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裏本編 / 雨の日の郵便屋 編
ミラの推測ミス
AIと二作目の芯を描く裏本編。ミラが受けそうな新作案を外し、ソウマが自分の書く理由を選び直す。
Story Focus
受けそうな案と、自分が今書く理由のズレを見分けられるか。
- この話の気づき
- AIの提案は、採用条件だけでなく採用しない条件を決めると相棒として使いやすくなる
- 最後の選択
- 『返事がなくても待っている人を消さない』を二作目の条件にする
- 次の問い
- 条件が決まっても、書けない日はどう扱うのか
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この話とつながる記事
ミラの新作案は、よくできていた。
よくできすぎていた。
「近年の短編コンテスト傾向を参考に、二作目の方向性を三案作りました」
ミラはタブレットを机に置く。
案一。
「雨の郵便屋と、手紙を読めない少女の出会い」
案二。
「記憶を運ぶ配達員のミステリー」
案三。
「落選した作家が異世界で郵便局を立て直す」
ソウマは三つ目で顔を上げた。
「急に異世界」
「流行要素です」
「郵便局を立て直すな」
コトハが少し笑った。
最初は笑えた。
でも、ミラが続けて「受賞可能性」「読者の入りやすさ」「テーマの明確さ」を説明し始めると、ソウマの胸の奥が重くなった。
どれも悪くない。
むしろ、うまい。
自分が書こうとしている宛名のない封筒より、ずっと分かりやすい。
でも、どの案にも「返事がなくても待っている人」がいなかった。
「これ、俺の二作目じゃなくない?」
ソウマの声は、思ったより固かった。
ミラが止まる。
「参考案です」
「分かってる」
「採用しなくていい」
「分かってる」
分かっているのに、少し腹が立った。
受けそうな形に整えられると、自分の書きたいものが不格好に見える。
その不格好さを守るために、また怒らなければならないのが嫌だった。
「勝てそうな話を書けばいいなら」
ソウマは、言ってから止まれなかった。
「俺じゃなくてもいいじゃん」
ミラの表情が、ほんの少し固まった。
言いすぎた。
そう思ったのに、胸の中の熱はすぐには引かなかった。
コトハが静かに言った。
「ミラさんは、ソウマさんを勝たせようとしたんですね」
ミラはうなずいた。
「落選後なので、次は通りやすい案が必要かと」
ソウマは息を吐いた。
怒りが少しほどける。
ミラは外した。
でも、雑に扱ったわけではない。
勝たせようとして、芯から少しずれた。
「ごめん」
ソウマが言うと、ミラが首を横に振った。
「こちらの推測ミスです」
そして、タブレットに新しい条件を書いた。
「二作目の条件」
一、受けそう、を最優先にしない。
二、返事がなくても待っている人を消さない。
三、雨の日の郵便屋を、立て直し系異世界にしない。
「三つ目、いる?」
「重要です」
コトハが笑った。
ソウマも笑った。
ミラの案は、全部保留フォルダに入った。
捨てるのではなく、今は選ばない。
ソウマは自分の原稿を開く。
不格好で、遠回りで、受けるかどうか分からない。
でも、宛先だけはある。
それなら、今日は続きが書ける。
読後メモ
この話では、AIが出した「受けそうな物語」と、作者が今書くべき物語のズレを描いています。
AIの提案は便利ですが、落選後ほど「通りやすさ」に寄りすぎる危険があります。採用しない条件を明確にすると、AIを否定せず、創作の相棒として使いやすくなります。
自分の創作でAIや他人の案を使うなら、「採用する条件」だけでなく「今は選ばない条件」も書いてください。うまい案を捨てるためではなく、自分が守りたい宛先へ戻るための境界になります。
前の アキトの落選箱 から読むと、失敗を残したあとに「次は勝ちたい」という気持ちが強くなる流れが分かります。次は 書けない日の当番表 で、書けない日をどう扱うかへ進みます。
関連する記事は ChatGPTで小説・物語を作る方法 と AI出力を自分の作品として直す方法 です。
この話の気づき
AIの提案は、採用条件だけでなく採用しない条件を決めると相棒として使いやすくなる次の問い: 条件が決まっても、書けない日はどう扱うのか読み終えたら記録できます。次に読むおすすめが未読の話へ移ります。
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