ける、別の道を選ぶなど、次の行動を決める。信念を守り続ける選択もできます。

作例:文化祭の上映時間が合わない

架空の文化祭を考えます。上映枠は1団体10分、作品の提出締切はまだ先です。主人公は12分の短編を完成させ、担当者に持ち込みました。

考えること主人公担当者
何をしたい?12分の短編を、全編上映したい。全団体の上映を、予定どおり進めたい。
どこでぶつかる?今の12分版を、そのまま上映してほしい。次の団体の時間を守るため、10分を超える版は受け付けない。
次にどうする?結末を残して10分に編集し直すと決め、再提出できるか尋ねる。締切までに10分版を出せば、受け付けると答える。

この場面では、10分に直す方針と、再提出の条件が決まりました。まだ編集や上映が終わったわけではありません。主人公には、削る箇所を選ぶ作業が残ります。

二人の考え方が正反対でなくても、時間の条件から対立を作れます。主人公が「一場面も削りたくない」と思う理由を描きたいなら、作品への思いを考えます。別の上映機会を探す展開も、作者が選べる案です。

相手が先に動く案も考えられる

相手は、主人公を待ってから反応するばかりでなく、自分の目的のために先に動くこともできます。

  • 担当者なら、先に全団体へ上映時間と締切を知らせる。主人公は、その条件を読んで編集するかを考える。
  • 意図的に妨害する悪役を描くなら、主人公が申し込む前に上映の機会を奪おうとする案もある。その場合は、なぜ奪いたいのかと、具体的に何をするのかを決める。

どちらも、作例へ追加できる別の案です。相手の行動を決めたら、それを知った主人公がどうするかへつなげます。悪役の方法を、悪意のない担当者や公平なライバルへそのまま当てはめる必要はありません。

ソウマ

担当者は意地悪をしてないのに、主人公は今の版のまま進めなくなるんだな。

アキト

相手を悪く見せなくても、何が両立しないか分かれば、主人公の次の行動を考えられる。

03

AI Partner

AIには、敵役・ライバルの行動候補を目的と条件に沿って出してもらう

AIに双方の目的と場面の条件を渡し、相手の行動と主人公への影響の候補を求める。元の設定と仮定を分け、目的や関係に合わない候補は見送れる。

行動が思いつかないときは、双方の目的と場面の条件をAIに渡し、相手が取る行動の候補を求められます。新しい過去や結末まで一緒に決めたくなければ、その範囲も書いておきます。

もったいない相談例

主人公を邪魔する悪い敵キャラを作ってください。

よい相談例

主人公の目的:__________ 相手の目的と、決まっている関係:__________ 場面の条件・変えたくない設定:__________ 相手が取る行動を最大3案出し、主人公の予定にどう影響するかを添えてください。 入力済みの前提と、新しく仮定したことは分けてください。 人物の過去と結末は追加せず、条件が足りなければ確認点を返してください。

候補を読むときは、「相手の目的につながるか」「元の関係や条件と合うか」「主人公が何か対応できるか」を見ます。文化祭の作例で、根拠なく担当者が作品を盗む案が出たなら、今回描きたい対立とは違うとして見送れます。候補を必ず一つ採用する必要はありません。

信念をぶつけたい場合は、「主人公の信念に対する反論を出してください」と依頼を変えられます。その場合も、相手がそう考えることと、その考えが作品の中で正しいことは分けて扱います。

対立相手が動かないときの見直し方

  • 相手の性格だけがある:その場面で達成したいことと、実際の行動を添える
  • 事情を説明すると、行動までよいことに見える:本人の理由と、周りの人が受けた影響を分けて描く
  • 言い争いは続くが状況が変わらない:話し合いがまとまらない、条件が変わるなど、次の行動につながる結果を置く
  • 最後の勝敗が決まらない:今の場面の対応だけ決め、結末は未定のままにする
04

Practice

対立相手設計に、二人の目的・両立しない行動・次の対応を残す

対立相手設計に、双方の目的、両立しない行動、主人公の次の対応を書く。信念や反論は必要な場合だけ加え、最後の勝敗や結末は未定でもよい。

まず双方の目的と、両立しない行動を一組書きます。信念や反論は、今回の場面で扱いたい場合だけ加えてください。結末が未定なら、主人公が次にすることや、まだ決めたい点を残せます。

実践ワーク

対立相手設計を1枚にまとめる

双方の目的、相手の理由、両立しない行動と主人公の対応をまとめます。信念や反論は必要に応じて書き、最後の答えは未定でも構いません。

目的

双方の目的を置く。信念や反論は、今回扱いたい場合だけ加える。

理由

相手の理由と、行動が生む結果を分ける。詳しい過去は必要な範囲で考える。

衝突

同じ出来事に関わる二人の行動と、主人公の次の対応を置く。

生成される実践メモ

入力すると、この記事のワーク結果がノートに貼れる形でここにまとまります。
主人公の信念(必要なら): ____ 主人公がこの場面で達成したいこと: ____ 対立相手が同じ出来事で達成したいこと: ____ 相手の考え・反論(必要なら): ____ 相手がそう考え、行動する理由: ____ 二人の行動が衝突する出来事: ____ 同じ出来事で両立しない二人の行動: ____ 主人公の次の対応・最後の答え: ____

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敵役を置くか迷ったら、物語に必要な役割へ戻る

対立を中心にしない物語もあります。協力や日常の変化を書きたいのに、無理に敵を増やす必要はありません。敵役を使う場合も、倒す・和解する・距離を置くなど、どの関係に落ち着くかは作品ごとに決められます。

  • 相手がその場にいない:送られた通知や事前の決定が主人公の行動を変えるなど、同じ出来事への影響を考える。対面させる必要はない
  • 相手が信じる理由を書いたら、加害や支配まで正当化して見える:事情ではなく「本人がそう信じる理由」として扱い、行為の結果は別に描く
  • 人物を悪役にすると、題材に合わない:災害、制度、時間制限、自分自身の恐れなど、人ではない対立に置き換える。無理に敵役を作らなくてよい
  • 主人公のどこを揺らすか決まらない:キャラクターの目的の作り方か弱点の作り方に戻り、守りたいものと避けたいものを一つずつ決める
  • 争いより、二人の距離の変化を描きたい:キャラクター同士の関係性の作り方で、近づくきっかけと離れるきっかけを考える

今日できたもの

この記事で作ったもの
対立相手設計
次に育てる場所
相手の行動を受け、主人公が次に対応する場面
次の行動
二人の行動を一つずつ書き、両立しない点と主人公の対応を確かめる

ソウマ

二人とも上映会を成功させたい。でも今の12分版は受け付けてもらえない。そこから主人公が動くんだな。

コトハ

相手を嫌な人に変えなくても、両立しない条件を置けば、主人公の対応を考えられますね。

ミラ

ライバルなら、同じ目標を持つ相手と競う姿も描けます。必要な役割から選びましょう。

おつかれさまでした

主人公と相手の、両立しない行動を残せた!

双方の目的と行動を置きました。次は、相手の行動に主人公がどう対応するか、場面で確かめましょう。信念の変化や最後の勝敗は、必要な段階で考えられます。

チェックすると、マイノートに読んだ記録が残ります。

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