裏本編 / 雨の日の郵便屋 編

次の一通

落選後の再起を描く裏本編。ソウマが悔しさを消さず、次に書く一通の手紙を見つける。

Story Focus

悔しさを消さずに、次の物語の宛先へ変えられるか。

再起次のアイデア感情を題材にする
この話の気づき
再起は感情を消すことではなく、痛みの宛先を変えて次の一文にすることでも描ける
最後の選択
『拝啓、雨の日の郵便屋へ』と書き、届かなかった手紙を拾い直す
次の問い
次の一通は、誰に届ける物語になるのか

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止まった物語の再開 小説が書けなくなったときの再開方法|止まった原因別の直し方 悔しさを消してからではなく、残したまま次の一文を書いています。 物語のアイデア出し 物語のアイデアが浮かばないときの出し方|日常からネタを作る5つの発想法 落選通知への返事という形で、次の物語の種を見つけています。 感情からテーマを決める 感情から物語のテーマを決める方法|怒り・後悔を種にする 悔しさをそのまま次の題材へ変えています。

落選通知の翌日、ソウマは新しいファイルを開けなかった。

開こうとはした。

デスクトップにカーソルを合わせ、右クリックをして、新規作成のところまで行った。

でも、白い画面が出る前にやめた。

昨日の「くやしい。」が、まだノートの上にある。

その横に「雨の日に落ちるな。」もある。

見返すと少し笑えるのに、胸の奥はまだ痛い。笑える痛みと、笑えない痛みが同じページに並んでいる。

コトハが、お茶を置いた。

「今日は書かなくてもいいと思います」

ソウマはうなずいた。

うなずいたあと、少しだけ首を横に振った。

「書かなくてもいいって言われると、ちょっと書きたくなる」

ミラが顔を上げる。

「反発心」

「分類しなくていい」

アキトは昨日のページを見ていた。

「落選通知に返事を書くのはどうだ」

ソウマは眉をひそめた。

「通知に?」

「作品として。採用されなかった手紙に、次の配達先を作る」

その言い方は、少し悔しいくらい物語っぽかった。

ソウマはノートを引き寄せた。

新しいページを開く。

白い。

昨日より、少しだけ白さが怖くない。

一行目に迷った。

「拝啓、落選通知様」

書いてすぐ、ミラが吹き出した。

「様をつける必要は」

「ないな」

ソウマは線を引いて消した。

次に書く。

「拝啓、雨の日の郵便屋へ」

コトハが小さくうなずいた。

ソウマは続けた。

「君の手紙は、今回は届かなかったらしい。でも、届かなかった手紙が、なくなったわけではない。」

ペンが止まる。

昨日なら、ここで「きれいごとだ」と言って閉じていたと思う。

今日も少し思っている。

でも、きれいごとになるかどうかは、続きで決まる。

「君は一度、雨の日に配達をやめた。今度は、落ちた手紙を拾いに行く。」

アキトが言った。

「続きそうだな」

「まだ分からない」

「分からないなら、続く」

ミラが新しいファイル名を提案した。

「next-letter-draft」

「英語にすると急に仕事感が出る」

コトハが笑った。

「でも、次の一通ですね」

ソウマはページの上に、仮のタイトルを書いた。

「次の一通」

それは、受賞作ではない。

落選をなかったことにする魔法でもない。

悔しさが消えたわけでもない。

でも、昨日の痛みから、次の一文が出てきた。

それは少しだけ信じてもいいことのように思えた。

ソウマは受付番号の付箋をはがさず、その隣に新しい付箋を貼った。

「次の一通」

二枚の付箋が並ぶ。

一枚は、出した証拠。

もう一枚は、続ける証拠。

雨はまだ降っている。

郵便屋は、たぶんまた濡れる。

それでもソウマは、新しいページにもう一行だけ書いた。

「今度は、返事がなくても届けに行く。」

読後メモ

この話では、小説コンテストの落選後にすぐ元気になるのではなく、悔しさを残したまま次の一文を見つけています。

再起は感情を消すことではありません。落選後の書き出しを、反省文ではなく次の物語の種に変えることで、キャラクターは同じ場所に戻らず、少し違う一歩を踏み出せます。

自分の主人公にも、痛みそのものへ返事を書かせてみてください。「落選通知へ」「閉じたノートへ」「読まれなかった一文へ」など、相手を決めるだけで、反省ではなく物語の声が出やすくなります。

前の 雨の日の落選通知 から読むと、悲しみと怒りが次の物語の種へ変わる流れが分かります。この章を投稿前から読むなら 提出前夜 がおすすめです。

次は 二通目の宛先 で、落選後の一行を二作目として誰に届けるのかを考えます。

関連する記事は 書けなくなった物語を再開する方法物語のアイデアを出す方法 です。

この話の気づき

再起は感情を消すことではなく、痛みの宛先を変えて次の一文にすることでも描ける次の問い: 次の一通は、誰に届ける物語になるのか

読み終えたら記録できます。次に読むおすすめが未読の話へ移ります。

落選通知への返事を書く

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